オーディオ辞典【P】

PCMぴーしーえむ

pulse code modulation

PCMはパルス符号変調の略。音声や映像などのアナログ信号を、パルスの列に置き換えてデジタル信号にする方式の一つです。アナログ信号の音を一定時間ごとにサンプリングし、振幅の大きさを量子化してデジタル信号化したものです。サンプリング周波数(単位kHz)、量子化ビット数(単位bits)で表され、数値が大きいほど音質に優れています。PCMを再生する装置をPCM音源と呼びます。音楽CDやDVD、WAVファイルなどで利用されています。

ピックアップぴっくあっぷ

pickup

ピックアップとは、レコードの溝を針でなぞり、その振動を電気信号に変換する部品のことです。一般には「カートリッジ」とほぼ同じ意味で使われ、レコード再生の音の入り口を担います。

仕組み

針(スタイラス)が溝の左右の起伏を拾い、その動きを内部の発電機構が電気信号に変えます。この微弱な信号をフォノイコライザーで増幅・補正して音になります。

主な方式

  • MM型:出力が大きく扱いやすい。針交換が容易
  • MC型:出力が小さいが繊細。昇圧が必要

取り扱いの注意

針は消耗品で、摩耗するとレコードを傷めたり音がこもったりします。針先の形状(丸針・楕円針・シバタ針など)でも溝の追従性が変わります。使用後は針先のホコリを専用ブラシで軽く払うと長持ちします。関連用語:カートリッジフォノイコライザー

フォノイコライザーふぉのいこらいざー

phonoequalizer

フォノイコライザー(フォノEQ)とは、レコードのカートリッジが出す微弱な信号を増幅し、RIAA特性で補正するアンプのことです。レコードをアンプにつなぐために欠かせない機器です。

なぜ必要か

レコードは記録時に低音を小さく・高音を大きくして刻む「RIAAカーブ」で録音されています。再生時にこれを逆補正して元のバランスに戻すのがフォノイコライザーの役割です。あわせて非常に小さいカートリッジ出力を増幅します。

MM型とMC型

  • MM(ムービングマグネット):出力が大きく対応機が多い
  • MC(ムービングコイル):出力が小さく、昇圧トランスや専用EQが必要

プリメインアンプ内蔵タイプと単体タイプがあります。関連用語:カートリッジハム音SN比

プッシュプルぷっしゅぷる

push-pull

プッシュプルとは、2本の増幅素子(真空管またはトランジスタ)が交互に動作して信号を増幅する方式のことです。片方が押し(プッシュ)、もう片方が引く(プル)ように働くことからこう呼ばれ、真空管アンプの主流回路になっています。

仕組みとメリット

正の半波と負の半波を2素子で分担するため、大きな出力を効率よく取り出せ、偶数次高調波歪みが打ち消されるのが特長です。EL34・KT88・6L6・300B などの真空管で構成されます。

シングル方式との違い

  • プッシュプル:高出力・低歪み。力強くレンジが広い
  • シングル(SE):低出力だが偶数次歪みによる独特の艶。小音量向き

関連用語:バイアンプ歪率ダイナミックレンジ

ペアリングぺありんぐ

pairing

ペアリングは、スピーカー左右ペアのシリアル番号・特性が揃った状態のことです。連番(コンセクティブ)・近接番号(ニアコンセクティブ)・無関係の3パターンがあります。

連番ペアは特性のマッチング精度が高く、ヴィンテージスピーカー(TANNOY Monitor Gold・JBL アルニコ等)では査定額が10-20%上振れする要因。

ポリプロピレンコーン紙ぽりぷろぴれんこーんし

polypropylene corn paper

ポリプロピレンコーンとは、振動板(コーン)にポリプロピレン樹脂を用いたスピーカーユニットのことです。歪みが少なく素直な音で、多くの現代スピーカーに採用されています。

特徴

ポリプロピレンは内部損失が大きく、余計な共振(鳴き)を抑えられます。そのためクセの少ないフラットな音になりやすく、湿気にも強く経年劣化しにくいのが利点です。ウーファーやミッドレンジに広く使われます。

紙コーンとの違い

  • ポリプロピレン:低歪みで安定。ややおとなしい傾向
  • 紙(パルプ):軽く反応が良く温かいが湿気に弱い

状態の見方

紙より丈夫ですが、エッジ(周囲のゴムやウレタン)は劣化することがあります。エッジの破れやべたつきは補修・張り替えで対応できる場合があります。関連用語:コーンスピーカーボイスコイル