「レコード」オーディオ解説書その1

「レコード」オーディオ解説書その1

オーディオ「audio」はラテン語の「audire(聴く)」に由来し、英語の原語としては、人間が聴き取れる「可聴周波の」という形容詞です。つまり、オーディオ「audio」は、もともとは可聴周波数「audio frequency」のことで、人間の耳が聴き取れる周波数「20~2万 Hz」の範囲を意味しました。

しかし、それがいつからか、私たちはその周波数帯域「audio frequency」の音を記録・再生するための機器一般を「オーディオ」と呼ぶようになり、そして今では誰もが、それら装置を「オーディオ」として認識するに至っています。

では、オーディオはどんな歴史をたどって進化してきたのでしょう。
また、オーディオにはどんな装置があり、どんなメディアがあるのでしょう。

今回から数回に渡って、オーディオについて解説しようと思います。

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目次

  1. 音と
    1-1.大きさ
    1-2.高さ
    1-3.音色
  2. 音楽メディアの変遷
  3. レコード誕生の経緯
    3-1.始まりは「再生できない録音機」
    3-2.レコードの技術は電話から生まれた
  4. 音楽メディアの「レコード」
    4-1.レコードの形状
    4-2.レコードの材質
    4-3.レコードの溝
  5. まとめ

1.音とは

音とは空気の振動です。その振動が人間の鼓膜を振動させ、人間はそれを音として感じます。
音には様々な種類があります。その違いを表す要素として、「大きさ」「高さ」「音色」があります。

1-1.大きさ

音の大きさは、空気の圧力の変化量によって決定され、この変化する圧力を「音圧」といいます。そのため、音の強弱を表す単位は「Pa(パスカル)」です。しかし、人が聞くことのできる音圧の範囲は非常に広いため、分かりやすくするためにも「dB(デシベル)」を採用しています。dBは数値が大きいほど大きな音を意味します。一般的に、普通の会話は40~60dB、電車の中は80~100dB程度といわれています。

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1-2.高さ

音の高さは、1秒間に空気が振動する回数です。周波数の単位「Hz(ヘルツ)」で表し、1秒間に1回の振動が1Hzです。人間が聞き取れる周波数は20Hzから2万Hzまでです。そして、音の高さは「ドレミファシソラシ」のような音階名で表現され、音階において1オクターブ高い音は周波数が倍になり、1オクターブ低い音は周波数が半分になります。一般的に、男性の声の基本周波数は100Hz、女性の基本周波数は200Hz、NHKの時報(プ・プ・プ)は440Hzと言われています。

1-3.音色

同じ大きさや同じ高さの音を聴いても、ピアノとバイオリンの音は明らかに違います。これはどんな「倍音」が含まれているかによって音色が異なるからです。倍音とは、周波数の整数倍の振動です。音は基本の倍音が重なることで「音色」が構成されます。倍音が多くなると明るい音になり、逆に少ないと暗い音として聞こえます。

2.音楽メディアの変遷

人類最古の録音と言えば、トーマス・エジソンが発明した蓄音機を思い浮かべる方も多いことでしょう。しかし、現代の解釈では、世界最古の録音は1857年にエドワール=レオン・スコット・ド・マルタンヴィル(Édouard-Léon Scott de Martinville) が発明した「フォノトグラフ」というのが一般的です。

つまり音楽メディアの歴史は
フォノトグラフ→蓄音機→レコード→カセットテープ→CD→DAT→MD→MP3
と流れていきます。

フォノトグラフは音声を波形図に変換して記録する装置です。再生機能はありません。
一方、蓄音機はフォノトグラフと近い基本構造の録音機ですが、再生機能を有していました。エジソンによる発明品で、フォノトグラフより20年遅れた1877年に、この世に誕生した製品です。錫箔を張った銅製のシリンダーを手で回転させ、振動板に直結した録音針を錫箔に押し当て、音の強さに応じて溝の深さを変化させることで録音します。

蓄音機がさらに進化し、量産可能となったのが円盤式蓄音機「グラモフォン」です。いわゆるレコードの原型です。1887年、エミール・ベルリナーが発明しました。初期レコードは5分程度しか録音できませんでしたが、1948年にはLP(Long Play)レコードが実用化され、片面で20分の録音が可能となりました。

1962年に入ると、カセットテープが発売されました。音声を磁気に変換し、テープに記録するものです。そして、1979年にはヘッドフォンステレオが発売され、それまで家で聞くものだった音楽は外に持ち出せるようになりました。これにより、爆発的にカセットテープの需要は拡大。音楽カルチャーは劇的に変化しました。

さらに音楽業界を変えたのが、1982年に発売されたCD(Compact Disc)です。原盤をプレスし、物理的に凹凸をつけてデジタルデータを記録し、レーザー光を当てて反射光を読み取り再生します。最大収録時間は74分。このCDというメディアは長く音楽メディアの主流となります。

一方、1987年にはDAT(Digital Audio Tape)が発売されます。DATは業務用として広く使われたメディアです。見た目はカセットテープですが、音をアナログからデジタルに変換して記録し、再生時に再びデジタルからアナログに変換します。かなり高性能でしたが、一般にはあまり普及しませんでした。

その後、1992年にはMDが登場します。CDをさらに小型化した「Mini Disc」です。カセットテープのように自分で録音できた上、文字入力が可能だったので曲名などを編集することができました。

そして現代。
これまでのメディアを決定的に変化させ、革命ともいえる「音の圧縮技術」が発明されます。正確には「メディア」というよりデジタルデータそのものですが、代表的なMP3では、音質劣化を防ぎつつ、従来の10分の1程度の容量に音楽ファイルが圧縮できます。こうした音楽ファイルをデジタルオーディオプレイヤーに入れて持ち運ぶのが現代のスタイルです。また、今までは、音楽はメディアに録音して発売されてきましたが、この圧縮技術の発明により、音楽データそのものをダウンロード販売するという手法も一般に広く普及しました。

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3.レコード誕生の経緯

3-1.始まりは「再生できない録音機」

人類が音を録音できるようになったのは、1857年からです。最初の録音装置は、フランス人のエドワール=レオン・スコットが発明したフォノトグラフ。ススを塗布した紙の上に樽状の箱を設置し、その箱の底が音により振幅したものを針に伝え、その針で紙を引搔いて音声を記録します。

フォノトグラフはエジソンの発明したフォノグラフと異なり、「録音専用機」です。音の振幅具合を波形の強弱によって表すのみで、音の記録を読み取ることはできませんでした。しかし、これは再生機能の開発失敗ではありません。フォノトグラフ開発の目的は録音装置の発明であって、再生装置の発明ではなかったからです。19世紀後半の当時では、音声を記録すると言えば「速記」を意味しました。速記とは、速記者が音や声を聴き、速記文字や速記符号とよばれる特殊な記号を用いて言葉を簡単な符号に変換し、人の発言等を記録する方法です。スコットはこの役割だけを機械化しようと考えたのです。

とはいえ、再生できない録音装置はまるで意味をなしません。ですから、今まではこのフォノトグラフは録音装置として認められていませんでした。

が、2008年のことです。いよいよ21世紀の技術と米国の音声史学者、録音技師、科学者などの知恵を結集させ、紙に刻まれたわずかな溝をデジタル画像で処理してその音の再生に成功します。録音されていた内容は、フランス民謡「Au Claire de la Lune(月の光)」。女性の声で約10秒間にわたり録音されていました。

この取り組みはアメリカのFirst Sounds協力の下に行われたのですが、長期間失われていた初期の録音を蘇らせるプロジェクトを推進してきた同団体は、「まさかスコットも、この録音が再生されるとは夢にも思わなかっただろう」との声明を出しています。

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3-2.レコードの技術は電話から生まれた

レコードの原型を発明したのは、エミール・ベルリナーです。1851年、ドイツのハノーファーで、ユダヤ系の商人で学者の父とアマチュアの音楽家である母との間に生まれました。そして1870年に両親とアメリカに移住し、クーパー研究所の物理学と電気工学の夜間講座に出席。その後は電気技術者としての腕を磨きますが、当時、評判になっていたアレクサンダー・グラハム・ベルの電話機に興味を持ち、その改良案で送話器に関する特許を取得します。

一方、その頃のベルは、電話機の発明の一部がエジソンの特許に抵触する可能性があり、それを避ける方策を探していました。そこで白羽の矢がたったのがベルリナーだったのですが、彼自身と彼の改良案が開発チームに加わったことで、ベルはエジソンとの電話機における特許争いに勝利。最終的な特許を確定させます。そして、グレアム・ベルが電話機を発明したことにより再生の目処がつくと、多くの研究者が再生可能なレコードの発明に取りかかります。

エジソンもその一人で、電話機の特許争いに敗れた彼はレコードの分野での反撃を試みます。そして1877年12月6日、最初の錫箔円筒式蓄音機「フォノグラフ」を発表します。

この蓄音機は「話す機械」として宣伝され、大いに評判を呼び、また、世界で初めて再生可能なレコードが誕生したとして、現在では12月6日が「音の日」となっています(しかし、実はエジソンよりも約4ヶ月前の1877年4月に、フランス人のシャルル・クロスが円盤を使ったほぼ同機構の録音装置に関する論文を発表しています。エジソンが先に実物を完成させたため、「録音装置の発明はエジソン」となっていますが)。

このように、エジソンの発明した蓄音機「フォノグラフ」はとても高く評価されますが、実は評判のわりに性能が低く、実用化にはほど遠いものでした。

そこでその後、ベルリナーはベルの研究所から独立。蓄音機の実用化に向け改良を重ね、1887年のことです。レコードプレーヤーの原型である円盤式蓄音機「グラモフォン」を完成させます。

このグラモフォン最大の特徴は、水平なターンテーブルに載せて再生する円盤式であることです。発端こそエジソンの円筒式レコード特許を回避するためでしたが、結果として円盤式は円筒式より収納しやすく、原盤を用いた複製も容易になりました。また、中央部分にレーベルを貼付できることも円筒式にはない特長で、CDやDVD、BDにつながる円盤型メディアの歴史はここから始まっているといえます。

さらに、ベルリナーは記録面に対し針が振動する向きを、従来の垂直から水平に変更。これにより音溝の深さが一定になり、既存よりかなりの音質向上に成功しています。

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4.音楽メディアの「レコード」

4-1.レコードの形状

レコードの形状はいくつかありますが、SPとLP、EPの3種類が代表的です。
SPは1887年にベルリナーが発明した円盤式グラモフォンが元祖です。
LPレコードは1948年にアメリカ・コロムビア社から発売され、EPレコードはその翌年の1949年にRCAビクターから発売されました。当初はLPとEPは競合でした。しかし、どちらも人気が出たため、やがて両者は歩み寄るようになります。

4-1-1.SP(Standard Play)レコード

SPレコードのSPとはスタンダード・プレイの意味です。直径は25cmと30cmの2種類(ラジオ放送用マスターなど、一部の用途では16インチ盤も使用されました)で、回転数は初期こそバラツキがあったものの(ただし、その頃の蓄音機は手回し式なので特に問題はありませんでした)、1920年代に78回転に統一されます。

また、録音についても、1920年頃までは集音ラッパに吹き込むアコースティック録音でしたが、その頃からマイクロフォンとアンプを使った電気録音が主流となり始めました。

収録時間は30cm盤でも片面4分30秒程度と短く、シェラック盤と呼ばれる固い素材でできているため、割れやすくキズも付きやすいのが特徴でした。

正しく再生するためには専用プレーヤー(蓄音機やレーザ方式のプレーヤーなど)が必要で、仮にターンテーブルが78回転対応のプレーヤーでも、カートリッジを専用品に交換していなければ適切に再生できません。

1963年に生産は終了しています。

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4-1-2.LP(Long Play) レコード

1948年、アメリカのコロムビアから初めて発売されたレコードです。長時間録音ができるためLP(long play)盤と呼ばれています。

もともとはSP盤が主流の1925年に、イギリスのウオルドというメーカーがLP盤の原型ともいえる長時間レコード(回転数はLPとほぼ同じで、片面約20分再生可能)を開発しました。しかし、4年も経たずにウオルドは撤退。製造は打ち切られ、普及には至りませんでした。それでもその後、新しい盤質として塩化ビニールなどの技術開発が進み、コロムビアがLPレコードの量産、商品化に成功。米英を始め、各国のレコード会社がこれに続いて普及が進み、やがて世界のアナログ盤の標準メディアの1つとなり、今に至ります。

30cmサイズのLPレコードの多くは33回転のステレオ盤とモノラル盤ですが、45回転LPというものもあって、これは主にオーディオファン向けの高音質盤です。また、昔は25cm盤もありましたが、これはSP盤の主流が25cmだったことの名残です。そして、80年代には12インチシングルという30cmの両面に2曲から4曲程度を収録したレコードも登場しますが、こちらは今もクラブDJ向けに少数の生産があります。

SPが非常に割れやすかったことから、初期のLPレコードには「割れない」を強調する為「Unbreakable」との表示がありました。また、33回転(3分で100回転)の由来は、無声映画のフィルム1巻15分の間に500回転することによります。

4-1-3.EP(Extended Play)レコード

1949年、RCAビクターが発売した17cmサイズのレコードがEPレコードです。「収録時間がLP(フル・アルバム)よりは短いが、シングルよりは長い」という「Extended Play」の略です。基本的には45回転ですが、60~70年代初頭はLPが高価だったため、33回転で両面に4曲程度を収録し、若者でも購入しやすくした「コンパクト盤」といわれるものも登場しました。

ジュークボックスのオートチェンジャー用に丸い大きな穴が中央に空いているものが多く、「ドーナツ盤」とも呼ばれていて、その大きな穴のため、再生にはシングル(EP)用アダプタが必要です。

LPよりも回転数が早く、独特の迫力ある音が楽しめると人気の形状でした。

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4-2.レコードの材質

4-2-1.ビニール盤(ヴァイナル盤)

SP盤で使用されていたシェラックに比べ、弾性があり割れにくく丈夫。その上薄くて軽い。それがヴァイナル盤の特徴です。また、素材にポリ塩化ビニールを採用することで細密な記録が可能となり、宝石製永久針の使用+カートリッジの軽量化などにより、さらなる長時間再生・音質向上が実現されました。

1940年代以前に作られた多くのSP盤と比較して、耐久性や記録音質がとても高く、レコードの普及に一役買ったヴァイナル盤。しかし、そればかりではありません。現在一般に流通しているレコードも、実はこのヴァイナル盤です。

ヴァイナル盤には長い歴史がありますが、基本的なプレス方法の流れは今も昔も変わりません。
まず最初に、マスター音源を調整した音をカッティングマシンで刻み込み(凹盤)金属メッキをします。次に、そのメッキを剥がして製作したマザースタンパー(凸盤)を使ってプレスします。

ちなみに、レコード盤は外側から内側に向かって高域周波数帯が減衰する特性があります。そのため、レコードの外側の溝と内側の溝では、外側の方が音質が良くなります。A面、B面それぞれのオープニング曲がレコードの最外周から始まるのはこのためです。また、33回転よりも45回転の方が回転が早いため、録音時に優位な状態となります。そのため、回転数の高い45回転の方が一般的には高音質と言われています。

4-2-2.ソノシート

1958年、フランスのS.A.I.P.というメーカーで開発されたソノシートは、非常に薄いレコード盤です。通常のLP、EPレコードのように硬質ではなく、フィルムのようなもので作られいてペラペラしているのが特徴です。

大きさはほとんどがEPサイズの17cm盤ですが、8cm程度の小型盤も存在します(後者は専用のプレイヤーで聴くものが多数)。色は赤または青が多く、ビニール盤よりも音質の面では劣るものの安価に制作できるため、雑誌の付録などに使用されていました。

ちなみに、「ソノシート」は元々は朝日ソノラマの商標だったため、「フォノシート」や「シートレコード」と言い換えられたこともありましたが、現在ではソノシートという呼び名が一般的です。

4-2-3.ピクチャー盤

ピクチャー盤は真っ黒なレコードの盤面に、アーティストの写真や画像などの絵がコーディングされているレコード盤です。LP盤とEP盤の2種類がありますが、EP盤の数は少なく、ほとんどがLP盤です。通常のレコードより重く、音質も鮮明さの面で劣ります。

レコードのビジュアル面を追究したレコードです。

4-2-4.100%pureLP

レコード盤と言えば、一般的には黒色です。なぜなら、レコードは再利用を前提に作られているからです。

昔、レコード店は売れた委託分だけを支払い、売れなかったレコードはメーカーに戻していました。一方、メーカーは返品されたレコードを材料に戻し、リサイクル利用していました。つまり、レコード盤はカーボンなどの染料を添加して、いくら混じっても色の濁りを小さくするため、あえて黒色にしているのです。

しかし、2012年、ユニバーサル・ミュージックが発売したレコード盤「100%pureLP」では、そうした音に影響を与える着色物をすべて排除。新配合無着色ヴァージン・ヴィニールを用い、ダイレクト・カッティングをすることで高音質化を目指しています。

4-3.レコードの溝

4-3-1.モノラル盤

モノラル録音のレコードでは、溝は左右で同じ形状に掘られています。そのため、音は横方向の振動で記録されます。

しかし、1952年にアメリカのクック社が開発したバイノーラル盤では、モノラルLPレコードの外周と内周の半分ずつに左右別々となるチャンネルの音溝が刻まれています。そのため、2本の枝分かれしたピックアップで再生することでステレオ効果が得られます。ただ、再生時間が短く、レコード特有の内周歪みによって左右で音質が変化しやすい、さらには針の置き位置を定めにくいなどのデメリットも多く、ステレオ盤が普及する前に廃れてしまいました。

ちなみに、モノラル・レコードの再生専用カートリッジは、縦方向の振動感度において鈍く設計されています。ですから、ステレオ・レコードに使用すると盤面を損なう場合もあります。注意しましょう。

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4-3-2.ステレオ盤(45-45方式)

レコード盤面に対し、音溝を左右斜め45°づつに分けてカッティングし、ステレオのLch/Rchを記録。原理は1931年、イギリスのコロムビア社の技術者アラン・ブラムレインが開発。45-45方式は、1950年代半ばにアメリカのウエスタン・エレクトリック(ウエストレック)社が規格・実用化しました。

左右で音溝の形状が異なるため、レコードの針は上下左右に振動します。

世界初のステレオ盤は、米オーディオ・フィディリティー社から1958年1月に、日本初は同じく1958年の8月1日に日本ビクターから発売されました。

4-3-3-.4チャンネルステレオ盤

通常のステレオ2ch(L/R)にリアスピーカー2chを追加し、4chを記録した方式です。別名はクワドラフォニック盤。ステレオ・レコードよりも高周波数帯を記録しています。

ディスクリート方式とマトリックス方式と呼ばれる互換性のない2つの方式があります。
日本ビクターが1970年に開発したCD-4(ディスクリート方式)と、ソニーが開発したSQマトリクスです。

いずれもあまり普及しませんでしたが、その開発技術はカードリッジの性能向上に大きく寄与し、後のマルチチャンネル開発への大きな糧となりました。

5.まとめ

人間が聴き取れる周波数を表す可聴周波数「audio frequency」が語源のオーディオ。
その歴史は、フォノトグラフ→蓄音機→レコード→カセットテープ→CD→DAT→MD→MP3 と変遷し、今回はレコードの詳細を見てみました。

再び注目を集めているアナログ・レコード。

今、CDの売上は激しく落ち込み始めていますが、レコードの売上は近年増加しています。また、CDは可聴周波数である20~2万Hzの部分のみを切り出して収録していますが、アナログは「カットせずに全ての周波数を収録しているから音質が良い」という意見もあります。あなたはレコードに対し、どんなイメージを抱いていますか。

次回は「レコードプレーヤーについて」です。

レコードプレーヤーとは。
レコードプレーヤーはどんなパーツで構成されているのか。

是非是非ご期待ください。

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