【完全ガイド】2017セイジ・オザワ 松本フェスティバル(2017OMF)

2017年3月10日に公式プログラムが発表された「2017セイジ・オザワ 松本フェスティバル」。チケットも6月3日の午前10時より全国一斉発売開始され、いよいよ本格的に盛り上がってまいりました。

そこで今回は、2017セイジ・オザワ 松本フェスティバルを徹底ガイド。
少しでも音楽祭が盛り上がれば幸いです。

目次

  1. Aプログラム(8/18,8/20)
    1-1.詳細
    1-2.みどころ(ファビオ・ルイージはこんな人!)
    1-3.ファビオ・ルイージ 2017来日スケジュール
  2. Bプログラム(8/25,8/27)
    2-1.詳細
    2-2.みどころ
  3. Cプログラム(9/8,9/10)
    3-1.詳細
    3-2.みどころ(内田光子はこんな人!)
  4. 小澤征爾音楽塾オーケストラによるOMFオペラ(9/3)
    4-1.詳細
    4-2.出演
  5. 特別プログラム 内田光子リサイタル(9/4)
    5-1.詳細
    5-2.みどころ(こんな曲が演奏されます!)
  6. 室内楽
    6-1.ふれあいコンサートI(8/19)
    6-2.ふれあいコンサートII(8/26)
    6-3.ふれあいコンサートIII(9/2)
  7. OMF室内楽勉強会~金管アンサンブル~発表会(8/13)
  8. 子どものための音楽会(9/1)

 

1.Aプログラム(8/18,8/20)

1-1.詳細

<Aプログラム>
2017年8月18日(金) 開演19:00
2017年8月20日(日) 開演15:00
場所:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
料金:S ¥22,000 A ¥18,000 B ¥15,000 C ¥8,000
公演時間:約1時間30分(休憩なし)
■マーラー:交響曲 第9番 ニ長調
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ファビオ・ルイージ

1-2.みどころ(ファビオ・ルイージはこんな人!)

Aプログラム最大の見所は、指揮者「ファビオ・ルイージ(ルイジとも。Fabio Luisi)」だろう。彼は1959年1月17日生まれ、イタリア・ジェノヴァ出身の指揮者である。

ルイージは4歳からピアノを学び始め、パガニーニ音楽院でピアノのディプロマを取得し、アルド・チッコリーニに師事。次いでオーストリアのグラーツ音楽院でミラン・ホルヴァートに指揮法を師事し、1983年にグラーツ音楽院を卒業。1984年よりグラーツ歌劇場で活動を始める。

その後は、西ドイツおよびオーストリアの歌劇場にていくつもの実績を重ねるのだが、1990年にはグラーツ交響楽団を創設し、1995年まで芸術監督を歴任。1996年から2007年までライプツィヒ放送交響楽団芸術監督、1997年から2002年までスイス・ロマンド管弦楽団の首席指揮者を務めた。そして、2002年にリヒャルト・シュトラウスの「ダナエの愛」でザルツブルグ音楽祭に初登場すると、2005年から2013年までウィーン交響楽団の首席指揮者を務め、同楽団から「ゴールデン・ブルックナー・メダル」と「ゴールデン・ブルックナー・リング」を贈られた。

2007年8月よりザクセン州立歌劇場(ゼンパー・オーパー)およびシュターツカペレ・ドレスデンの音楽監督に就任するも、シュターツカペレ・ドレスデンにおいては、2010年のジルヴェスターコンサートの指揮者をクリスティアン・ティーレマン(Christian Thielemann, 1959年4月1日生まれ。ドイツ・ベルリン出身)とすることが、音楽監督である自身の知らぬところで決定されたと主張し、任期満了を待たず一方的に契約を破棄している。

2010年より2012年までパシフィック・ミュージック・フェスティバル芸術監督、2012年よりメトロポリタン歌劇場首席指揮者ならびにチューリッヒ歌劇場音楽総監督。 2013年には、メトロポリタン歌劇場とのワーグナーの連作オペラ「ニーベルングの指環」において、4部作のうち後半2作の指揮にてグラミー賞を受賞。 ドイツ・グラモフォンからリリースされた同4部作(メトロポリタン・オペラでのライブ収録)のDVDでは2012年の最優秀オペラ・レコーディング賞を受賞。幅広いレパートリーの録音には、ヴェルディ、サリエリ、ベッリーニなどのオペラ、オネゲル、レスピーギ、リストなどの交響曲、フランツ・シュミットやリヒャルト・シュトラウスの作品、そして賞を受賞したブルックナーの交響曲第9番などがある。2015年には、フィルハーモニア・チューリッヒを指揮し、同管弦楽団独自のレーベル、フィルハーモニア・レコードの創設を記念してベルリオーズ、ワーグナー、および「リゴレット」を録音。加えて同レーベルからは、珍しい原典版によるブルックナーの交響曲第8番がリリースされた。

2017年からデンマーク国立交響楽団(DNSO)首席指揮者を務めるが、2016/2017シーズンの幕開けには、DNSOでマーラーの交響曲第9番(今回のAプログラムと同曲)を指揮している。

2018年春にはフィレンツェ歌劇場の音楽監督に就任予定のファビオ・ルイージ。
彼は生まれ故郷のジェノバから、同市への文化的貢献に対してグリフォドーロ賞(グリフィンドール賞)が授与されている一方で、香水づくりにも情熱をかけており、個人事業として行っている香水販売(flparfums.com)による収益は、ルイージが主宰するルイジ・アカデミー(Luisi Academy for Music and Visual Arts)の運営に充てられている。

1-3.ファビオ・ルイージ 2017来日スケジュール

日本においては、NHK交響楽団に定期的に客演しているほか、PMFの芸術監督を2010-2012年の間務めた。また、セイジオザワ・松本フェスティバルには2014年より毎年参加している。

彼の2017来日スケジュールは以下の通り。

■昭和音楽大学「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」 公開レッスン
2017年4月11日(火) 18:30開講

■NHK交響楽団 第1858回 定期公演 Aプログラム
2017年4月15日(土) 18:00開演 NHKホール
2017年4月16日(日) 15:00開演 NHKホール
≪プログラム≫
アイネム:カプリッチョ 作品2(1943)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 (ヴァイオリン:ニコライ・ズナイダー)
マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」

■NHK交響楽団 第1859回 定期公演 Cプログラム
2017年4月21日(金)19:00開演 NHKホール
2017年4月22日(土)15:00開演 NHKホール
≪プログラム≫
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15 (ピアノ:ベアトリーチェ・ラナ)
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 作品98

■読売日本交響楽団特別演奏会
2017年8月24日(木)19時開演 東京芸術劇場
2017年8月25日(金)15時開演 横浜みなとみらいホール
指揮:ファビオ・ルイージ/管弦楽:読売日本交響楽団
≪プログラム≫
R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
ハイドン:交響曲第82番「熊」
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」

2.Bプログラム(8/25,8/27)

2-1.詳細

<Bプログラム>
2017年8月25日(金) 開演19:00
2017年8月27日(日) 開演15:00
キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
■ベートーヴェン:レオノーレ序曲 第3番 Op.72b
■マーラー:「少年の魔法の角笛」より
■ドヴォルザーク:交響曲 第7番 ニ短調 Op.70, B141
演奏 :サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾(ベートーヴェン)
ナタリー・シュトゥッツマン(マーラー、ドヴォルザーク)
ソプラノ:リディア・トイシャー(マーラー)

2-2.みどころ

2-2-1.小澤征爾 指揮のヴェートーベン

Bプログラムにおいて小澤征爾が指揮するのは、ベートヴェン「レオノーレ序曲 第3番 Op.72b」。ベートーヴェンが1806年初頭に作曲した序曲で、ベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」のために作曲された作品。死後に発見された第1番、初演時に演奏された第2番、翌年の改訂版で演奏された第3番の計3種類があり、どれもベートーヴェンらしい傑作ではあるものの、とりわけ第3番は完成度やスケールの大きさから、独立して演奏される機会も多い名曲だ。

このオペラは、無実の罪から囚われの身となった夫フロレスタンを救助すべく、フィデリオと名を変え男装して獄中に潜り込み、命がけで夫を救出する妻レオノーレの勇気と夫婦の崇高な愛を描いた物語だった。そんな台本を受け取ったベートヴェンは、当時の流行メロドラマ風イタリアオペラとは違う、精神的にも芸術的にもより格調高いものを作りたい、と意気込んで作曲したと言われており、このオペラを書き上げたベートーヴェンは、後に「私の子供の中で最もかわいい作品」と人々に言っていたそうである。

2-2-2.マーラーとドヴォルザークを指揮するナタリー・シュトゥッツマン

Bプログラムにおいて、マーラー「少年の魔法の角笛」、ドヴォルザーク「交響曲 第7番 ニ短調 Op.70, B141」の指揮を務めるのはナタリー・シュトゥッツマン(Nathalie Stutzmann)。1965年6月5日生まれ、フランスはシュレンヌ出身。ソプラノ歌手だった母親の薫陶を受け、ナンシー音楽院(フランス語版)に進学後、パリ・オペラ座の付属学校でミシェル・セネシャルに師事。また、1983年から1987年までハンス・ホッターの下でドイツ・リート等を学ぶ。

1988年、ベルテルスマン国際声楽コンクールでの優勝をきっかけに、コントラルト歌手およびオペラ歌手としての国際的活動を開始。コントラルト歌手としてのレコーディングは、シューマンの歌曲、ショーソンやプーランク等のフランス歌曲をはじめ、ヴィヴァルディの宗教曲など多岐にわたる。そんな中でも、特にマーラー作品の歌唱には定評があり、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル、ユッカ=ペッカ・サラステ指揮オスロ管、クリストフ・エッシェンバッハ指揮ワシントン・ナショナル響、大野和士指揮ロンドン・フィルなどと共演。また、リサイタルでも高評価を獲得しており、長年にわたりスウェーデンのピアニスト、インゲル・ゼーデルグレンと共に世界各地で公演している。

一方、2008年からは指揮者としても活動を開始。フィンランドの伝説的指導者ヨルマ・パヌラに師事し、小澤征爾とサイモン・ラトルからも指導を受けており、2009年にはオルフェオ55という古楽系室内管弦楽団を創設して指揮者を務めている。

モンテカルロ歌劇場では2014年のドニゼッティ「愛の妙薬」の公演直後、即2017年のワーグナー「タンホイザー」の指揮者として招かれ、モーツァルトの「レクイエム」を指揮したサンパウロ響からは、その後複数の再演計画が進行中である。その他、ロイヤル・ストックホルム・フィル、デトロイト響、ワシントン・ナショナル響、シアトル響、ロンドン・フィル、新日本フィル、水戸室内管、そして、セイジ・オザワ松本フェスティバルなどから依頼を受けており、いま最も優れた音楽家の一人に挙げられている女性だ。

2-2-3.マーラーでソプラノを務めるリディア・トイシャー

演奏はサイトウ・キネン・オーケストラ、指揮はナタリー・シュトゥッツマン。そして、ソプラノを務めるのがリディア・トイシャー。

彼女はドイツ生まれで、音楽と演劇のウェールズ大学およびマンハイム音楽大学で学ぶ。
「フィガロの結婚」スザンナ役では世界で最も評価の高い一人で、その美声と愛らしい演技には毎回注目が集まる人気ソプラノである。

バイオグラフィーは以下。

■EASTER (復活祭)
■ヴォルフ:歌曲全集 9 (トイシャー/ホブス/ベルガー/ホル/カイノック)
■シューベルト:ドイツ語歌曲全集 22 「感傷主義」の詩人たち
■テレマン:ブロッケス受難曲(RIAS室内合唱団/ベルリン古楽アカデミー/ヤーコプス)
■ハイドン:ミサ曲第3番 「聖チェチリアのミサ」(アニマ・エテルナ合唱団/インマゼール)
■M. ハイドン:レクイエム 変ロ長調/モーツァルト:「神はわれらの避難所」/「主の御憐れみを」(ザールブリュッケン室内合唱団)
■J.S. バッハ:「心と口と行いと命もて」/マニフィカト BWV 243 (ミュンヘン・バッハ合唱団/アルブレヒト)
■ヘンデル:オラトリオ「エジプトのイスラエル人」(メンデルスゾーン版)(ウィリアムズ/トイシャー/ヒューレット/キングズ・コンソート/キング)
■ラインベルガー:宗教音楽集 10 – 讃歌集/サルヴェ・レジーナ/アヴェ・マリア/4つの悲歌(ミュラー/トイシャー/マルケルト/ペイヤー/ヨハンセン)
■ラインベルガー:水の妖精(ヘーガー/ミュラー/トイシャー/ヴェラー)
■ラインベルガー:ムジカ・サクラ(ベルニウス/メッテルニヒ/フランクハウザー/シェーファー/エドムンドソン/ヘーガー)
■レオナン/ジョスカン・デ・プレ/モンテヴェルディ/ジェズアルド/デュ・モン/パーセル/A. スカルラッティ:宗教合唱曲集

3.Cプログラム(9/8,9/10)

3-1.詳細

<Cプログラム>
9月8日(金)  開演19:00
9月10日(日) 開演15:00
キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
●グリーグ:組曲「ホルベアの時代」より Op.40
●R.シュトラウス:13管楽器のための組曲 変口長調 Op.4
●ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op.37
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤 征爾 (ベートーヴェン)
ピアノ:内田 光子

3-2.みどころ(内田光子はこんな人!)

Cプログラムのピアノは世界の内田光子。1948年12月20日生まれ、静岡県熱海市出身のピアニストである。お茶の水女子大学附属小学校在学中、桐朋学園の「子供のための音楽教室」にて、松岡貞子にピアノを学ぶ。

12歳の時、外交官だった父・内田藤雄と共にオーストリアのウィーンに渡航。14歳、オーストリアのウィーン音楽院でリヒャルト・ハウザーに師事。16歳、父のドイツ赴任が決定するも、内田は単身ウィーンに残り、ウィーン国立音楽大学でピアノを学ぶ。そして、その後もアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、ヴィルヘルム・ケンプ、ステファン・アスケナーゼ、ニキタ・マガロフらの薫陶を受ける。

デビューは1971年、イギリスのウィグモア・ホールで開催された演奏会。その後、1972年に拠点をロンドンに移すも、大手レコード会社からのオファーは全くなく、日本では演奏会を開くことすらままならないほど、1970年代は内田にとって不遇の時代であった。

転機が訪れたのは1982年だった。
東京文化会館小ホール、そしてロンドンのウィグモア・ホールでのモーツァルト「ピアノ・ソナタ連続演奏会」は「ウチダの火曜日」とロンドンの批評家から絶賛。一躍、楽壇の寵児となり、1984年にイギリス室内管弦楽団を自ら指揮しつつ演奏したモーツァルトのピアノ協奏曲の全曲演奏会を契機に、フィリップスにモーツァルトのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲を全曲録音。これら一連のチクルスは空前の大成功を収め、以降は名実ともに国際的な名声を不動のものとした。

2010年発売の「モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番・第24番」で第53回グラミー賞の「最優秀インストゥルメンタル・ソリスト演奏賞」、2017年にはドロテア・レシュマンとの作品『シューマン:リーダークライス、女の愛と生涯/ベルク:初期の7つの歌』で最優秀クラシック・ヴォーカル・アルバム(ソロ)」部門で受賞と、二度も栄冠を獲得している。

こうした経歴もあって、現在では「世界のUchida」として称される世界きってのピアニストだ。

4.小澤征爾音楽塾オーケストラによるOMFオペラ(9/3)

4-1.詳細

〈小澤征爾音楽塾オーケストラによるOMFオペラ〉
2017年9月3日(日) 開演15:00
まつもと市民芸術館・主ホール
■ラヴェル:「子どもと魔法」
演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮:デリック・イノウエ
演出:デイヴィッド・ニース

4-2.出演

子ども:
マリー・ルノルマン(Marie Lenormand)。メゾ・ソプラノ。フランス出身。1999年から2002年までヒューストングランドオペラスタジオでトレーニングを終え、様々なメインシアターで歌唱。小澤征爾のグラミー賞受賞作品にも参加。

肘掛椅子/木:
駒田敏章。バリトン。愛知県出身。東京芸術大学大学院修了。友森美文、多田羅迪夫、ローマン・トレーケルらに師事。2012年オランダ・グローニンゲンで開催された音楽祭にて、ラヴェル『スペインの時』ラミーロ役にオーディションで選ばれ出演、音楽祭のファイナルコンサートに声楽代表として選出され、Labberte-Hoedemaker Awardを受賞。

母親/中国茶碗/とんぼ:
牧野真由美。メゾソプラノ。東京都出身。東京芸術大学卒業、同大学大学院修了。スイス・ロカルノ「ティチーノ・ムジカ」にてマグダ・オリヴェロ、チャールズ・スペンサーの両氏、ニューヨークにてピエール・ヴァレ氏に師事。第3回藤沢オペラコンクール奨励賞、第30回イタリア声楽コンコルソ金賞受賞。

火/お姫様/うぐいす:
アナ・クリスティ(Anna Christy)。ソプラノ。アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれ、カリフォルニア州パサデナ育ち。ライス大学とシンシナティ大学、音楽大学音楽院を卒業。デビュは2000年のニューヨーク・シティ・オペラ。マーティン・E・シーガル賞を受賞。

雌猫/りす:
清水多恵子。ソプラノ。群馬県出身。武蔵野音楽大学大学院修了。二期会オペラ研修所第54期マスタークラス修了。修了時に優秀賞受賞。第17回日本クラシック音楽コンクール入選。第11回全国「叱られて」歌唱コンクール入賞。

大時計/雄猫:
町英和。バリトン。鹿児島県出身。国立音楽大学音楽学部声楽科卒業、同大学院音楽研究科声楽専攻を首席で終了。新国立劇場オペラ研究所第6期終了。文化庁新進芸術家海外研修員としてボローニャ、(財)ローム ミュージックファンデーションの助成を受けミュンヘンに留学した経歴を持つ。

ティーポット/小さな老人/雨蛙:
マティアス・ヴィダル(Mathias Vidal)。テノール。ニース大学卒業。そして2003年にはパリ国立音楽院を卒業し、2007年にADAMIから”révélationclassique”の称号を授与。

安楽椅子/こうもり:
栗林瑛利子。ソプラノ。神奈川県出身。東京芸術大学音楽学部声楽科、同大学院音楽研究科声楽専攻(オペラ)修士過程修了。学部卒業時、同声会賞、アカンサス賞受賞。

羊飼いの娘/ふくろう:
藤井玲南。ソプラノ。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。ウィーン国立音楽大学リート・オラトリオ科卒業。在欧中、Antonín Dvořák国際声楽コンクールオペラ部門第1位受賞をはじめ、Ada Sari国際声楽コンクール第3位、Hans Gabor Belvedere国際声楽コンクールOlga Warla-Kolo賞など受賞多数。

5.特別プログラム 内田光子リサイタル(9/4)

5-1.詳細

〈特別プログラム 内田光子リサイタル〉
2017年9月4日(月)開演 19:00
キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
料金:S ¥10,000 A ¥8,000 B ¥5,000 C ¥3,000
公演時間:約2時間(休憩あり)
■シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲 Op.19
■シューベルト:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 D.850
■シューマン:幻想曲 ハ長調 Op.17
ピアノ:内田 光子

5-2.みどころ

世界のウチダが選んだ一曲目は「6つの小さなピアノ曲 Op.19」。オーストリア生まれのアルノルト・シェーンベルク (Arnold Schönberg、1874年9月13日-1951年7月13日)が1911年に作曲。シェーンベルクは調性音楽を脱し無調に入り、十二音技法を創始したことで知られるが、この曲にて、調性をほぼ完全に放棄するに至ったとも言われている。

二曲目は「ピアノ・ソナタ 第17番 ニ長調 D.850」。シューベルト作曲。村上春樹も非常に愛する曲で、彼の著書「意味がなければスイングはない」では、独自の持論が展開されている。

三曲目は「幻想曲 ハ長調 Op.17」。シューマン作曲。後に妻となるクララ・ヴィークとの交際を、クララの父に禁じられている頃に作られた。冒頭のA,G,F,E,Dの5つの音からなるテーマはクララを表現。しかし、作品自体はベートーヴェンの記念碑を建てる資金集めのために作曲されている。

6.室内楽

6-1.ふれあいコンサートI(8/19)

〈ふれあいコンサートI〉
2017年8月19日(土)開演 16:00
ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)
料金:¥6,000(全席指定)
公演時間 約2時間(休憩あり)
■プレトリウス:「テレプシコーレ舞曲集」より
■ジョン・ウィリアムズ スペシャルセレクション ほか
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ ブラス・アンサンブル
トランペット:ガボール・タルコヴィ、カール・ゾードル、高橋 敦、服部 孝也
ホルン:ラデク・バボラーク、阿部 麿、勝俣 泰
トロンボーン:ワルター・フォーグルマイヤー、呉 信一、ランダル・ホーズ
チューバ:杉山 康人
ティンパニ&パーカッション:竹島 悟史

6-2.ふれあいコンサートII(8/26)

〈ふれあいコンサートII〉
2017年8月26日(土)開演 16:00
ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)
料金:¥6,000(全席指定)
公演時間 約2時間(休憩あり)
■J.S.バッハ:フルート・ソナタハ長調 BWV 1033
■ラフマニノフ: ピアノ三重奏曲 第1番 ト短調「悲しみの三重奏曲」
■ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲 第3番 ヘ短調 Op.65, B.130
■シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調「死と乙女」D.810
フルート:ジャック・ズーン
チェロ:イズー・シュア
ハープ:吉野 直子
ピアノ:江口 玲
ヴェリタス弦楽四重奏団(ヴァイオリン:岩崎 潤、島田 真千子 ヴィオラ:小倉 幸子 チェロ:工藤 すみれ)

6-3.ふれあいコンサートIII(9/2)

〈ふれあいコンサートIII〉
2017年9月2日(土)開演 16:00
ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)
料金:¥6,000(全席指定)
公演時間:約1時間40分(休憩あり)
■シェーンベルク:月に憑かれたピエロ Op.21
■シェーンベルク:浄夜 Op.4(弦楽オーケストラ版)
声:リディア・トイシャー
ヴァイオリン/ヴィオラ:豊嶋 泰嗣
チェロ:宮田 大
フルート:セバスチャン・ジャコー
クラリネット: 中 秀仁
ピアノ:江口 玲
サイトウ・キネン・オーケストラ 弦楽アンサンブル

7.OMF室内楽勉強会~金管アンサンブル~発表会(8/13)

〈OMF室内楽勉強会~金管アンサンブル~発表会〉
2017年8月13日(日)開演 15:00
あがたの森文化会館 講堂
料金:¥1,000(全席自由)
公演時間:約2時間(休憩あり)

オーディションにて選ばれた若手金管奏者10名が、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)メンバー(ティモシー・モリソン/猶井正幸/呉信一)指導のもと、合宿を通して学んだ室内楽アンサンブルの成果を発表。

8.子どものための音楽会(9/1)

教育プログラムにつき、一般の入場が禁止されている音楽会。

〈子どものための音楽会〉
※長野県内小学6年生を招待
2017年9月1日(金) 開演11:00/14:00
松本市総合体育館
演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮:小澤 征爾 他

〈子どものためのオペラ 〉
ラヴェル:「子どもと魔法」
※長野県内中学1年生を招待
2017年9月5日(火) 開演11:00/15:00
2017年9月6日(水) 開演11:00/15:00
まつもと市民芸術館・主ホール
演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮:デリック・イノウエ
演出:デイヴィッド・ニース