「アンプの役割と機能」オーディオ解説書その6

 

アンプは音声を増幅する機器です。正式名称は「amplifier」(アンプリファイア)。しかし、慣例的に「アンプ」との略称が一般的には用いられています。

アンプは「機能」「増幅素子」「回路構成」などにより、いくつかに分類されます。コントロールアンプ、パワーアンプ、真空管アンプ、デジタルアンプ、A級、B級などです。さらに、プレーヤーやスピーカーと違って目に見えづらい役割を担っているため、オーディオ初心者には最もわかりづらいパーツと言われています。しかし、例えばCDプレーヤーとスピーカーを直接つないでも音が鳴らないように、アンプはなくてはならない非常に重要なオーディオ機器です。

そこで今回は、アンプの役割と機能について詳しく見てみます。

 

目次

  1. アンプとは
  2. アンプの役割①「増幅」
    2-1.増幅の仕組み
    2-2.電源の重要性
    2-3.コンデンサがアンプの寿命を決める
    2-4.アルミ電解コンデンサの欠点
  3. アンプの役割②「選択」
    3-1.セレクター
    3-2.モノ/ステレオ モードセレクター
    3-3.スピーカーセレクト
  4. アンプの役割③「音量調整」
    4-1.ボリューム
    4-2.バランス
  5. アンプの役割④「音質調整」
    5-1.トーンコントロール(バス/トレブル)
    5-2.グラフィックイコライザー
    5-3.ラウドネスコントロール
    5-4.ローフィルター/ハイフィルター
    5-5.ソースダイレクト
  6. まとめ

 

1.アンプとは

アンプとは先述の通り「amplifier」(増幅する)という意味の英語の略称です。ですから、文字通りアンプの役割は「増幅」です。

CDプレーヤーやレコードプレーヤーから出力される信号は非常に小さいため、そのままではスピーカーから十分な音量を出すことはできません。プレーヤーの出力は数百ミリボルトです。そんな微小なエネルギーではスピーカーを駆動させることはできないのです。そこでアンプという装置を通して信号を増幅し、リスニングに耐え得る音量をスピーカーから引き出すわけです。

これがアンプの最も重要な基本機能です。

しかし、アンプには基本機能「増幅」以外にも役割があり、全部で大きく4つに分けられます
一つ目が、今お話しした「増幅」。
二つ目が、プログラムソースの「選択」。
三つ目が、「音量調整」
四つ目が、「音質調整」
です。

そして、実際のアンプはこの四つの構成で成り立っています。
「電源部」「セレクター部」「ボリューム&バランス部」「トーンコントロール部」です。

では早速順に見てみましょう。

 

2.アンプの役割①「増幅」

2-1.増幅の仕組み

アンプは増幅器ですから、入力された小さな信号を同じ波形のまま、形を崩さず増幅しなければなりません。そして、増幅にはエネルギーの補給が必要となりますが、その供給先がAC電源です。アンプはその電気エネルギーの一部を増幅のために使用し、残りは熱となって失います。アンプが熱くなるのはそのためであり、また、アンプはAC電源から供給される電気エネルギー以上の働きをすることはありえませえん。

 

2-2.電源の重要性

ポップス音楽のようにリズムが一定で、信号の波形があまり変化しない曲なら増幅作業は煩雑ではありません。しかし、クラシックの管弦楽のように、楽器の数が多く譜面も複雑だとそうはいきません。ダイナミックレンジの広い演奏の場合は、増幅は非常に大変な作業です。そして、その複雑な作業がこなせないようでは、音に遅れやズレが生じてしまい、音楽になりません。したがって、ハイスピードで優秀な素子が好まれるのです。

音楽信号の大きさに比例して、電源から供給される電流を加減しつつ大きな信号を獲得する。

それが増幅です。つまり、電源なしに増幅は成り立ちませんから「アンプは電源だ」としばしば言われるに至っています。

また、アンプは瞬時に大電力を必要とするので、容量の大きなトランスや高品質のコンデンサーが必要です。さらに、設計された回路の実力とハイクオリティな増幅電源回路が充実していることはとても重要で、回路へのクリーンな電源供給も非常に大切な要素です。

このように、アンプにおける電源部は非常に重要です。そのため、アンプ製造メーカーは各社力を入れて開発しており、電源回路はアンプ回路の縁の下の力持ちと表現されたりしています。

 

2-3.コンデンサがアンプの寿命を決める

コンデンサとは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品です。一言で言えば電池のようなものです。主な働きは3つあります。

1つ目が、充電や放電を行うことで、電圧の変化を吸収。電圧を安定させる働きです。
2つ目が、電気の通り道で、余計なノイズを横道にそらす働きです。いわゆるノイズ除去です。
3つ目が、直流はさえぎり、周波数で信号を選り分ける働きです。

このコンデンサは、オーディオ機器おいてはとても重要視されています。音質面で有利になるからです。そして、アンプでは電解液に電極を浸した湿式電解コンデンサが多く使われています。ただ、この中の電解液はアンプを長期間使用すると、徐々に蒸発してしまいます。

この現象が「ドライアップ」です。そして、ドライアップは静電容量を低下させ、「容量抜け」を引き起こします。こうした状況に陥ると、アンプは通常のパフォーマンスが発揮できないばかりか、ゆくゆくはアンプ自体の故障にも繋がります。

そもそも、アンプの寿命を縮める大きな原因は、熱とホコリの2つです。そして、アンプをいつも通電状態にしていると、コンデンサが常に熱を帯びた状態になるため寿命が短くなります。使用しないときは必ず電源を切りましょう。

 

2-4.アルミ電解コンデンサの欠点

アルミ電解コンデンサは、静電容量が大きいため色々なシーンで使用されています。しかし、使い方によっては寿命が大幅に短くなるため注意が必要です。中でも、熱に関しては著しく弱い特性があり、「アレニウスの法則(10℃2倍則)は記憶しておくべき法則です。

このアレニウスの法則とは「電解液の消失量は温度と関係する」という化学反応速度論です。使用温度が10℃上がれば寿命は2分の1になり、 10℃ 下がれば寿命は2倍になるという法則なため、10℃ 2倍則とも呼ばれています。

いずれにせよ、いかに効率よく放熱するか。
これがアンプを長く愛用するための秘訣です。

 

3.アンプの役割②「選択」

プレーヤーで取得した音楽信号が最初に入ってくる場所。そこが入力セレクターです。もしCDプレーヤーのみ接続するのであればソースの切り替えは不要です。しかし、FMやレコード、MD、テープ、さらにAUX(外部入力端子)につないだ他の機器など、音楽ソースは多様化を極めています。ですから、それらを選択する機能は欠かせません。

また、入力ソースのセレクトに限らず、録音機器をつないでのダビング操作や、ステレオ/モノのモード選択もアンプの役割です。さらにアンプは、二組のスピーカーがあれば、スピーカーセレクトで音の違いを楽しむことも可能にします。

 

3-1.セレクター

3-1-1.デジタル録音再生時

アンプ側から見れば、数ある外部入力機器からソース選択機能です。反対にソース側から見れば、セレクターで選択され、通行許可された信号だけが通過できる関所的存在です。

具体的には、CDプレーヤーなどのデジタルレコーダーを、リアパネルの入力端子やレコーダー用の録音/再生端子に接続し、セレクタースイッチで選択すれば再生は可能です。内部ではソースコンポーネントを選択するための「リレー」「半導体スイッチ」などが作動し、機器がセレクトできる仕組みになっています。

ただし、レコード再生に関しては注意が必要です。レコードを再生するには、フォノイコライザーアンプが内蔵されていないと再生できません。レコード針からの信号はとても微弱です。CDのラインレベルの1/1,000程度しかありません。そのため、レコードに記録する際はRIAA特性という特殊な記録方式を採用しているため、再生時には適切に増幅調させる必要があるのです。

 

3-1-2.アナログ録音再生時

レコードプレーヤーとアンプをつなぐ際、インプットする端子はアナログレコード専用のフォノ端子です。これを誤ってライン端子(CDを聞くときに使う端子)に入れても、ほとんど音は聞こえません。反対に、CDの音をフォノ端子に入れてしまうと、今度はスピーカーが壊れるのではないかと思うほどの大音量が響きます。

その原因が「RIAA」と「フォノ端子」です。

■RIAA

RIAAは規格用語です。「アール・アイ・エー・エー」と読むのが正式ですが、多くの方は「リア」と呼んでいます。「Recording Industry Association of America(アメリカレコード工業会)」の略で、アナログレコードの標準化を目的とし、1952年に設立。2年後の1954年には現在の標準規格「RIAAカーブ」を制定しました。

レコードへの記録は、一般的に低域を刻む際は溝の幅が広くなり、高域の場合は溝の幅が狭くなります。また、ダイナミックレンジが大きくなるほど溝の幅が広くなり、盤面に収録できる時間は短くなります。

このように、レコードは音の帯域や大小によって溝の幅が異なるわけですが、もし何の処理も施さずそのままカッティングを進めるとどうなるか。溝の幅が広くなる低域では、カートリッジの針先がトレースしきれなくなります。一方、溝の幅が狭くなる高域では、音楽がサーフェイスノイズに埋もれてしまいます。

したがって、レコードの記録には「イコライザーカーブ」を採用しています。レコードの盤面に音を刻む際、低域を小さく、高域を大きくするようにイコライゼーションをかけるわけです。そして、再生時にはその逆操作をし、アーティストが意図した音楽を楽しみます。ちなみに、この考え方はテープレコーダーやFM放送のプリエンファスシス/ディエンファシス(送信時にハイ上げ、受信はハイ下げ)でも採用されています。

ただ、モノラルからステレオに移行する直前期では、デッカやコロムビアなど、いくつかのレコード会社が独自の規格を用意していました。そのため、それではかけたレコードと再生のイコライザカーブが異なっていたり、正確に再生できません。そこで1つに統合・統一されたのが「RIAA」です。

 

■フォノ端子

フォノイコライザーの役割は、アナログの微小な出力をラインレベルまで増幅し、周波数特性をイコライズ(補正)することです。そして、そのフォノイコライザー回路を内蔵しているのがフォノ端子です。この回路を通過ことによって、レコード盤から抽出した信号は他のライン端子同様、1V程度のラインレベルで揃います。したがって、私たちは聞きたいソースによってアンプの入力セレクターを切り替えれば、希望に応じた音楽ソースの楽曲を楽しむことができます。

なお、フォノ端子付きのアンプはそのままレコードプレーヤーがつなげますが、最近のアンプにはフォノ端子がなく、ライン端子のみのものもあります。この場合は、単体のフォノイコライザー(フォノイコ、フォノアンプとも)を別途購入する必要があります。

 

3-2.モノ/ステレオ モードセレクター

モードセレクターとは、ステレオとモノラルの切り替えです。通常はステレオのポジションで問題ありません。

今でこそ音楽ソースはステレオが当たり前になりましたが、LPレコードが登場した頃はモノラルレコードがたくさんあり、そちらの方が音が良いと言う人も大勢いました。

そもそも、FMラジオでステレオ放送が開始されたのは(当時は立体放送と呼ばれていました)1952年です。テレビでのステレオ化はもっと後です。1978年です。さらに、1990年くらいまでは、音楽番組や一部のスポーツ中継以外はほとんどがまだモノラル放送でした。そのため、各放送局はステレオ放送の番組中は「ステレオ放送」とのテロップを数回表示していたほどです。実は、ステレオが当然となったはごく最近のことなのです。

オーディオの世界でも同じです。

当時はまだ、オーディオソースはモノラルとステレオが混在していました。そして、モノラルの装置には出力端子が1つしかなく、その1つをプリアンプにつないでも、左右どちらかのスピーカーからしか音が出ません。ですから、左右のどちらかに入力されたオーディオ信号を左右両方のチャンネルに送信する切替装置が必要になります。また、ステレオ放送をモノラルに変換して、モノラルテープレコーダーに録音することも求められました。今では考えられないようなことが当時は必要だったのです。そのため、このような操作をする機能のことを「モード(MODE)」と呼び、アンプにはモードセレクターの機能が搭載されていました。

一般的なスイッチは

R:R-chを左右に送る(モノラル)
L:L-chを左右に送る(モノラル)
L+R:L-chとR-chをMIXする(モノラル)
STEREO:普通のステレオ
REVERSE:LとRの入れ替え

です。

 

3-3.スピーカーセレクト

スピーカー端子にA、Bの二組のスピーカーがあれば、そこに2タイプのスピーカーを接続し、好きな方の音や両方をミックスした音を楽しむことができます。一般的には「スピーカーA」「スピーカーB」「スピーカーA+B」などと表示されています。

 

4.アンプの役割③「音量調整」

音量の大小だけではなく左右のバランスを調整し、音質もきめる重要なアンプの機能です。

4-1.ボリューム

名称こそ「ボリューム」ですが、実際にはアンプの音量を絞る抵抗減衰器です。昔はスライド式も目立ちましたが、やはり回転式が手になじむようです。右に回すと音が大きくなるつまみが一般的です。

最大音量は減衰のない状態で0デシベル。そこから左へ回すほど、-10、-20、-30デシベルと音量が下がります。

※今では電子ボリュームを搭載するアンプも増えています。

 

4-2.バランス

左右の音の片寄りを修正し、バランスを調整します。
ソースによっては左と右で音のレベルが異なる場合があり、「バランス」はそれを調整する機能です。左に回すとステレオバランスが左寄りになり、右に回すとステレオバランスが右寄りになります。

4-2-1.バランスが偏る原因

バランスが偏る原因は、主に2つ考えられます。

1つ目が、オーディオソースに問題があるケースです。
FMをエアチャックしたテープなど、録音エンジニアやマスタリングエンジニアが作業していないものについては、このような現象がしばしば見受けられます。要するに録音時の左右のバランスの悪さが原因です。

2つ目が、オーディオ装置に問題があるケースです。いわゆる「ギャングエラー」です。
ギャングエラーとは、左右の音に偏りが発生する症状です。古いアンプの、特にボリューム0~1ぐらいのときに発現しやすいようです。極端な場合、片方からしか音が聞こえなくなったりします。

 

4-2-2.調整テクニック

バランスがおかしい場合、モードセレクターをモノ(R+L)のポジションにし、左右のスピーカーのちょうど真ん中から音が聞こえるように調整すれば簡単に修正できます。

覚えておきましょう。

 

5.アンプの役割④「音質調整」

5-1.トーンコントロール(バス/トレブル)

「バス(bass)」は低音、「トレブル(treble)」は高音です。このつまみをいじることで低音や高音の音量調整が可能になります。バスのつまみを+にするほど低音がブースト(増強)され、ドラムやベースの音がぶ厚くなります。一方、トレブルをいじれば、高音にメリハリがついたり渋い音色になったりします。

このトーンコントロールは1970年代から80年代にかけて、なくてはならない機能でした。当時の音楽ソースは音響バランスに難があるものが多く、一方では低音が全く効いていなかったり、一方では高音がキンキンうるさかったりと、ユーザーによるコントロールが必須だったのです。また、時代の流れもありました。当時は低音を強調することが流行り始めた頃で、どこのオーディオ売り場でも、デモ機のトーンコントロールはバスがMAXだったものでした。

ハイエンドモデルのトーンコントロールでは、左右が独立していたり、ブースト/カットしはじめる周波数を切り替えられたりと非常に充実したものが多かったように思います。ところが、録音方式がデジタル化され、また家庭で使っているスピーカーの性能が良くなるなど、オーディオ全体のクォリティが高くなってきて、トーンコントロールをいじらなくてもフラットのままで十分に良い音で音楽が楽しめるようになりました。高価なプリアンプほど凝ったトーンコントロールがつく時代から、高価なプリアンプであるほどトーンコントロールが廃止されるという時代になったように思います。

 

5-2.グラフィックイコライザー

グラフィックイコライザとは、周波数特性を変えて音質調整を行うオーディオ装置です。トーンコントロールでは高域カットや低域強調などが可能ですが、グラフィックイコライザーは可聴帯域をいくつかに分割して、増強・減衰させます。アンプ内蔵では希少ですが、周波数帯域を5バンド、7バンド、9バンドなどと細分化して調整することができます。通称「グライコ」。

 

 

5-3.ラウドネスコントロール

小音量で音楽を聞く際、低音や高音は中音に対してブーストしないと、人間の耳にはそれが同じ強さには聴こえないという性質があります。聴覚の特性上、どうしても低音と高音のレベルが下がって聞こえてしまうのです。それを補正するのが「ラウドネスコントロール」です。効果としては、トーンコントロールのテリブルを少し、バスをそれよりはやや増強するのと同じです。

ちなみに、ラウドネススイッチは音量を下げたときしか稼動しないようになっています。

 

5-4.ローフィルター/ハイフィルター

フィルターとは不要な帯域をカットする機能で、中級以上のアンプでは、たいていフィルターは LOW と HIGH の二つ(またはそれ以上)のスイッチに分かれています。

ローフィルターはモーターのゴロ音と同じ周波数あたりのノイズを取り除くものです。レコード再生時のモーターのゴロを英語で「ランブル」と言うことから「ランブルフィルター」とも呼ばれています。

一方、ハイフィルターはレコード針のノイズやテープヒス、FMのサーという雑音など、高い周波数に多く分布するノイズを除く目的のものです。針のパチパチ音(スクラッチ)を除くことから、「スクラッチフィルター」とも呼ばれています。

いずれにせよ、アンプのフィルターは音楽とノイズを区別できません。そのため、雑音だけを除去するのではなく、雑音を軽減させるために音楽の一部も削れてしまいます。

 

5-5.ソースダイレクト

ソースダイレクトとは、トーンコントロールや各種フィルター回路をすべてスルーして、最短直結で音楽信号をスピーカーに送り届ける機能です。素晴らしい音楽ソースに対しては、余計な回路を通らない分、理論上ソースダイレクトで視聴するほうが音質は優れます。

 

6. まとめ

アンプの語源は、英語で「増幅する」の意味を持つ「amplifier(アンプリファイア)」です。その役割は大きく四つあります。

一つ目が、アンプの語源どおり「増幅」です。
CDプレーヤーやレコードプレーヤーから出力される信号は微小です。そのため、そのままではスピーカーから十分な音量を出すことができないので、アンプが信号を増幅し、十分なパワーでスピーカーに伝えます。これがアンプの基本性能です。

二つ目が、プログラムソースの「選択」です。
プレーヤーから読み取った音楽信号が最初に入ってくる場所が、アンプの「入力セレクター」部です。ここで多様化した音楽ソースを選択し、正しく信号を処理していきます。

ただし、レコード再生時には注意が必要です。レコードを再生するには、フォノイコライザーアンプが内蔵されていないと再生できません。レコード針からの信号は、CDのラインレベルの1/1,000程度と非常に小さいからです。

三つ目が、「音量調整」です。
音量の大小や、音の左右のバランスを調整し、音質も決定します。

そして、四つ目が「音質調整」です。
昔の録音技術は今ほど高くなかったため、ユーザー側での対応が不可欠でした。トーンコントロールによる「バス(低音)とトレブル(高音)の調整」、周波数特性を変えて音質調整を行う「グラフィックイコライザー」、通称「グライコ」。小さい音量で楽しんでいる際、低音と高音のレベルが下がって聞こえてしまうので、それを改称するための「ラウドネスコントロール」。他にも、多くの機能が搭載されていました。

アンプの機能は、どれも音楽を楽しむには欠かせません。アンプは私たちのオーディオライフそのものも増幅させているのです。

We pray your audio life is further amplified.

オーディオ買取屋は、皆さんのオーディオライフがより増幅されますことを心からお祈りしています。

じぇじぇじぇ。

2013年の流行語大賞にもなったこの言葉、誰もが一度は耳にしたことがあることでしょう。思い返せば、この年の流行語大賞は史上最多の4つもあり(「倍返し!」「今でしょ」「お・も・て・な・し」、そして「じぇじぇじぇ」)、「一つに絞るのが選考委員の仕事だろう」と批判が相次いだことも記憶に新しいかと思います。

「あまちゃん」は、2013年度(平成25年度)に放送されたNHKの連続テレビ小説・第88シリーズテレビドラマ作品です。脚本は宮藤官九郎、主演は能年玲奈。放送終了後には、登場人物が子ども・親・祖父母の3世代にまたがっていてファン層が広かったこともあり、「あまロス」と呼ばれる深い喪失感を覚えた人が多いことも話題となりました。

物語前半(故郷編)の舞台は、岩手県三陸海岸沿いにある架空の町「北三陸市」。東京の女子高生だった天野アキ(能年玲奈)が、夏休みに母の故郷・北三陸で祖母の後を追って海女となるものの、ひょんなことから地元のアイドルとなる姿が描かれています。

物語後半(東京編)では、アキは地元アイドルたちを集めたアイドルグループのメンバーとしてスカウトされ、東京でアイドルを目指します。が、東日本大震災をきっかけに再び北三陸にもどり、地元アイドルとして北三陸復興に奮起する姿が描かれていました。

アキの母親・天野春子を演じたのは「小泉今日子」。そして、劇中ではアイドルの話題など1980年代の様子が多く取り扱われており、懐かしい驚きがいくつもあったものでした。

あまちゃん

じぇじぇ。
あれは、あのアイドルの名盤レコード!

じぇじぇじぇ。
あのオーディオは、名機○○!

社会現象ともなった「あまちゃん」。
あの、底抜けに明るいオープニングテーマ曲を思い浮かべながら、今日は「あまちゃん」に登場したオーディオを一緒に見てみましょう!

目次

  1. オーディオが登場した回
  2. 登場したプレーヤー
  3. 登場したアンプ
  4. 登場したチューナー
  5. 登場したレコード
  6. まとめ

 

1.オーディオが登場した回

オーディオが登場したのは、第13週「おら、奈落に落ちる」の第76話。
この回はアキが語り手に回り、物語はアキの母・天野春子の若かりし頃が中心でした。

時は1984年、夏。春子はアイドルになる日を夢見ながら、竹下通りを一本入った場所にあった「純喫茶アイドル」で、時給550円でアルバイトをしていました。マスターの甲斐さんは春子をとても可愛がり、なぜ春子がアイドルになれないのか、と世の中を不思議がっています。

たとえば、店内に「セーラー服を脱がさないで」が流れると、甲斐さんはこう言います。
「6番とか9番とか微妙だろ?歌だって、4番より春ちゃんの方が上手いしさ。まあ……そこそこカワイイんだけどね」
じぇじぇじぇ。
おニャン子6番は樹原亜紀、9番は名越美香……確かに微妙です。そして、4番は新田恵理ですが、彼女は自身のブログでこう言っています。
–——————————————————————————————————————–
そりゃ、確かに上手いとは口が裂けても言えないが…
私のソロは2番だし、私とどっこいどっこいのメンバーは沢山いたぞっ
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そんな優しい顔した辛口マスターが切り盛りしていた純喫茶アイドル。
今回ご紹介したいのは、そんな喫茶店で使われていたオーディオです。

 

2.登場したプレーヤー

純喫茶アイドルのプレーヤーは、パイオニアが1979年に発売した「PL-70」です。

pl-70

引用元:オーディオの足跡
パイオニアはスピーカーから始まったブランドながら、かねてよりアナログプレーヤーの分野でも目を見張る活躍をしていました。中でも、1978年発表の超弩級機「P3」は、その優れた性能で高評価を獲得。当時は雲の上の製品(当時の価格は650,000円)として羨望の的となった商品でしたが、今でも素晴しいプレーヤーとして人気があります。

そして、そんな「P-3」の後継機が「PL-70」です。

技術やデザインのイメージを継承し、より一般向けの高級機として発売された「PL-70」。ターンテーブルは、直径31cm、慣性質量480kg-㎠いう重量級。そして、そんな重量級ターンテーブルを駆動するモーターは、2kg-cm起動トルクをもつ、ハイトルク・クォーツPLLDCサーボ・ホールモーター。

さらに特筆すべきは、従来のワウ・フラッターの限界を大幅に超え、桁ちがいの回転精度0.009%以下を実現した「SH・ローーター方式駆動部」と、低域共振を抑え混変調歪みを大幅に低減させた「レベル可変型オイル制動方式」を採用している点です。

1981年には「PL-70LⅡ」が後継機として発表されますが、「PL-70」の方がアーム部などの仕上がりが良かったとの声もあったりするほどで、「PL-70」は今なお根強い人気を誇る機種です。
当時の価格は150,000円でした。

【主要規格】
〈フォノモーター部〉
モーター形式:リニアトルクDCホールモーター
軸受構造:SHローター方式
駆動方式:ダイレクトドライブ
制御方式:クォーツPLL
回転数:33 1/3  45rpm
回転数精度:0.001%
S/N:95dB(DIN-B)
〈トーンアーム部〉
型名:PA-70
型式:可変型オイル制動方式スタティックバランスS字型パイプアーム
〈総合〉
電源:AC100V、50Hz/60Hz
消費電力:9W
外形寸法W550 × H214 × D440 mm
重量:23kg

 

3.登場したアンプ

純喫茶アイドルのアンプは「Pioneer SA-620」。

sa-620

引用元:オーディオの足跡
SAシリーズの中では廉価な入門機にあたりますが、充分な機能と確かな音質を確保したモデルです。

抵抗やコンデンサに高精度部品を採用し、レコードの録音特性を忠実に再現。また、イコライザーアンプには低雑音タイプをさらに選別したトランジスタによる2段直結回路を採用し、S/Nの改善を実現しています。

Phono端子は2系統、テープデッキ用の端子も2組搭載。また、2系統のスピーカー端子を搭載しており、それぞれでの駆動や同時駆動が可能。さらに、2台のテープデッキの同時接続が可能です。

発売は1972年。定価は35,500円。

【主要規格】

<パワーアンプ部>
回路方式:差動1段全段直結準コンプリメンタリーOCL方式
高調波歪率:実効出力時:0.5%以下
周波数特性:15Hz~80000Hz +0 -1dB
入力感度/インピーダンス:Power Amp In:500mV/50kΩ
S/N:90dB以上(IHF、ショートサーキットAネットワーク)

<プリアンプ部>
回路方式:
イコライザーアンプ;2段直結NFB型
コントロールアンプ;NFB型
SN比:
Phono;75dB以上
MIC;80dB以上
Tuner、AUX、Tape Mon;90dB以上

〈総合〉
外形寸法:W415 × H132 × D328 mm
重量:7.9kg
消費電力:定格45W 最大110W

 

4.登場したチューナー

プレーヤー、アンプとパイオニアで揃えていた純喫茶アイドルですが、チューナーだけはパイオニアではないようです。メーカーは1969年に日立製作所の音響ブランドとして誕生した「Lo-d」。読みは「ローディ」です。

型番は1977年発売の、FM/AMチューナー「FT-440」。

ft-440

引用元:オーディオの足跡
チューニングシグナル2メーター、電子式ミューティング機能、ハイブレンドスイッチを搭載。また、位相特性に特化した2素子3段セラミックフィルターを採用しており、低歪、高セパレーションを実現。さらに、RECレベルチェックスイッチを完備しており(440Hz、FM50%変調)、録音レベルの設定が可能です。

定価は43,800円

【主要規格】
外形寸法:W435 × H166 × D377 mm
重量:7kg

 

5.登場したレコード

純喫茶アイドルは、その名の通りアイドルが好きな店主が経営する喫茶店です。そして、そんなお店の棚には、3枚のシングル盤レコードが飾られています。

一番右は、「セイントフォー / 不思議TOKYOシンデレラ」。

セイントフォーは、1982年「あなたもスターに!」というダイレクトメール形式のオーディションに応募した3万人の中から、板谷裕三子、浜田範子、鈴木幸恵、岩間沙織の4人が選ばれ、1984年11月にデビュー。アクロバットなど派手なダンスパフォーマンスと、それまでの女性アイドルと一線を画した曲調で注目を浴びた四人組のアイドルグループです。
そして「不思議TOKYOシンデレラ」はセイントフォーのデビュー曲にして、映画「ザ・オーディション」の主題歌です。オリコンチャートは最高35位、売上枚数は53,000万枚。余談ですが、彼女達のプロモーションには40億円かかったとの噂もあります。

中央のレコードは、「松田聖子/ ハートのイヤリング」。

聖子ちゃんの19枚目のシングルで、リリースは1984年11月1日。作曲は「Holland Rose」こと「佐野元春」。この「Hollnad Rose」という名前は、佐野が当時DJを務めていたラジオ番組に、リスナーの小学生が「ホール&オーツ(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)」を「ホーランド・ローズ」と書き間違えて投稿してきたのがきっかけと言われています。それにしても、洒落てます。「ホーランド・ローズ」は日本語では「オランダのバラ」。「オランダのチューリップ」より、絶対ステキですよね。
ちなみに、この曲のヒットにより、聖子ちゃんのシングル総売上枚数は1000万枚を突破します。

そして、一番左のレコードは、「クラッシュギャルズ / 炎の聖書」。

この一枚だけ、なぜかリリースが11月ではありません。リリースは8月21日です。そして、アイドルでもありません。女子プロレスラーです。
クラッシュギャルズは、長与千種とライオネス飛鳥が結成したタッグです。デビュー曲「炎の聖書」を皮切りに、1984年から解散する1990年までの間に8枚のシングルを発表しています。しばしばビューティ・ベアと比較されますが、その話題は機会があればいずれ。
いずれにせよ、純喫茶アイドルの一番左のレコードは、クラッシュギャルズの「炎の聖書」でした。

 

6.まとめ

それにしても、さすがNHKです。
オーディオは全て国産。年代も、設定の1984年より前の製品を導入していて、細部にまで矛盾が生じないよう配慮しています。ひょっとすると全部をパイオニアにしなかったのは、変な噂が立たないように気を遣った結果なのかもしれません。ただ、個人的には、プレーヤーに650,000円の「P3」、アンプに185,000円の「SA-9900」、チューナーに140,000円の「TX-9900」(これが「Lo-d FT-440」と外観がそっくり)と、パイオニアの高級品で揃えて欲しかったですが。

じぇじぇ。

いま気づいたのですが、純喫茶アイドルのスピーカーは何なんでしょう。そう言えば、一度も映りませんでした。ひょっとすると、国産のスピーカーが手配できなかったから、あえて映していないのかもしれませんね。あるいは、パイオニア「S-9500」(1984年発売)を手配したつもりが「S-9500 DV」(1985年発売)で、時代背景に1年そぐわなかったのか。

じぇじぇじぇ。

さらに、たったいま気づきました。
時代設定は1984年夏なのに、飾られていたレコードの二つは11月リリースと秋。あれ?どうしたNHK。全部のオーディオが1984年以前だったのも、実はたまたまだったとか?

いずれにせよ、皆さんのオーディオライフが、「あまちゃん」より甘いスィートなオーディオライフになることを祈っています。

オーディオ機器の良し悪しは、実際の音を聴いてみないと判断できません。しかし、近所に視聴できる場所はそうそうあるものではありません。仮にあったとしても、なかなか気軽には試聴できません。それに、そもそもオーディオ店と自宅では環境が大きく異なりますし、特にアンプに至っては、あなたのスピーカーをどう鳴らすかは実際に繋いでみないとわかりません。

つまり、わたしたちがオーディオを選ぶ際は、最終的には音を想像するしかありません。そして、その手助けしてくれるのがスペック表です。今回は、スペック表から音質をイメージするために必要な基礎知識(アンプ編)を紹介します。

1.増幅回路の種類

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増幅回路は(厳密に区分できるものではありませんが)、バイアスの量によりA級、B級などに分類されます。近年E級~H級などと呼ばれるアンプも出てきていますが、どれも増幅回路の方式を示す便宜的な表現に過ぎず、特にグレードを示したりするものではありません。

1-1.A級

増幅素子の入出力の関係が比例関係にあるよう、動作点を増幅特性カーブの真ん中に置く回路です。+側と−側で別々の増幅素子を使わないので、信号のつなぎ目が滑らかになり、原理的に「クロスオーバー歪み」が発生しません。そのため、音質が美しく、繊細な表現力に優れています。

しかし、常に一定の動作点を維持するため、回路に大きなバイアス電流(アイドリング電流)が常時流れています。そのため消費電力が大きくなり、アンプ自体の発熱量は非常に大きくなります(発熱は無信号時が最大で、音量が上がるにつれ温度が下がります)。

また、出力信号の最大振幅が小さくなるため、大出力のアンプを作ることは難しくなります。効率性が求められる今の時代に逆行する方式ですが、B級・AB級・D級では得られない高品位な音が得られます。

1-2.B級

小出力・大電流のA級動作に対し、より効率性を求められて考案されたものがB級動作です。増幅特性カーブの直線部分をあきらめ、特性の曲がり際に動作点を置いています。出力は+と−のトランジスタを備えており、入力を再現するために各トランジスタは信号波形の180°(半分)のみ伝導します。これにより、アンプはゼロ電流でのアイドルが可能となり、A級に比べて効率は向上します。また、発熱量も少なくなります。

しかし、二つのトランジスタがオンからオフへ切り替わるクロスオーバーポイントが存在するため、音響品質は劣化します。

1-3.AB級

B級動作はバイアスゼロ(カットオフ)に近いところに動作点を置くため、A級よりも大出力は得やすく、バイアス電流も少量で済むため効率性は低くありません。が、歪みが多くなってしまいオーディオアンプには不向きな回路です。

そこで、A級とB級の折衷案として開発されたのがAB級アンプです。動作点はB級よりもA級寄りとなり、中間的な特性の回路になります。小信号に対しては、両方のトランジスタがアクティブとなり、A級アンプ同様に動作します。一方で、大振幅の信号に対しては、波形の個々の半分に対して一つのトランジスタのみがアクティブとなり、B級アンプのように機能します。

現在のオーディオアンプではこの方式が最も一般的です。特に何の表示もない場合は、AB級アンプと認識してもよいでしょう。

1-4.純A級

A級アンプの中には20W程度の小出力時はA級で、大出力時にAB級へ自動で切り替わるダイナミックバイアス方式のアンプもあります。これに対し、切り替えのないA級を「純A級アンプ」と区別することがあります。

原理的にクロスオーバー歪が発生しない点もそうですが、それ以上に、音質が中高域において艶や深みを醸すと、古くから支持され続けている方式です。

1-5.D級

現在、スマートフォンやMP3プレーヤーなどポータブル型モバイルオーディオ機器の普及に伴い、バッテリーの寿命を延ばすために消費電力の低減が求められています。そして、その課題をクリアすべく考案されたのがD級です。上記増幅回路の区分とは異なり、増幅素子の動作点による分類ではなく、デジタルアンプによる方式です。

増幅方式の中では最も高効率で、回路のコンパクト化も可能です。しかし、パルス幅変調によるスイッチングノイズが課題です。

とはいえ、最新のD級アンプはAB級に匹敵する忠実度も実現しており、近年は各メーカーが独自の方式でこの弱点を克服しつつあります。

2.定格出力

設定された歪み率以内で連続的にアンプが取り出せるパワーを表します。つなぐスピーカーのインピーダンスにより大きく変動するため、4Ω時、6Ω時、8Ω時などと併記することがあります。一般的にインピーダンスが小さいほど出力は大きくなります。

インピーダンスとは、一言でいえば交流抵抗のことです。単位はΩ(オーム)、抵抗と同じです。純粋な抵抗なら、直流であろうと周波数が変わろうと値が変わることはありません。しかし、コンデンサ成分やインダクタ成分が含まれると周波数に変化が生じ、値が変わってきます。このような場合はインピーダンスで表示します。つまり、抵抗はインピーダンスに含まれる関係にあります。

3.実用最大出力

連続して供給できる出力を示す定格出力に対し、音楽信号を想定して瞬間的に定格出力を超えて供給できるパワーを表すのが「実用最大出力」です。必ず定格出力よりも大きな値となります。

出力は測定条件によって変わります。定格なのか最大なのか、どちらの表記なのかには注意が必要です。また、これら出力値は、大きければパワーがあることを示すに過ぎません。出力の大きさが音の良さに直結するわけではないことも忘れてはいけません。

4.全高調波歪率

全高調波歪率(ぜんこうちょうはひずみりつ)、あるいは全高調波歪、または単に歪率とは、信号の歪みの程度を表す値です。アンプは増幅する際、元の信号にはない歪み成分(様々な周波数成分を含む高調波)が混じって出力されます。それをトータルして歪み全体がどれだけあるかを示します。トータルハーモニックディストーション(T.H.D)とも表現し、当然小さい方が性能の良いアンプです。

ところで、歪率特性はどの測定機で測定しても、基本的にはほぼ同じなるはずです。が、メーカーによっては周波数スペクトルから高調波成分を求めて歪率としています。これも一つの正しい方法ですが、通常の全高調波歪率よりも非常に良好に表示されます。比較の際は注意が必要です。

5.周波数特性

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ほぼ周波数レンジと同義で、どれほどの広い帯域に渡りフラットな特性をキープできるかを表します。電気的な増幅のフラットさなので、スピーカーのような凹凸はなく、レンジもずっと広くなります。ただし、出力によって広さは変化します。アンプの特徴として、大出力になるほど帯域が狭くなります。

上級者になれば、この周波数特性を見ればだいたいのアンプの概要などが把握できるようになります。

6.S/N

信号(Signal:S)と雑音(Noise:N)の比率のこと。アンプにより増幅されて大きくなる信号(S)には、それ以外の雑音(N)が含まれます。その割合が信号対雑音比、つまりS/N比です。

デシベル(dB)という単位で表し、Nが分母側にあるので、S/Nは数値が大きいほど雑音が少なく、よいアンプと言えます。

まとめ

実は、アンプカタログスペック表には、まだまだ他の項目がたくさんあります。しかし、それらは中級者以上にならないと理解しがたいことなので、今回は割愛させていただきます。

アンプスペック表はスピーカーのそれと異なり、音を想像する材料として非常に有効的な項目が多くあります。いくつか専門的な用語・単位を覚える必要はありますが、是非とも基礎知識として身につけてください。

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ただし、これら数値はあくまで比較材料です。単純に数値がよければ良いアンプとは限りません。その点だけはくれぐれもご注意ください。

では、今日はこのへんで。

この記事が、まるでアンプのごとく、あなたのオーディオライフの快適さを増幅させますように。