オーディオ辞典【ひらがな】
MC型えむしーがた
moving coil pickupカートリッジ内部に差し込まれたカンチレバー後端部分にコイルが取り付けられたタイプです。コイルの周囲に配置された永久磁石が磁力を出し、磁界中でコイルが振動することにより、コイルに発生する起電力を再生出力とします。振動系が軽く設計でき、強力な磁石を用いることができるので、レスポンスがよく周波数レンジもワイドなことが特徴です。ただし出力が低いので、昇圧トランスかヘッドアンプが必要になります。中~高級品クラスに多く使われる形式です。
MDえむでぃー
minidiscデジタル式の光学ディスク記録方式および媒体です。ソニーが1992年にカセットテープに変わる製品として発表されました。直径64mmのディスクがカートリッジに封入された構造になっています。MDは、録音後に編集できたりと便利な面もありましたが、データを圧縮処理するため、CDと比べて音質や情報量が劣るとされました。2011年頃には各社がプレーヤーなどの製造から撤退して現在に至っています。
MDFえむでぃーえふ
medium density fiberboard木質繊維を原料とする成型板ファイバーボードの一種で、中密度繊維板を略した呼称です。木材を粉状にまで粉砕し、接着剤を混ぜて圧縮成形します。家具類や建材に多く使われますが、オーディオではスピーカーのエンクロージャーに使われます。軽くて加工がしやすく、木材のような反りや乾燥割れがないなどの特徴があります。
MP3えむぴーすりー
MPEG-1 Audio Layer-3音声データをデジタル技術で圧縮してつくられる音声ファイルフォーマット、あるいはその圧縮技術の規格を指します。映像圧縮規格であるMPEG-1の、オーディオ規格として開発されました。非可逆圧縮です。音楽をCDなどからパソコンのハードディスクドライブに取り込むのに便利で、広く普及しました。しかし、現在はMP3より高音質で高圧縮な規格であるAAC、WMA、可逆圧縮のFLAC、ALACなどが開発され、ハイレゾが楽しめる規格として広まりつつあることからMP3の利用は減っています。
MPEGえむぺぐ
moving picture experts group動画や音声を圧縮する規格です。ISO標準化機構の「ビデオとオーディオに対して符号を付与する基準」を策定するワーキンググループの名称で、このグループにより標準化された規格をMPEGと呼びます。動画のコマ間の差分を記録するデータ圧縮方式を採用しています。ビデオCDなどに使われるMPEG-1、高い通信速度で高画質なため、DVDや放送メディアに使用されるMPEG-2、通信速度の低い回線を使った低画質、高圧縮率の映像配信を目的とし、ネットワーク配信や携帯端末向けのMPEG-4などがあります。
LPレコードえるぴーれこーど
long playing record1948年にCBSコロムビア社から最初に発売されたレコード盤。直径12インチ(30cm) 、毎分33 1/3回転で、収録時間23分という長時間再生を実現したものです。それ以前のSPレコードが毎分78回転で収録時間が4.5分であったことを考えると、大きな進化でした。材質も塩化ビニールになって軽く、柔軟性のあるものになり、特にクラシック音楽では、演奏者、ファンから支持を集めたといわれています。その後、CDの普及によって大きく衰退しましたが、アナログレコードの音質面での評価は根強く、最近は新譜のアナログレコードが継続的に発売されるまでになっています。
エンクロージャーえんくろーじゃー
enclosureスピーカーを取り付けた筐体のことです。スピーカーボックスともいいます。
エンクロージャーのおもな役割は、スピーカーユニットの前面から出る音と背面から出る音を分離することです。
スピーカーユニットの振動板は、位相が正反対の音を前後に出しますので、この音同士が干渉すると低音域では打ち消し合い、理論上は音が消えてしまうことになります。
そのためスピーカーユニットを素のままで鳴らすと低音が出ませんが、エンクロージャーに取り付け、背面からの音が前面に干渉しないようにすることで低音を再生できるようになります。
おもなエンクロージャーの構造には、密閉型、バスレフ型、ホーン型などがあります。この他、エンクロージャーにはデザイン的な面もあり、メーカーでは様々な工夫を重ねて独自のスピーカーを出しています。
OFCケーブルおーえふしーけーぶる
oxygen free copper cableOFCは無酸素銅のことで、ケーブルに使われる導線の銅の純度を示したものです。オーディオケーブルでは、酸化物などの不純物を除去し、99.9%以上の高純度銅を使用したものを呼んでいます。一般的に使われているTPCケーブルに比べると、信号の伝送ロスや、歪みを抑えることができるといわれています。さらに高純度なものでは、おもに99.99995%(6N)以上の高価な無酸素銅でつくられたハイクラス無酸素銅ケーブルもあります。
オーバーイヤー型ヘッドホンおーばーいやーがたへっどほん
over earヘッドホンにはオンイヤー型、オーバーイヤー型などのタイプがあります。
オーバーイヤー型ヘッドホンは、完全に耳を覆うタイプです。
オンイヤー型と比べクッションが厚いため、耳への圧迫感や外部への音漏れが少なく、外部からのノイズも侵入しにくい構造となっています。
これに対しオンイヤー型は、耳に入り口に当てるタイプで、密閉度が低いかわりに、比較的コンパクトなサイズにできるのが特徴です。
オーバーイヤー型を外出時に使用すると、外の音が聞こえにくいので危険を伴います。用途に合わせて使い分けると良いでしょう。
カートリッジかーとりっじ
cartridgeレコードプレーヤーの装置の一つ。
シェルに格納されている、レコード針がつけられた装置一式のことをいいます。
ピックアップともいいます。レコード表面の音溝の振幅を読み取り、電気信号に変換する装置です。
音溝をトレースする針先(スタイラスチップ)と、針を装着したカンチレバー、発電コイル、信号出力用の接点(ピン)で構成されています。
発電方式によってMM型とMC型に分けられます。
MC型は出力電圧がMM型の1/10程度なので、MM型のイコライザアンプに接続する際には、昇圧トランスかヘッドアンプの接続を必要とします。
また、針交換が手軽にできないなど難しい面がありますが、周波数レンジが広いなどの音の良さがレコード愛好家やオーディオ愛好家に支持されています。
レコードの衰退に伴ってカートリッジの製造も縮小されましたが、このような理由からレコード愛好家向けに一部メーカーによって製造が継続されてきました。
最近のレコード復活に伴って、製造・流通の回復が期待されます。