「レコードの歴史」 ~エジソンの蓄音機からLP、アナログ復権まで オーディオ解説書その11

エジソンの蓄音機(1877年)から円盤レコードの誕生、SP盤・LP・EPの進化、CDへの世代交代、そして現代のアナログ復権まで——約150年の「レコードの歴史」を業界40年の店主が年表でたどります。オーディオ解説書シリーズその11。
「レコードの歴史」 ~エジソンの蓄音機からLP、アナログ復権まで オーディオ解説書その11

オーディオ買取屋(長野県松本市・株式会社ヴィンテージストック/古物商許可 長野県公安委員会 第481321600012号)店主の草間啓介です。オーディオ解説書シリーズ、今回のテーマは「レコードの歴史」です。エジソンの蓄音機から円盤レコードの誕生、LP・EPの登場、CDへの世代交代、そして近年のアナログ復権まで——約150年におよぶ「音を記録する」技術の歩みを、年表を追いながらたどります。

本記事はオーディオ機器の買取専門店「オーディオ買取屋」(業界40年・店主が直接査定/査定・出張・キャンセル無料)が監修しています。

レコードそのものの入門は 「レコード」オーディオ解説書その1 を、再生の仕組みは 「アナログプレーヤーの仕組み」その2 をご覧ください。この記事はその姉妹編として、「歴史」に絞って解説します。

1. 蓄音機の誕生 ~音を記録するという夢~

エジソンのフォノグラフ(1877年)

「音を記録して、あとから聴き直す」——今では当たり前のこの行為が初めて実現したのは、1877年。発明王トーマス・エジソンが発表したフォノグラフ(Phonograph)です。錫箔(すずはく)を巻いた円筒に針で音の振動を刻み込み、針でなぞって再生するという、驚くほど機械的な仕組みでした。録音も再生も電気を一切使わない、純粋な機械式です。

実はその20年前、1857年にフランスのスコットが「フォノトグラフ」という装置で音の波形を煤(すす)の上に描くことに成功していました。ただしこちらは記録するだけで、再生する手段がありません。「記録した音をもう一度聴ける」ようにした点こそが、エジソンの発明の核心でした。

ベルリナーの円盤レコード(1887年)

エジソンの円筒式に対して、1887年、エミール・ベルリナーが発明したのが円盤式のグラモフォン(Gramophone)です。平らな円盤に溝を刻むこの方式は、プレス機による大量複製が容易という決定的な利点がありました。「原盤から同じものを何枚も作れる」——音楽を産業に変えたのはこの発明です。私たちが知る「レコード」の直接の祖先は、エジソンの円筒ではなくベルリナーの円盤の方でした。

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2. SP盤の時代 ~78回転と蓄音機の普及~

シェラック製のSP盤

20世紀初頭から半ばまで主流だったのが、いわゆるSP盤(Standard Play)です。カイガラムシ由来の天然樹脂「シェラック」を主原料とし、毎分78回転で再生します。片面の収録時間は10インチ盤でわずか3分程度。交響曲を聴くには何枚もの盤を取り替える必要があり、この「アルバム(写真帳)のように盤を綴じた体裁」が、今も使われる「アルバム」という言葉の語源になりました。

ちなみに「SP」という呼び名は、後にLP(Long Play)が登場してから区別のために生まれた、いわば後付けの名前です。当時の人々にとっては、これがただの「レコード」でした。

電気録音の革命(1925年)と日本のレコード産業

初期の録音は、大きなラッパに向かって演奏する「アコースティック録音」でした。1925年、マイクロフォンと真空管アンプを使う電気録音が実用化されると、音質は飛躍的に向上します。同じ頃の日本では、1927年〜1928年にかけて日本コロムビア、日本ビクターといったレコード会社が相次いで設立され、国産レコードと蓄音機の時代が本格的に始まりました。

3. LP・EPの誕生 ~ビニール盤への進化~

LP(1948年)とEP(1949年)

第二次大戦後、レコードは大きな進化を遂げます。1948年、米コロムビアが発表したLP(Long Play)レコードは、素材を割れやすいシェラックから塩化ビニールに変え、回転数を毎分33 1/3回転に落とし、溝を細かくすることで片面20分以上の収録を実現しました。交響曲の楽章を途切れずに聴けるようになったインパクトは絶大でした。

翌1949年には、ライバルのRCAビクターが毎分45回転のEP(Extended Play)、いわゆる「ドーナツ盤」を発表します。中央の穴が大きいのは、ジュークボックスでの自動交換を想定した設計です。以後、「アルバムはLP、シングルはEP」という役割分担が定着していきました。日本では1951年に日本コロムビアが国産初のLPを発売しています。

ステレオレコードの実用化(1958年)

1950年代末には、1本の溝の左右の壁に2チャンネルの音を刻む45/45方式のステレオレコードが実用化され、1958年頃から各社が発売を開始します。左右のスピーカーから立体的な音場が広がる体験は、その後のオーディオ趣味の原点になりました。ステレオ再生の要となるカートリッジの進化については カートリッジ買取ガイド でも触れています。

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4. 黄金時代からCDへ ~絶頂と世代交代~

1960〜70年代:日本のオーディオ黄金期

1960〜70年代、レコードは音楽メディアの王様でした。日本のメーカーはこの時代に世界をリードする製品を次々と生み出します。象徴的なのが1970年に登場したTechnics SP-10——世界初のダイレクトドライブ・ターンテーブルです。ベルトを介さずモーターで直接プラッターを回すこの方式は、回転の正確さで世界を驚かせ、放送局の標準機にもなりました。SANSUI・TRIO・Pioneerの「オーディオ御三家」をはじめ、各社のプレーヤー、アンプ、スピーカーが家庭の居間に「ステレオセット」として鎮座した時代です。

私事ですが、店主の私がこの業界に入ったのは1980年代半ば。まさにレコードからCDへ切り替わる直前の、レコード文化の最後の絶頂期を肌で知る世代です。当時のプレーヤーやアンプの「物量」——ずっしり重い筐体、丁寧に作られた回路——は、40年商売を続けてきた今でも査定のたびに感心させられます。

CDの登場(1982年)とレコードの退場

1982年10月、ソニーとフィリップスが規格化したコンパクトディスク(CD)が日本で発売されます。「針を落とす」儀式も、盤面の手入れも不要。小さく、頭出しが一瞬で、ノイズのないデジタル音源は瞬く間に普及し、1986年頃には生産数でレコードを逆転しました。1980年代末には主要レーベルが次々とLPの生産を縮小し、90年代にはレコードは一部の愛好家とDJ文化のものになっていきます。CD誕生の詳しい経緯は 「CDの歴史」オーディオ解説書その3 にまとめています。

5. アナログ復権 ~いま再び回るターンテーブル~

ところが2010年代に入ると、世界的にアナログレコードの復権が始まります。海外では新譜のアナログ盤売上が年々伸び続け、日本でも大手レコード店がアナログ売場を拡大、新譜・旧譜のLPが再びプレスされるようになりました。ストリーミングで音楽が「空気のような存在」になった時代に、ジャケットを手に取り、針を落として聴くという「手間そのもの」が価値として見直されたのです。

メーカー側も応えました。TechnicsのSL-1200シリーズが復活し、各社から新設計のプレーヤーが登場。そして中古市場では、黄金期に作られたヴィンテージプレーヤーやアンプ、スピーカーの価値が大きく見直されています。オーディオ買取屋の店頭でも、ここ数年「実家からレコードとプレーヤーが出てきた」というご相談が明らかに増えました。歴史が一周して、あの時代の機器がふたたび主役になりつつあります。

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6. まとめ ~150年の歴史の先に~

錫箔の円筒に音を刻んだエジソンから約150年。レコードは「音楽を所有する」文化を作り、CDに主役を譲り、そしていま再び愛される存在として戻ってきました。ご実家の押し入れに眠るレコードの山と、それを鳴らしていたプレーヤーやアンプは、この150年の歴史の生き証人です。

そして歴史が示すとおり、いまはアナログ機器の価値が見直されている時代です。「古いから値段は付かないだろう」と処分してしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。オーディオ買取屋は古物商許可(長野県公安委員会 第481321600012号)を持つ専門店として、業界40年・累計2,000件超の経験で、レコードも機器も一点ずつ丁寧に査定します。レコードの売り方は レコード買取ガイド、プレーヤーの査定ポイントは レコードプレーヤー買取ガイド をご覧ください。

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オーディオ買取のよくある質問

Q. オーディオの査定は無料ですか?

A. はい、査定料・出張料・キャンセル料はすべて無料です。査定額にご納得いただけない場合のお断りも自由で、費用は一切かかりません。

Q. 動かない・古いオーディオでも買取できますか?

A. 可能な場合がございます。店主・草間(一級陸上無線技術士・業界40年)は修理・メンテナンスの経験が豊富で、他店で値がつかなかった機器でも、修理・パーツ取りの価値を見極めて評価できる場合があります。

Q. 遠方ですが対応してもらえますか?

A. 全国対応の宅配買取(送料当店負担)がございます。長野県内は出張買取も可能です。お気軽にご相談ください。

Q. 支払いはどのように行われますか?

A. その場で現金、または銀行振込(振込手数料は当店負担)でお支払いします。ご都合に合わせて対応いたします。

Q. 「オーディオの買取屋さん」とは別の会社ですか?

A. はい、別法人です。当社「オーディオ買取屋」は株式会社ヴィンテージストック(法人番号7100001029014・長野県松本市・古物商 第481321600012号)が運営しています。名称が似た東京の別事業者「オーディオの買取屋さん」とは資本関係も業務提携もありません。

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