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「プレーヤーの選び方」 ~光ディスクの種類を整理〜オーディオ解説書その5

 

1982年にCDが誕生して四半世紀以上が経ち、音楽メディアの主役はすっかりアナログからデジタルに変わりました。そして、今では様々な規格の光ディスクがいくつも存在します。光ディスクとは、光学ドライブ装置を使い、レーザー光の反射によって情報を読み込むメディアです。映像DVDや次世代音声といわれるSACD、DVDオーディオなども光ディスクに該当します。

いま一般に流通している光ディスクは、おおよそ全てがCDと同じ12cmです。しかし、フォーマットが異なれば当然再生できるプレーヤーも異なりますから、いくら大きさが同じで見た目がほぼ一緒でも、それぞれの光ディスクを再生するにはそれぞれに対応した正しいプレーヤーを選ぶ必要があります。

そこで今回は、混同しがちな光ディスクを一旦整理し、それぞれの光ディスクについて正しいプレーヤーの選び方を解説します。

 

目次

  1. 光ディスクの種類
    1-1.アナログレコードと光ディスクの違い
    1-2.光ディスクの種類
    1-3.主流の光ディスク
  2. プレーヤーの選び方
    2-1.CDプレーヤー
    2-2.SACDプレーヤー
    2-3.DVDプレーヤー
    2-4.DVDオーディオ対応DVDプレーヤー
    2-5.BDプレーヤー
    2-6.DVDオーディオ対応BDプレーヤー
    2-7.ユニバーサルプレーヤー
  3. 必須の専門用語
    3-1.サンプリング周波数
    3-2.量子化ビット数
  4. 知っておきたいオーディオ用語(CD編)
    4-1.ピット
    4-2.光ピックアップ
    4-3.リニアPCM方式
    4-4.DSD方式
  5. まとめ

 

1.光ディスクの種類

1-1.アナログレコードと光ディスクの違い

CD誕生以前はアナログレコードが主流の時代でした。

アナログレコードには肉眼でも確認できる溝に音の波が刻み込まれています。その溝をなぞって音を拾うわけですが(ピックアップ)、専用の針を使わなくても、例えばシャーペンでも溝をなぞれば音は出ます。昔はその小さな音をラッパと同じ仕組みで大きくして視聴していたのですが、今は針の振動を電気信号に変え、アンプで増幅して出力します。

一方、CDを祖先とする光ディスクは、ディスクの信号面に刻まれた0,1のデジタル信号をレーザー光線で読み取ります。レコードとは異なり非接触型で、さらに汚れや傷にも強い特徴があります。また、レコードと違って記録面を指でなぞっても音は鳴りません。

CDが生まれた1980年代初頭は、「デジタルサウンド」という言葉がかなり流行りましたが、光ディスクに記録できるのはサウンドに限りません。映像も記録できます。ただ、レコードはその構造上、音しか保存できません。この点も光ディスクとは異なります。

 

1-2.光ディスクの種類

光ディスクには数多くの規格が存在します。また、一般に流通しているのは12cmですが、それ以外のものもあって、登場時期や規格・特性により次のように世代分けされています。

1-2-1.第1世代

主に1980年代に登場した最初の光ディスク。記録や再生には赤外線半導体レーザーを使用します。12cmメディアでの最大容量は700MB程度。

 

  • コンパクトディスク(Compact Disc:CD)
  • レーザーディスク(Laser Vision Disc:LD)
  • Phase-change Dual(PD)
  • GD-ROM
  • DDCD(Double Density CD)

 

1-2-2.第2世代

主に1990年代に登場した光ディスク。第1世代と同じく、記録・再生に赤色半導体レーザーを使用。片面1層の12cmディスクの場合で、最大4.7GB程度の容量を誇ります。

・DVD(Digital Versatile Disc)
・Super Audio CD(SACD)

これ以外にも、「デジタルデータ用光ディスク(Optical Digital Data Disk:OD3)」、「ニンテンドーゲームキューブ用8cmディスク(正式な名称はなく、通称は「8cm光ディスクテクノロジー」)、「
Wii用12cmディスク」、「UMD(Universal Media Disc)」、さらには中国でDVDの特許料を回避するために開発されたDVD代替ディスク「EVD(Enhanced Versatile Disc)」 もあり、それらは全て第2世代です。

一方で、NECが発売したDVD-RAM/RW対抗の独自規格ディスク「MVDISC(Multimedia Video DISC)」や、米データプレイ社が開発した超小型光ディスク「DataPlay」など、全く普及しなかった第2世代の光ディスクもあります。

 

1-2-3.第3世代

主に2000年代に登場した光ディスク。第1世代や第2世代と異なり、記録・再生には青紫色半導体レーザーを使用します。片面1層の12cmディスクの最大容量は25GB。第1世代から第2世代への移行時には7倍も向上しましたが、第2世代から第3世代への以降は5倍程度の向上にとどまりました。

・Blu-ray Disc(BD)
・Ultra HD Blu-ray
・HD DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)
・Professional Disc(PFD)
・CBHD
・Ultra Density Optical(UDO)

1-3.主流の光ディスク

光ディスクで現在主流となっているのはCD、SACD(スーパーオーディオCD)、DVD、DVDオーディオ、BD(ブルーレイ)の5つです。

1-3-1.CD

私たちオーディオ愛好家が日頃から使っている「CD」という単語は、正式には「CD-DA(Compact Disc Digital Audio)」です。コンパクトディスクに音楽等の音声を収める規格で、コンパクトディスク開発に伴って策定されました。ステレオ2チャンネルのデジタルオーディオディスクとして市民権を得ている規格です。

開発はソニーとフィリップス。リニアPCM方式で音楽を収録し、周波数レンジは20kHz。記録時間はおよそ80分程度です。

 

1-3-2.DVD

容量・フォーマットともに限界に達したCDメディアの代替メディアとして、映画・コンピュータ業界それぞれの要求を満たし、将来のAV&PCのネットワーク時代を実現する世界統一規格。それが「DVD」です。VHSビデオテープ方式と同等の画質で、133分の録画を可能とする4.7GBの光ディスクです。

音声はドルビーデジタル、DTSなどの圧縮音声を5.1チャンネルまで収録可能です。

 

1-3-3.SACD

スーパーオーディオCD(Super Audio CD)の略であるSACD。CDにおける収録可能な高音域信号は20kHzまでですが、SACDではこれを大幅に拡大。100kHzまでが可能となりました。

さらに、音の強弱であるダイナミックレンジも格段にアップしており、音楽に含まれる高い周波数成分をCDより多く収録することができます。

CDもSACDも5.1のマルチチャンネルに対応しますが、SACDの方がピュアオーディオ指向が強いのが特徴です。

「レコードとCD/SACD プレーヤーの仕組み」 ~なぜ音が鳴る?オーディオ解説入門書

1-3-4.DVDオーディオ

DVD-Audio(DVDオーディオ)は音楽だけでなく映像も観ることができる光ディスクです。1999年、DVDフォーラムにより規格化されました。ハイレゾ媒体の最初期の規格で、チャンネル数は最大6(5.1チャンネルサラウンド)、サンプリング周波数はステレオで最大192kHz、マルチチャンネルで最大96kHz、量子化ビット数は最大24ビット(ダイナミックレンジ144dB)。

 

1-3-5.BD

BD(Blu-ray Disc;ブルーレイディスク)は第3世代光ディスクの一種で、青紫色半導体レーザーを使用します。DVDの後継となる、主に映像用の光ディスクです。

 

2. プレーヤーの選び方

現在主流の光ディスク「CD」「SACD」「DVD」「DVDオーディオ」「BD」の5つは、規格はそれぞれ異なりますが、直径は12cmで統一されており、外観は一見するとどれも同じです。しかし、見分け方は簡単です。ロゴマークで区別がつきます。ケースやディスクには必ずフォーマット(規格)のロゴが記載されています。一度確認してみてください。

一方、主流光ディスク5つに対応する再生プレーヤーは大きく7タイプに分類できます。これもメディアと同じように、ロゴマークで区別がつきます。プレーヤー本体に記載されていますので確認してみてください。

 

2-1.CDプレーヤー

CDプレーヤーはCD専用の最もスタンダードなプレーヤーです。SACDもDVDも、DVDオーディオもBDも再生できません。しかし、CDはSACDプレーヤーでもDVDプレーヤーでも、DVDオーディオプレーヤーでやBDプレーヤーでも再生できます。CDはすべての光ディスクプレーヤーで再生できるのが大原則だからです。

 

2-2.SACDプレーヤー

SACDには専用のプレーヤーはありません。SACD/CD兼用プレーヤーとなっており、必ずCDも再生できます。CDプレーヤーではSACDは聴けませんが、SACDプレーヤーが一台あれば今まで購入したCDも楽しめるし、今後買い求めたSACDも観賞できます。

 

2-3.DVDプレーヤー

DVDプレーヤーでは映像付きDVDとCDの再生が可能です。しかし、DVDプレーヤーでは基本的にDVDオーディオのソフトは再生できません。DVDオーディオソフトを再生するには、「DVDオーディオ」に対応したプレーヤーが必要です。

また、同じ高品位オーディオでも、SACDとDVDオーディオには互換性がありません。ですから、それぞれに対応するプレーヤーが必要となりますので注意が必要です。

 

2-4.DVDオーディオ対応DVDプレーヤー

DVDオーディオ対応DVDプレーヤーでは、映像付きDVDとDVDオーディオ、それにCDの再生が可能です。

 

2-5.BDプレーヤー

BDプレーヤーでは、BDと映像付きDVD、CDの再生が可能です。しかし、BDプレーヤーでは、基本的にDVDオーディオのソフトは再生できません。DVDオーディオソフトを再生するには、「DVDオーディオ」に対応したBDプレーヤーが必要です。

 

2-6.DVDオーディオ対応BDプレーヤー

DVDオーディオ対応BDプレーヤーでは、BD、映像付きDVD、DVDオーディオ、そしてCDの再生が可能です。

 

2-7.ユニバーサルプレーヤー

元来「universal player」は「普遍的なプレイヤー」という英語です。複数のフォーマットのメディアを再生するプレーヤーを表し、QuickTime PlayerやRealPlayer、Windows Media Playerも「universal player」です。しかし、日本では光ディスクの汎用プレーヤーという限定的な意味で用いられています。

また、オーディオ愛好家にとってのユニバーサルプレーヤーは、「CD」「SACD」「DVDオーディオ」が再生可能なプレーヤーですが、近年ではBDも含め、12cm光ディスク全般を再生できるプレーヤーを意味する傾向が強くなってきています。

 

3.必須の専門用語

CDを知るには、フォーマット上の専門用語についての理解が必ず必要です。少なくとも「サンプリング周波数」と「量子化ビット数」を知らなければスペック表も理解できません。そこでこの章では、上記2つの単語の意味を簡単に解説します。

字並びの硬さから敬遠したくなる気持ちもわかりますが、そこまで難しい言葉ではないですよ。

 

3-1.サンプリング周波数

 

サンプリング周波数とは、アナログ信号をデジタル信号に変換する際(AD変換)、そのサンプルを1秒間に何回に分けて取るかを表す数値です。回数が多ければ多いほど制度が高まり、正確な音を再現することができます。

単位はHz(ヘルツ)。
そして、CDのサンプリング周波数は44.1kHzで、これは1秒間に4万4100個のデータを処理していることを意味します。

また、高い周波数で処理することを「ハイサンプリング」と言って、96kHzや1926kHzなど高いサンプリング周波数の音源は「ハイレゾリューション」、通称「ハイレゾ」と呼ばれています。

音質はサンプリング周波数が高ければ高いほど高品質になりますが、データ量も比例して増大します。そのため、ストレージ容量に制限のあるメディアでは適切な周波数を選択する必要があります。

 

3-2.量子化ビット数

サンプリング周波数が「音を1秒につき何分割して記録するか」なのに対し、量子化ビットは「1回のサンプリングにつき何ビットをデータサイズとして割り当てるか」を表します。

つまり、音楽CDのフォーマット「サンプリング周波数44.1kHz、量子化数16bit」は、1秒を44,100個に分割し、それぞれの分割点での音量を16ビット(2の16乗=65,536)の精度でサンプリングしていることを表します。

要するに、1秒を44,100×65,536の精度のグラフで表しているということです。

 

4. 知っておきたいオーディオ用語(CD編)

4-1.ピット

量子化ビット数の「ビット(bit)」ではなく、「ピット(pit)」とは、CDのディスク上に刻まれているミクロンオーダーの微細な突起です。ここに情報が記録されていて、CDの場合はおよそ2万トラックが渦巻き状に並んでいます。そして、このトラックを読み取るのがレーザーピックアップ(光ピックアップ)で、内周から外周へとトレースしていきます。

ピットは透明な樹脂で覆われていて、キズや汚れに強い特徴を持ちます。

 

4-2.レーザーピックアップ(光ピックアップ)

レーザーピックアップ(光ピックアップ)は、光ディスクへの記録や再生を行うための、レーザー光源およびその受光部です。役割はピットの情報を読み取ることで、ピックアップ内部のレーザー光源から送出されたレーザービームは、光ディスクの記録面上でスポットが最小となるよう調整されています。

レーザー光の波長は、CDでは790nm、DVDでは650nm、BDやHD DVDなど次世代DVDでは405nmです。このようにメディアによって波長が異なるため、複数の規格に対応したプレーヤーはピックアップを複数搭載していたり、複数のレーザー光源を内蔵したピックアップを搭載しています。

 

4-3.リニアPCM方式

PCMとはパルス符号変調のことです。 Pulse Code Modulationの略で、音声などのアナログ信号をパルス列に変換するパルス変調の一つです。正確にはリニアPCMですが、多くの場合、単に「PCM」と表記されます。

CD-DA、DVD-Audio、一部のDVD-Video、BD-Videoなどで採用されているデジタル化方式で、MDのように圧縮しないのが特徴です。16ビットデータをフルに使った直線比例(リニア)で、音の大小をPCMデータ(0、1)に置き換えています。リニアPCMはデジタル音声の基本で、サンプリング周波数が高く量子化ビット数が多いほど高音質になります。

また、非可逆圧縮(圧縮前のデータと、圧縮・展開を経たデータとが完全には一致しないデータ圧縮方法。不可逆圧縮とも)で見られる音質劣化やダイナミックレンジ(特に高周波帯域)の低下がないことも特徴の一つです。

 

4-4.DSD方式

DSDとは「Direct Stream Digital,(ダイレクト・ストリーム・デジタル)」の略です。SACDに採用されている符号化方式で、アナログ音声をデジタル信号化する際、音声信号の大小を1ビットのデジタルパルスの密度で表現する方式です。

オーディオとして用いられるサンプリング周波数は、主にCD-DAの規格である44.1kHzの64倍=2.8224MHzです。つまり、他のデジタルフォーマット48kHzなどとも周波数比が単純な整数比となるため、変換を行っても大きな破綻が無く相性が良いと言われています。

CDに用いられるリニアPCM方式に代わる新技術ですが、古くからあるパルス変調の一つ「PDM方式(パルス密度変調方式)」に商標を付けただけと言われることもあります。命名はCDを開発したフィリップスとソニー。

サンプリング周波数が2.822MHzと非常に高くなるのも特徴です。

 

5. まとめ

現在、一般に流通している光ディスクのうち、主流なのは「CD」「DVD」「SACD」「DVD-オーディオ」「BD」の5種類です。それらは全て、直径が12cmで見た目もそっくりですが、ロゴマークで簡単に区別できます。

同様に、どのプレーヤーがどんなメディアを再生できるかは、本体に記載されているロゴマークで判別が可能です。

なお、光ディスクの種類によって読み取りに使用するレーザは異なります。第1世代・第2世代のメディア「CD」「SACD」「DVD」「DVDオーディオ」は赤外線レーザーを、第3世代の「BD」は青紫色レーザーを使用します。

しかし、読み取りに使用するレーザーの種類は同じでも、それぞれの光ディスクによって波長は違います。CDでは790nm、DVDでは650nm、BDやHD DVDなど次世代DVDでは405nmです。

さて、ところで先ほどCDとSACDはピュアオーディオ指向が強い申し上げました。では、SACDプレーヤーとDVD(DVDオーディオ)プレーヤーの違いはどこにあるのでしょう。

答えは、映像回路の有無です。
DVD(DVDオーディオ)プレーヤーとユニバーサルプレーヤーには、動画再生のためのビデオ回路が内蔵されています。背面の端子群には、テレビにつなぐためのビデオ端子やHDMI端子があります。しかし、CD/SACDプレーヤーには映像出力機能がないため、それらがありません。

というわけで、最後にどの音楽メディアがどのプレーヤーで再生できるのか、表にまとめてみました。

 

ご覧の通り、CDはどんなプレーヤーでも再生できます。光ディスクの再生プレーヤーでは、CD再生は大原則だからです。

そして、SACDもあらゆるプレーヤーにて再生が可能です。
SACDは一般的にSACD/CDのハイブリッド盤です。そのため、SACDエリアとCDエリアがあり、CDはあらゆるプレーヤーで再生可能なので、結果的にSACDは全てのプレーヤーで音を鳴らすことが可能なのです。

ただし、SACD対応ではないプレーヤーでは、CDエリアを再生します。そのため、SACD本来の音質ではないことは覚えておきましょう。

※注意※
この記事に登場するSACDはすべて、最も流通量の多いSACDハイブリッドを指しています。同じSACDでも「SACDシングルレイヤー」などについては次の記事をご参照ください。

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