オーディオ辞典【ひらがな】

ハウジングはうじんぐ

housing

装置などを包んで保護するケースのことです。

転じてヘッドホンのイヤーカップにあたる部分をハウジングと呼びます。

中にはドライバーが格納されていて、材質によって耐久性やデザインはもとより、音質を左右したりもする重要なパーツです。

材質にはプラスチックやメタル、チタン、高精度ステンレスなどが使われます。

バスレフ型ばすれふがた

bass reflex

英語の bass reflex(バス レフレックス)の略称。

和訳すると「位相反転型」。

箱にダクト(ポート)を設けてスピーカー本体をヘルムホルツ共鳴器とし、その共鳴によって低音域を増強。結果、位相を反転させ、スピーカーユニット背面で駆動する形式。

小さな箱で豊かな低音を得ることが可能ですが、箱の内容積や共鳴周波数をスピーカーユニットの特性に合わせて設計する必要があり、設計が悪いと癖の強い低音になってしまうばかりか、そもそも共鳴周波数より低い周波数ではスピーカーユニット前面から出る音と打ち消し合ってしまう特徴があります。

ポートから共鳴周波数付近以外の音漏れがあったり、風切り音が出ることもあるという欠点もありますが、いま市販スピーカーに最もよく採用されている形式です。

 

バスレフ型ばすれふがたすぴーかー

bass reflex type loudspeaker

スピーカーのエンクロージャーの種類の一つで、バスレフポートと呼ばれる筒状の穴が開けられているスピーカーのことです。

エンクロージャー内の空気がバネの役目を果たし、ポートの中の空気と共鳴を起こすことによって、ユニット裏面から発せられた低音を効率よく増強させ、振動板の前面から発せられた低音と合わさって豊かな低音が得られます。

ポートの面積と長さで共鳴するポイント(周波数)をコントロールできます。

また、ポートの場所は前面だったり背面だったりと、そこはスピーカー設計者の腕の見せ所となっています。

PCMぴーしーえむ

pulse code modulation

PCMはパルス符号変調の略。音声や映像などのアナログ信号を、パルスの列に置き換えてデジタル信号にする方式の一つです。アナログ信号の音を一定時間ごとにサンプリングし、振幅の大きさを量子化してデジタル信号化したものです。サンプリング周波数(単位kHz)、量子化ビット数(単位bits)で表され、数値が大きいほど音質に優れています。PCMを再生する装置をPCM音源と呼びます。音楽CDやDVD、WAVファイルなどで利用されています。

ヒートシンクひーとしんく

heat sink

放熱や吸熱を目的とする装置です。

半導体素子の冷却や自動車のラジエターなどに用いられています。

オーディオ用としては、発熱量の多い大出力のパワーアンプなどに設置される。

伝熱特性の良いアルミニウム、鉄、銅などの金属が材料として用いられ、表面積が大きくなるよう剣山状や蛇腹状をしています。

さらに放熱量を増やしたい場合には、ファンを併用することもあります。

ピックアップぴっくあっぷ

pickup

CD、レコードプレーヤーなどの機器でソフトの再生時に、記録されているデータを読みとり電気信号に変換する電子部品のことです。

CDやDVDのように光を利用して読み取る方式は光ピックアップといいます。

針を接触させて読み取るレコードには、ムービングコイル(MC)ピックアップとムービングマグネット(MM)ピックアップがあります。

フォノイコライザーふぉのいこらいざー

phonoequalizer

フォノイコライザーには大きく分けて二つの役割があります。

一つはレベルを増幅する機能です。PHONO 出力と呼ばれるアナログプレーヤーからの信号は、MM型で2~5mV、MC型は0.1~0.5mV程度の出力電圧で、これをLINE出力の200mV程度の電圧まで上げる必要があります。

もう一つはアナログレコードの特殊性で、RIAAという規格に沿って高音部を高めに、低音部を低めのレベルで収録してあります。

それを再生時に元の状態に復元する機能をフォノイコライザーは負っているのです。

アンプにフォノ端子がついている場合は内蔵しているので、そこにレコードプレーヤーをつなぎ、ない場合は単体のフォノイコライザーを使用することになります。

フォノイコライザーが、MM型、MC型のどちらに対応しているかは、カートリッジのタイプによります。

負帰還回路ふきかんかいろ

negative feedback amplifier

増幅回路の機能の一つです。

負帰還とは、出力信号の一部を入力に戻し、入力信号と逆位相で合成することで、出力の振幅を抑えて増幅回路の特性を改善する目的を持ちます。

特にアナログ回路の設計ではよく用いられ、負帰還によって回路の増幅度は低下しますが、広い周波数帯域にわたって歪みが抑えられた均一な増幅度が得られるのが特徴です。

出力信号を戻す際に、入力信号と同位相で合成することを正帰還といいます。

発振回路などに使われます。

ブックシェルフ型ぶっくしぇるふがたすぴーかー

bookshelf type loudspeaker

名称の通り本棚にも収まるくらいの大きさのスピーカーのことです。

寸法に特に決まりがあるわけではありません。

この他にはトールボーイ型、フロア型に分けられるスピーカーがあります。デスクトップで使われるPCオーディオやコンパクトな部屋でのホームシアターユースなど、需要が高まっていることが背景にあります。

小さいスピーカーの特徴として、音の広がり感や立体感、定位のよさなどが上げられます。

逆にエンクロージャーが小さいことから、低音が出にくいというデメリットあります。

プッシュプルぷっしゅぷる

push-pull

増幅回路の構成の一つです。

二つの増幅器を逆位相で動作させ、出力側で信号を合成する回路方式です。

この方式ではアンプをパワフルに駆動できるという特徴があります。

AB級やB級を動作させると効率がよく、歪みが少ない増幅を行うことができます。

一つの増幅器を用いる回路はシングル方式と呼ばれます。