オーディオ辞典【D】

ダイナミックレンジだいなみっくれんじ

dynamic range

入力信号の最小レベルと最大レベルの差のことをいいます。

オーディオにおいては、最小レベルは機器が発するノイズであり、最大レベルは、機器が出しうる歪みが発生しない最大値で、この差がダイナミックレンジということになります。

ちなみにアナログレコードのダイナミックレンジは、60~65dB、オープンリールは約70dB、CDは約95dBとされています。

では普及著しいハイレゾではどうかというと、24bitデジタル録音の場合は120dBを越えるダイナミックレンジも可能とされています。

人間の聴覚が持つダイナミックレンジは120dBといわれていますから、それに迫る数値を出せることになります。

D/Aコンバーターでぃーえーこんばーたー

digital to analog converter

デジタル電気信号をアナログ電気信号に変換する電子回路です。DAC(ダック)とも呼ばれます。CDプレーヤーなどのデジタル機器から出力された信号は、アンプからスピーカーに信号が送られる前のどこかの段階でアナログ信号に変換されています。マニアの方でなければ、それはプレーヤーやアンプの中のDACで行われています。ただデジタル機器の中でDA変換を行うと、回路から発生したノイズが混入することから、独立した機器としてのDACが用いられます。ここに来てハイレゾやネットワークオーディオの普及で、単体のDACが注目を浴び、多くの普及機が登場しています。パソコンをプレーヤーとして使う場合には、USB DACといった便利な機器も出ています。

DATでぃーえーてぃー/だっと

digital audio tape

音声をデジタルで記録し、再生の際はD/A変換するテープレコーダーまたはそのテープのことです。現在ではデジタル音声データとして標準化された規格のことを指します。カセットテープのような表裏両面収録はできず、片面のみの収録機能を持っています。カセットテープのように一般利用にはあまり普及しませんでしたが、高音質を求める業務用、プロ用として利用されていました。程なくしてMDが出てくると、その手軽さや価格から、主流はMDに移りました。最後まで音楽用DATテープを生産していたソニーが、2015年に製造を終了したので、今は在庫限りとなっているようです。

DSPでぃーえすぴー

digital signal processor

デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサです。マルチメディア用としては、特定の演算処理を高速に行える機能を生かして、音声などのアナログ信号から変換されたデジタル信号の処理を行っています。AVアンプなどは、使っているDSPの能力を、製品の特徴として謳っていることもあります。

DVDでぃーぶいでぃー

digital versatile disc

デジタルデータの記録媒体である第2世代光ディスクの一つです。直径はCDと同じ12㎝で、記録方式はMPEG2方式の画像圧縮技術を用い、赤色レーザーで記録します。片面一層の記録容量は4.7GBで、CDの約6倍の記録容量を持ち、VHSビデオテープ方式と同等の画質で、133分の録画が可能となるよう規格されたものです。映像媒体として広く普及していますが、Blu-ray Discの登場によって、徐々に移行が進んでいるといえます。ちなみに世界で最初に発売されたDVDは谷村新司のライブDVDだとされています。また、5.1chサラウンド方式のDVDは『インデペンデンス・デイ』が最初とされています。

デコーダーでこーだー

decoder

あるデータを、規定のプログラムに従いコード(符号)の集合に変換されることをエンコードといいますが、そのようなデータを元の状態に復元することをデコード、復元する装置やソフトをデコーダーといいます。

CDなどのデジタルの音のデータをアナログ信号に変換するD/Aコンバーターはデコーダーです。

ドルビーデジタルやdts、AACといったフォーマットには、それぞれ専用のデコーダーが使われています。

デジタルアンプでじたるあんぷ

digital amplifier

デジタルアンプとは、信号を0と1のデジタルデータとして扱い、そのパルス信号のまま増幅させるアンプのことで、デジタルアンプがスピーカーに送る際にはアナログ信号に変換しています。

対してアナログアンプでは音声信号をアナログ波のまま増幅させてスピーカーから出力させます。

各社からデジタルアンプが出ていますが、共通することは、出力段にD級アンプを使用していることです。

アナログアンプに比べ、電力効率が非常に高いため発熱が少なく、消費電力が少ないことが特長です。

ミニコンポやカーオーディオ、携帯音楽プレーヤーなどのアンプや、多チャンネルを扱うAVアンプにも使われます。

デジタルオーディオでじたるおーでぃお

digital audio

音声をデジタル信号として録音や再生、保存、伝送する方式です。

CD、DVD、Blu-rayといった記録媒体や、HDD、デジタルオーディオプレーヤー、ネットワークオーディオ、スマートフォンなどの装置はデジタルオーディオです。

録音や再生などの音響処理を多数回行う場合、レコードやテープといったアナログ方式では音質劣化が避けられませんでしたが、デジタル方式ではそれを抑えることができます。

ハイレゾの普及により、技術の進歩が著しい分野でもあります。

ドームスピーカーどーむすぴーかー

dome loudspeaker

振動板が半球(ドーム)状になったスピーカーです。

中音以上の再生に向くために、ツィーターによく使われます。

振動の仕方が、球が膨らんだり縮んだりするように動くために、音の拡散性、指向性がよいという特徴があります。金属や炭素系のハードドームや繊維素材のソフトドームなどがあり、前者はシャープでメリハリのある音、後者は柔らかくて繊細な音になるといわれます。

ドライバーどらいばー

driving unit

ホーン型スピーカーやヘッドフォン、イヤホンの音を出す部分のことです。

磁石、ボイスコイル、振動板で成り立っており、それ自体が音波を発します。

ホーン型スピーカーにおいては、ホーン自体は振動せず、音波を効率的に拡散するメガホンのような役割をします。

振動板には半球状のものが多く使われます。

ヘッドフォン、イヤホンにおいては、ドライバーはハウジングに格納されており、ドライバーの性能だけでなく、ハウジングの材質や形状が音質に影響を与えます。