オーディオ辞典【ひらがな】

可逆圧縮方式かぎゃくあっしゅくほうしき

lossless compression

可逆圧縮方式(ロスレス)とは、データを圧縮しても再生時に元の音を一切損なわず、完全に復元できる方式のことです。ファイル容量を抑えつつ、CDやハイレゾと同じ音質を保てるのが最大の利点です。

非可逆(ロッシー)との違い

MP3やAACなどの非可逆圧縮は、人に聞こえにくい成分を削って容量を大きく減らします。手軽ですが元の波形は戻りません。一方ロスレスは情報を捨てないため、原音とビット単位で同一です。そのぶん容量は非可逆より大きくなります。

代表的なロスレス形式

  • FLAC:オープン規格で最も普及。タグ管理もしやすい
  • ALAC:Apple系の可逆形式。iTunes/Apple Musicと相性が良い
  • WAV/AIFF:無圧縮(これも原音そのまま。容量は最大)

どんな人に向くか

音質を最優先し、保存容量に余裕がある人に向きます。ハイレゾ配信の多くもロスレスやそれに準じた形式で提供されています。関連用語:デジタルオーディオSACDデコーダー

仮想同軸型スピーカーかそうどうじくがたすぴーかー

Virtual coaxial type loudspeaker

バーチャル同軸型スピーカーとは、複数のユニットを近接・対称に配置して、あたかも1点から音が出ているように聞かせる方式のことです。同軸ユニットを使わずに、点音源に近い自然な音像を狙います。

仕組みと狙い

ツイーターの上下にウーファーを対称配置する(ダッポリート配置など)ことで、音の到達タイミングをそろえ、定位を安定させます。1本のユニットに2つを同軸で組み込む本来の同軸型に対し、配置の工夫で似た効果を得るのが特徴です。

メリット

  • 音像がまとまり、ボーカルの定位が明確になりやすい
  • 上下方向の指向性が安定する

本来の同軸型との違い

本来の同軸型はツイーターをウーファーの中心に物理的に同軸配置します。バーチャル同軸は別々のユニットを対称に並べて疑似的に点音源へ近づける考え方で、設計の自由度が高い一方、上下の対称性を保つ設置が音を活かすポイントです。関連用語:コーンスピーカーダイナミックスピーカーエンクロージャー

カナル型イヤホンかなるがたいやほん

canal-type earphone

イヤホンは、大きく分けてインイヤー型とカナル型があります。

インイヤー型は普及率が高く、ラジオなどに付属のイヤホンの多くはこのタイプです。

カナル型はインイヤー型に比べて、耳に深く入れて使用します。

カナルとは外耳道のこと(正確にはear canal)です。イヤチップが長くとられ、外耳道に耳栓のように入れて使用するため、外の音が侵入しにくく、小音量でも聞きやすい特徴があります。

よく聞こえるため、音量を絞ることができ、耳への負担が少ないとされています。

カラレーションかられーしょん

coloration

カラーレーション(coloration)とは、オーディオ機器が再生時に音へ加えてしまう「色付け」のことです。原音にはない響きや質感が乗る現象で、機器の個性を語るうえで欠かせない用語です。

主な原因

  • 筐体の共振:スピーカーの箱やシャーシが一緒に鳴る
  • 振動板の素材:紙・金属・樹脂それぞれ固有の響き
  • 回路や部品の特性:真空管の倍音、トランスの質感など

カラーレーションは悪か

ハイファイの理想は「原音忠実(カラーレーションが少ない)」ですが、実際には適度な色付けが魅力になることも多くあります。ヴィンテージ機の温かい響きや、ブランドごとの「音色」はカラーレーションの産物でもあり、好みで選ぶ楽しさの源泉です。

機器選びでの見方

モニター系は色付けの少なさを、音楽性重視の機器は心地よい色付けを志向する傾向があります。試聴で自分の好みに合う「色」を見つけるのがオーディオ選びの醍醐味です。関連用語:エンクロージャー歪率SN比

グラフィックイコライザーぐらふぃっくいこらいざー

graphic equalizer

特定の周波数帯の音量を上げたり下げたりして、希望する音に補正できる機材です。

複数の周波数帯に割り当てられた音をフェーダーなどで操作することによって、スピーカーの持つ周波数特性を補正します。

音の特徴を視覚的にも判断できることから、この名称がついたといわれています。

補正したい音がどの周波数帯のものかを知らないと適正に補正できませんので、使いこなすには熟練を要しますが、感覚的に操作ができるという面も持っています。

コーンスピーカーこーんすぴーかー

cone loudspeaker

コーンスピーカーとは、振動板が円錐状(コーン型)をしたスピーカーユニットのことです。もっとも普及した方式で、低音から中音まで幅広く再生でき、多くのスピーカーのウーファーやミッドレンジに採用されています。

仕組みと特徴

コーン紙(振動板)の裏にボイスコイルが取り付けられ、磁気回路の中で前後に動くことで空気を振動させ音を出します。コーン形状は剛性と軽さを両立しやすく、効率よく空気を動かせるのが利点です。

振動板の主な素材

  • 紙(パルプ):軽く自然な音。ヴィンテージ機に多い
  • ポリプロピレン:内部損失が大きく歪みが少ない
  • 金属・ケブラー等:高剛性で解像度を重視

関連用語:ボイスコイルポリプロピレンコーン紙ダイナミックスピーカー

5.1チャンネルごてんいっちゃんねる

DVDの普及によって、家庭内で映画や音楽を楽しめるようにしたスピーカーのシステム、あるいは収録技術です。前方に左右とセンターの3本、後方(センタースピーカーに対し110°の位置が望ましいとされる)に左右2本、重低音を受け持つサブウーファースピーカーを配置し、DVDに収録されたそれぞれに割り当てられたチャンネルから信号を送り、再生します。音に立体感や臨場感が生まれ、映画やコンサートではリアルな感覚が楽しめます。リアにセンタースピーカーを追加した場合は、6.1チャンネルと称します。

コンデンサースピーカーこんでんさーすぴーかー

condenser loudspeaker

コンデンサースピーカー(静電型)は、振動板に高電圧を印加してコンデンサ原理で発音する平面スピーカーですSTAX SR-009・QUAD ESL・Martin Logan CLX 等が代表機種。

振動板が極薄(数ミクロン)で慣性が小さく、高速応答・低歪率(0.01%以下)・繊細な音質が特徴。一方で能率が低く専用アンプ(Energizer)が必要なヘッドホン機種もあります。

関連用語:平板スピーカー

サランネットさらんねっと

saran net

サランネットとは、スピーカーの前面を覆う保護用のネット(グリル布)のことです。サラン繊維で作られたものが多く、振動板をホコリや衝撃から守りながら、音をできるだけ妨げないよう工夫されています。

役割と着脱

コーンやツイーターは繊細で、指で触れると破れることがあります。サランネットはこれを保護します。音質を最優先する場合は外して聴く人もいますが、ユニット保護のため通常は装着して使います。

状態と査定

  • 破れ・たるみ・変色・ヤニ汚れは見た目の評価に影響
  • フレームのツメ折れや、そもそもの欠品も確認ポイント
  • 張り替えで見た目を回復できる場合もある

お手入れ

ホコリは掃除機を弱くかけるか、粘着ローラーを軽く当てて取ります。強くこするとネットが伸びるため注意します。関連用語:エンクロージャーコーンスピーカー

スーパーツィーターすーぱーつぃーたー

super tweeter

超高音域の再生を目的とした専用スピーカーのことです。

製品によりますが、およそ10kHz~200kHz程度までの帯域を再生できます。

スピーカーシステムにおいて、高音域はツィーターが受け持ちますが、20kHz以上の超高音域を再生するスピーカーをスーパーツィーターと呼んで区別しています。

いわゆるハイレゾ音源の普及や、超高音域がカットされていないレコードの見直しに伴って、これらに含まれる超高音域を再生できるスーパーツィーターがクローズアップされてきているのでしょう。