オーディオ辞典【ほ】
ホーン型ほーんがたすぴーかー
horne type loudspeakerホーン型スピーカーとは、振動板の前にラッパ状のホーンを設けたスピーカーのことです。少ない入力でも大きな音圧が得られる高能率が特長で、力強く生々しい音を再生します。
仕組みと利点
ホーンが振動板と空気を効率よく結び付け(音響インピーダンス整合)、エネルギーを無駄なく前へ放射します。能率が高いため小出力の真空管アンプとも好相性で、劇場やジャズ喫茶で長く愛用されてきました。
代表例と方式
- コンプレッションドライバー+ホーン(中高音を担当)
- バックロードホーン(低音をホーンで増強する箱)
設置と評価のポイント
大型で存在感があり、能率の高さから音量を上げなくても朗々と鳴ります。JBL・アルテック・ウェスタンエレクトリックのホーンやドライバーは中古でも人気です。ダイヤフラムの状態が音と評価を大きく左右します。関連用語:ダイナミックスピーカー/WE755A/コーンスピーカー。
ボイスコイルぼいすこいる
voice coilボイスコイルとは、スピーカーの振動板の裏面に取り付けられたコイルで、電気信号を機械的な振動へ変換する核心部品です。スピーカーが音を出す仕組みの中心を担います。
音が出る仕組み
磁気回路(マグネット)の隙間にボイスコイルが置かれ、音声電流が流れると磁界との作用で前後に動きます。この動きが振動板を揺らし、空気を震わせて音になります。
素材と特性
- 銅:導電性が高く一般的
- 銅クラッドアルミ(CCAW):軽量で高域に有利
- アルミ:軽く反応が速い
断線や擦れ(ボイスコイルタッチ)は音の歪みや無音の原因になります。関連用語:コーンスピーカー/ダイナミックスピーカー/アルニコスピーカー。
防磁型スピーカーぼうじがたすぴーかー
magnet protecting loudspeaker防磁スピーカーとは、磁気回路から漏れる磁束(漏洩磁束)を抑える設計を施したスピーカーのことです。かつてブラウン管テレビの近くに置いても画面が乱れないように作られました。
仕組み
- キャンセルマグネット:主磁石の背面に逆向きの磁石を貼り、外部への磁束を打ち消す
- 磁気シールドカバー:磁気回路を金属カバーで覆う
現代における意味
液晶・有機ELテレビは磁気の影響を受けないため、防磁設計の必要性はほぼなくなりました。現在はホームシアター向けなど一部を除き、非防磁のスピーカーが主流です。
中古品を見るときのポイント
「防磁型」の表記は1990〜2000年代のテレビ横置き需要を反映した仕様で、年代判定の手がかりになります。防磁の有無自体は音質の優劣を直接決めるものではありません。関連用語:ダイナミックスピーカー/ボイスコイル/エンクロージャー。
ポリプロピレンコーン紙ぽりぷろぴれんこーんし
polypropylene corn paperポリプロピレンコーンとは、振動板(コーン)にポリプロピレン樹脂を用いたスピーカーユニットのことです。歪みが少なく素直な音で、多くの現代スピーカーに採用されています。
特徴
ポリプロピレンは内部損失が大きく、余計な共振(鳴き)を抑えられます。そのためクセの少ないフラットな音になりやすく、湿気にも強く経年劣化しにくいのが利点です。ウーファーやミッドレンジに広く使われます。
紙コーンとの違い
- ポリプロピレン:低歪みで安定。ややおとなしい傾向
- 紙(パルプ):軽く反応が良く温かいが湿気に弱い
状態の見方
紙より丈夫ですが、エッジ(周囲のゴムやウレタン)は劣化することがあります。エッジの破れやべたつきは補修・張り替えで対応できる場合があります。関連用語:コーンスピーカー/ボイスコイル。
ボリュームガリぼりゅーむがり
volume-gariボリュームガリとは、アンプの音量つまみ(ボリューム)を回したときに出る「ガリガリ」「ジャリジャリ」という雑音のことです。ヴィンテージ機で特に起こりやすい、代表的な経年トラブルです。
原因
ボリュームの正体は可変抵抗器(ボリュームポット)です。内部の抵抗体と接点(ワイパー)に、酸化被膜・ホコリ・古いグリスの固着が生じると、接触が不安定になりガリ音が出ます。長期間動かさなかった機器ほど起こりやすくなります。
対処
- 接点復活剤(クリーナー)を少量注入し、つまみを何度か回して馴染ませる
- 改善しない場合は分解清掃、または可変抵抗器の交換
- 密閉型ボリュームは注入口がなく交換対応になることがある
査定での扱い
ガリは清掃・整備で改善することが多く、整備を前提に価値を見る専門店なら過度な減点をしないケースもあります。動作未確認・現状のままでも、まずは状態を伝えてご相談ください。関連用語:アッテネーター/トーンコントロール/ハム音。

