オーディオ買取対象品目
スピーカー
フロア型スピーカー / トールボーイ型スピーカー / ブックシェルフ型スピーカー / スタジオモニター / ウーファー / サラウンドシステム
スピーカーは音の出口となる機材です。プレーヤーからアンプへと送られてきた電気信号を「空気の振動」という物理振動に変え、音楽や音声などの音を形にする役割を担っています。
オーディオコンポの中でも最も音の違いが出やすいことから、スピーカーの選定に力を入れているオーディオファンは少なくありません。オーディオ専門店へ行くと壁一面に積み上げられた大量のスピーカーを目にすることからも、その存在価値は認められることでしょう。
スピーカーはその形状から、小型のブックシェルフ型と大型のフロア型に分類することができます。しかし、近年の傾向として、住環境の変化で大型フロア型の人気が下降するに伴い、「巨大な箱」と言ったイメージからトールボーイ型が大型の主流となってきています。
フロア型スピーカー
フロア(床)に設置して使用するスピーカー。あるいは、そのエンクロージャー形状。一般的に、床に直置きするものを「フロア型」、スタンドを使って設置するコンパクトなスピーカーを「ブックシェルフ型」と呼びます。
フロア型の長所も短所も、その筐体の大きさにあります。
筐体が大きければスピーカーユニットも大きいものが取り付けられるため、低音域再生能力は他のタイプより向上させやすくなります。また、ユニットのレイアウトにおいても自由度が高く、さらにスケール感も出しやすいことから、各メーカーの最高機種(フラッグシップ)はたいていフロア型です。
かつての主流はフロア型でした。というより、ほとんどのメーカーが発表するスピーカーは、家具調の大型フロア型でした。理由はアンプの低出力です。特に真空管アンプにおいては顕著で、10W程度の出力しかないその時代には、音量確保のためには筐体そのものの振動利用や、筐体構造をバックロードホーン式など複雑なものにする必要がありました。素材が木材以外にあまりなかったことも関係します。
ただ、現在では多くのアンプが高出力を実現しており、スピーカーのエンクロージャーにも多様な素材の利用が可能になったことから、フロア型以外の方式でも高音質は実現できるようになりました。そのため、現在の主流は小型スピーカーやトールボーイ型です。それでも、先述の通り各メーカーのハイエンド機器、フラッグシップ機はフロア型であることから、音を追求する人には絶大な人気を誇ります。また、高性能であるがゆえ、高額となる傾向が強いのも特徴です。
トールボーイ型スピーカー
背が高く、底面積が小さいスピーカーシステムの通称。脚台があって床に設置できるものが多く、その意味ではフロア型ですが、従来のフロア型より幅や奥行きが小さく、箱より棒に近いエンクロージャのスピーカーを「トールボーイ型」と呼んでいます。
1990年代中頃にはほとんど見受けられませんでしたが、2000年代に入るとその数は急増。大型テレビとのマッチングもよく、インテリア性や設置性に優れていることから、オーディオファン以外からも高評価を獲得します。そして、2010年代には一つのジャンルとして認識されるようになり、現在では小型・大型とカテゴライズされるほどの人気タイプとなりました。
底面積は小さくても全高が高く、そのため容積は大きいスピーカーです。ほとんどの機種がユニットを複数持つ傾向にあり、低音再生もその容量を生かして楽々と出せる機種が揃っています。また、等価的に大口径に匹敵する特性を得るため、ウーファーがダブル駆動、もしくはクワッド駆動しているものが多数あるのも特徴です。
小型スピーカーには、その課題の一つに高域部分と低域部分の信号干渉が挙げられます。サイズ上の観点から、シングルワイヤリング接続にならざるを得ないことが原因ですが、トールボーイ型は高域部分と低域部分の信号のバイワイヤリング接続が可能なため、音声信号の分離出力が可能です。そのため、互いの信号が干渉しないクリアな音質が得られます。
しかし、筐体が筒状に縦に長い形状のため、 低音域の最低共振周波数付近で共鳴が起こりやすく、特定の音程が強調されてブーミーになりやすい欠点もあります。
ブックシェルフ型スピーカー
小型で背が低いスピーカーシステムの通称。元々は本棚(ブックシェルフ)に置くことを前提に設計され、かつては実際に本棚にセッティングしていたため「ブックシェルフ型」との名が付きました。しかし、現在では比較的コンパクトなスピーカー全般を「ブックシェルフ型」と呼ぶ傾向にあります。
小型であるためウーファーユニットの口径も小さく、量感のある重低音の再生は不得意とするものが多数です。そのため、時折その低音域をカバーしようと周波数特性をいじる人がいますが、トーンコントロールである一定以上低音を持ち上げると、中音域もそれに伴い少し持ち上がってしまい、「洞間声」と呼ばれる不自然な音になってしまいます。やるのであれば周波数特性をいじるよりサブウーファーをつけましょう。その方が簡単で確実です。また、中音域に影響を与えません。
しかし、低音の再現にこそ難があるものの、音の出口がコンパクトにまとまっているものが多いことから、比較的に音像定位は優れていると言えます。「音像」とは人間の知覚する音の空間的像のことで、方向や距離を持った音を意味します。したがって、「音像定位が良い」とは、「音の聞こえる方向や距離などが認識しやすく、より正確な臨場感が再現できている」ということになります。目の前で演奏しているわけではないのに、個々の楽器や歌い手の位置をステレオ環境で擬似的ながらも正確に感じ取れるスピーカーは、定位の再現性に優れたスピーカーといえます。
一般的に、トールボーイ型はユニットが複数あるため音の出口がばらつき、定位の表現は困難になりますが、ブックシェルフ型は低音の再現こそ苦手としますが、音像定位の表現は得意としていると言えます。
スタジオモニター
業務用スピーカーのこと。定義はありませんが、一般的に、家庭用(通常)スピーカーは送られてきた音声信号をできる限り美しく鳴らすように設計されています。多少解像度が下がっても、聴いた感じが心地よいものであれば許容される傾向にあり、小音量でも不足を感じなくするように低音や高音、あるいは高音のみを強調した鳴り方のものが一般的です。一言で言えば「音楽鑑賞用」スピーカーです。
一方、業務用であるスタジオモニターはその設計方針がまるで異なります。レコーディングスタジオや放送局での使用を前提としているため、音源の良し悪しが明確です。人の聴力特性を補正するような設計はされておらず、出てくる音は硬質ではっきりしている傾向にあります。
つまり、スタジオモニターは音声信号を「データ」として聞き取れるように設計されており、美しく鳴らすことより演奏内容がはっきりとわかることを重視します。したがって、時にあら探しも求められ、一言で言えば「作業用」スピーカーとして位置づけられています。
一般論として、スタジオモニターでのクラシック、ジャズ、ポップスの試聴は不向きと言われていますが、ハウスやトランスなどのテクノ系音楽、あるいはヒップホップなど、機材によりサウンドメイキングしているジャンルの音楽はスタジオモニターでの試聴は作り手の気持ちが理解できる、と好まれています。
普通のスピーカーであれ、モニタースピーカーであれ、基本的にはどんなアンプを使ってもかまいません。ただし、モニタースピーカーの性質を最大限引き出そうとする場合は、その目的と構成を矛盾させないためにも、そのモニターと相性の良いアンプの利用をお勧めします。
ウーファー
低音再生を受け持つスピーカーユニットで、ウーハーとも呼ばれています。
スピーカーは各ユニットが受け持つ帯域を、高音と低音で2分割しているものを「2ウェイ」、高音・中音・低音で3分割しているものを「3ウェイ」と呼びます。そして、高音を担当しているユニットが「ツイーター」、中音を担当しているユニットが「スコーカー」、低音を担当しているのが「ウーファー」です。
それぞれの名称は、動物の声になぞらえた愛称が由来となっています。高音は小鳥のチッチッというさえずりで「ツイーター(トゥイーター)」、中音は鳥がギャーギャー鳴く「スコーカー」、そして、低音はオオカミや犬が低くうなる声に似ているので「ウーファー」です。
ウーファーの性能は、口径の大きさはもちろん、駆動する磁気回路やエンクロージャーの形状・サイズ・強度なども影響します。したがって、一概に大口径のウーファーが低音再生に優れているとは言えませんが、有利であることには間違いありません。
一方、サブウーファーとは普通のスピーカーでは充分に再生できない超低音域を専門に担当するスピーカーシステムです。周波数で言えば、概ね20Hz~100Hzの帯域です。サブウーファーには大きく二種類あります。一つが、メインスピーカーの低音量を増強するもの。もう一つが、メインスピーカーでは再生が困難な、より低帯域の超低音を付加するものです。
ちなみに、サブウーファーとは反対に、通常のスピーカーでは再現できない高音域を専門に担当するユニットは「スーパーツイーター」と呼ばれています。
サラウンドシステム
サラウンドシステムとは、アンプとスピーカーで構成される音声の再生方法の一つです。聴き手を取り囲むようにスピーカーをレイアウトし、音のずれによって臨場感・立体感を演出します。
サラウンドでは、モノラル(1.0ch)、ステレオ(2.0ch)よりも多くのチャンネル(3ch以上)を有します。そのチャンネル数は、通常「5.1ch」「7.1ch」などと表記されますが、通常のスピーカーは1chで1とカウントし、サブウーファーは「.1ch」とカウントします。したがって、「5.1ch」とは「5つのスピーカーと1つのサブウーファー」の構成ということになります。
サラウンド方式は大きく4つに分類されます。ドルビーデジタル、DTS、リニアPCM、AACです。ドルビーデジタルは、米国ドルビーラボラトリーズ社が開発した音声データの記録方式です。CDやビデオ、テレビの2chステレオデータを擬似的に、5.1chや7.1chにすることができます。
DTSは、音声データのデジタル圧縮・再生方式。開発は米国デジタルシアターシステムズ社。映画館の音響システム、DVD、ブルーレイディスク、および一部のゲームソフトの音声データの記録に採用されています。リニアPCMは、デジタルデータの加工や圧縮を一切処理せずに転送するため、音の劣化がなく高音質です。ただし、その分データが大きくなるというデメリットがあります。AACは、、MPEG2規格のサラウンド方式です。BSデジタルや、地上波デジタル放送の音声規格に採用されています。
「いつかは○○」と、ヴィンテージスピーカーへ強い憧れを抱くオーディオファンは非常に多くいます。その中でも、アメリカの「JBL」やイギリスの「タンノイ」といったブランドは特に人気が高く、今なお高値で取引されています。
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