国内最強ジャイアンツ「V9時代の巨人軍」をオーディオに例えたなら(前編)

 

1960年代から70年代にかけて、栄光のV9時代を築いた巨人軍。あの頃のジャイアンツは本当に強いチームでした。3番王、4番長嶋のONコンビを擁し、9年連続で日本シリーズを制覇。前代未聞の9連覇を達成します。

しかし、当時の巨人打線はカネで選手をかき集めた1990年代以降のような重量級打線ではなく、1番、2番とクリーンナップで点をとり、後はそのリードを徹底して守るという、いわゆるスモールベースボールでした。驚くことに、V9中の打線は王と長嶋以外、誰も規定打席に到達しての打率3割を達成していません。

 

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V9の代表的打順はこんな感じです。

1番 柴田勲
2番 土井正三
3番 王貞治
4番 長嶋茂雄
5番 末次 利光
6番 高田繁
7番 黒江 透修
8番 森祇晶
9番 堀内恒夫

こうしてみると、何人かは巨人を卒業して、別チームで監督を務めています。ですから、当時はアンチ巨人だった方も、今では「個性的なチームだったなあ」と懐かしいのではないでしょうか。

さて、そこで今回は、こんな個性派揃いのV9時代巨人軍をオーディオに例えてみようと思います。

目次

1番 柴田勲をオーディオに例えたなら
2番 土井正三をオーディオに例えたなら
3番 王貞治をオーディオに例えたなら
まとめ

 

1番「柴田勲」をオーディオに例えたなら

柴田勲は神奈川県横浜市出身の外野手。現役時代の背番号は「12」と「7」。通算盗塁数歴代3位で、盗塁王には6回も輝いた俊足の選手です。
「銀座の盗塁王」との異名を持ち、また、柴田がバッターボックスに入ると、伊東ゆかりの「小指の思い出」の替え歌(「柴田が噛んだ小指が痛い」)の大合唱が相手スタンドから湧き起こったことは、きっと記憶にある方も多いことでしょう。
現役時代のトレードマークは、赤い手袋。あの手先の赤色は、私もはっきり覚えています。

そんな柴田をオーディオに例えるなら、やはり「樽屋レコードカートリッジ01M」でしょう。
日本を代表するDJ「MURO」や「須永辰緒」ばかりでなく、世界のトップDJも愛用しており、発売より10万本以上の販売実績を持つ超ロングセラーの針です。レコードを楽しむ際に一番大切な「音」を最優先にしており、世界中のレコード針の中でNo1クラスのダイナミックレンジとコストパフォーマンスを誇ります。
スクラッチ・プレーも可能な「遊べる」針で、ダンスミュージックをはじめ、あらゆるジャンルの音楽でリスナーの心を「盗む」針です。
まさに柴田です。グランドでは塁を盗み、銀座では女心を盗む。そして、トレードマークが赤い手袋。
そうなんです。この「樽屋レコードカートリッジ01M」は色が赤で、トーンアームに装着すると、まるで赤い手袋を付けているかのようなのです。

 

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【主な仕様】
型番:樽屋 01M 赤針
発売:1997年
販売元:有限会社アベインターナショナル

 

2番「土井正三」をオーディオに例えたなら

土井正三は兵庫県神戸市出身の内野手。現役時代の背番号は「6」と「66」。走塁の技術が高く、1969年の日本シリーズ(阪急戦)での本塁突入は今も語りぐさとなっています。この走塁は「奇跡の走塁」と評され、土井は「忍者」と称されたものでした。
打撃技術も高く、1975年には史上93人目の1000本安打を達成。また、右方向を狙ったり、追い込まれてもファウルで粘ったりと、玄人好みのバッティングをする選手でした。
しかし、何より評価されたのは、当時のクリーンナップ「王」や「長嶋」へのつなぎ役としての仕事でした。

そんな土井をオーディオに例えるなら、もちろん分類は「ケーブル」です。そして、個人的には「すきまケーブル」通称「忍者ケーブル」に例えたいところですが、こちらはテレビ用ケーブルです。したがって、ここではオーディオケーブル「Zonotone  6.5N・AC-2000 Meister」を推薦します。

Zonotone(ゾノトーン)は、オルトフォンジャパンの元社長「前園俊彦」が立ち上げたブランドです。今や「オーディオケーブルの代名詞」と呼ばれ、オーディオファンに絶大な人気を誇るケーブルメーカーです。そして、そのZonotoneが立ち上がり「2番目」の年に、2周年記念モデルとして発表したのが「6.5N・AC-2000 Meister」。

ケーブルの構造は、マルチストランド・2芯ダブルシールド。導体は6Ncu、5NCu、PCOCC、純銀コートOFCのハイブリッド。絶縁体は高純度ポリエチレンで、シールドはアルミラップと高密度銅の編組。プラグは接点が24kメッキ、ボディはニッケルメッキです。

高解像度で透明感も良く、ワイドレンジ。二塁手として広い守備範囲が定評だった土井さながら、このケーブルも高音だけでなく中・低音もしっかり聞かせる広い音範囲が魅力です。

直球、カーブ、シュートなど、どんな球種にも対応し、クリーンナップへつなげた土井。この「6.5N・AC-2000 Meister」も、クラシック、ジャズ、ロックなど、あらゆる種類の音楽的電気信号をそつなく伝え、オーディオ機器をつなぎます。

 

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引用元:Zonotone

 

【主な仕様】
型番: 6.5N・AC-2000 Meister
発売:2009年
販売元:株式会社 前園サウンドラボ

 

3番「王貞治」をオーディオに例えたなら

王貞治は東京府東京市本所区(現・東京都墨田区)出身の内野手。現役時代の背番号は「1」。 ジャイアンツの永久欠番 として1989年3月16日に認定されています。
言わずもがな、日本が誇るホームランバッター。通算安打は 2786 、プロ通算打率は3割1厘。そして通算本塁打は 868本ですが、日本シリーズ、オールスター、東西対抗戦、日米野球戦、オープン戦を含めた生涯通算では、1000本を超える1032本のホームランを放っています。

今でこそ人格者の王貞治ですが、意外にも若い頃は悪かったらしく、銀座や赤坂のクラブ通いをする門限破りの常連でした。巨人の寮長を長年務めた武宮敏明は、「歴代の3ワルは王、柴田勲、堀内恒夫」と言っています。

しかし、当時のコーチである荒川に、酒・煙草・女の全部をやめて野球に専念するよう言われると、それまでの行動が嘘のように改心。「世界の王」へと歩み始め、今に至ります。
趣味はピアノ。

そんな王をオーディオに例えるなら、「アキュフェーズ A200」でしょうか。

そもそもアキュフェーズは、一部上場企業「トリオ」のお金ばかりを求める方針を悔い改め、「理想のオーディオ機器をつくる」という理念のもとに設立された企業です。理想とする打撃を求めるべく改心した王貞治と似ています。

そして、件の「A200」は、アキュフェーズ創業40周年記念モデルの「3番目」、第3弾として、プリアンプ「C-3800」、セパレート型SACDプレーヤー「DP-900」「DC-901」に続き発表された純A級パワーアンプです。制作コンセプトは、最高峰の性能と音質の追求。

M-6000の卓越した構造技術を導入し、大型ヒートシンクを筐体の両サイドに配置。2台の完全同一回路のパワーアンプ・ユニットを並列動作させ、極めて低出力インピーダンスのパワーアンプです。また、最高グレードの素材や回路、パターン技術などを駆使して、ダンピング・ファクター1000以上という驚異的な値を達成しています。

さらに、特筆すべきはSN比。入力部にダブル構成のインスツルメンテーション・アンプ方式を導入し、「ゲイン最大時126dB」「ゲイン-12dB時132dB」という驚きのSN比に成功。これはアキュフェーズのパワーアンプで歴代最高の性能です。

そして、王貞治の趣味であるピアノの音も、「アキュフェーズ A200」は極めて美しい音色で再現すると好評です。
価格はペアで250万円。

 

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引用元:アキュフェーズ

 

【主要規格】
定格連続平均出力(20~20,000Hz間):
ノーマル仕様時;800W/1Ω 400W/2Ω 200W/4Ω 100W/8Ω
ブリッジ接続(2台);1,600W/2Ω 800W/4Ω 400W/8Ω
連続最大出力(1kHz):1,000W/1Ω 630W/2Ω 360W/4Ω 180W/8Ω
全高調波ひずみ率:0.05%(2Ω負荷) 0.03%(4〜16Ω負荷)
周波数特性:
定格連続平均出力時;20~20,000Hz +0 -0.2dB
1W出力時    ;0.5~160,000Hz +0 -3.0dB
負荷インピーダンス:
連続出力仕様時;2~16Ω
音楽信号時  ;1~16Ω
ダンピング・ファクター:1,000
入力インピーダンス:
ライン;20kΩ
バランス;40kΩ
外形寸法:W465 x H238 x D514
質量:46kg

 

まとめ

1番柴田は、まるで赤い手袋のレコード針「樽屋レコードカートリッジ01M」。
「銀座の盗塁王」の名に負けず、あらゆる音楽で人の心を盗みます

2番土井は、つなぎの名手「Zonotone  6.5N・AC-2000 Meister」。
Zonotoneが立ち上がり「2番目」の年の、2周年記念モデル。玄人ウケする土井のように、玄人が好むケーブルです。

3番王は、パワーアンプ「アキュフェーズ A200」。
王と生い立ちが似ているアキュフェーズの、最高峰のパワーです。ピアノが得意というところも同じです。

さて、今回は上位打線を例えてみました。
次回は「4番長嶋」からです。楽しみにお待ちいただければ光栄です。
では、また近々お目にかかります。

皆さんのオーディオライフが、V9巨人の上位打線のように、つながりが美しくなることを祈りつつ。