オーディオ辞典【アルファベット】

ドルビーアトモスどるびーあともす

Dolby Atmos

ドルビーラボラトリーズによって開発された新しいオーディオ技術です。

従来のチャンネルベース(5.1ch,7.1ch)のミキシング方式に加え、オブジェクトベースのオーディオミキシングを組み合わせた技術です。

スピーカーの配置は、従来のサラウンドに加えて、オーバーヘッドスピーカーを設置し、5.1.2や7.1.2など、最大で34個(ホームシアターの場合)のスピーカーまで対応できると謳われています。

スピーカーの数や配置に縛られることなく、音場が再現できるとされますが、さらに頭上にスピーカーが加わることで、全方位型の自然な音響空間を実現できることが特徴とされています。

DTSのDTS:Xというオーディオ技術もオブジェクトベースで、ほぼ同じ機能を有します。

NASなす

network attached storage

ネットワークでつながれたファイルサーバーのことです。NASはファイル共有機能を備えているため、同じネットワーク内にある複数のほかの機器から同時にデータにアクセスできます。NASに保存されたデータは、ネットワークに接続されたプレーヤーやスマホなどからアクセスすることができるため、音楽サーバーとして利用したり、写真や動画を保存してネットワーク対応のテレビで再生するなど使い方は多種多様です。たとえば音楽データをiTunesで管理可能な機種もありますができない機種もあり、オフィスネットワーク向きのものもあれば、AV向きのものもあります。このようにNASに搭載される機能によってできることも変わってくるため、導入の際にはよく確認する必要があります

ネットワークオーディオねっとわーくおーでぃお

network audio system

ネットワークを介してデジタル音声データを再生する方法です。

パソコンや家庭内LANの普及に伴って急速に増加しつつあります。

ハイレゾを楽しむためのツールとして常に進化し続けている分野ですが、パソコンなどからダウンロードしたり、CDをリッピングして得られた音源をサーバーに保存し、ネットワークオーディオプレイヤーで再生するのが一般的です。

ネットワークプレーヤーの多くの製品は、PCM音源だけでなく、DSDなどにも対応するなど、幅広いファイル形式を再生できるのが特徴です。

またDLNA(Digital Living Network Alliance)という規格に準拠していて、互換性を持っています。

ノイズキャンセラーのいずきゃんせらー

noise canceler

ヘッドホンなどに使われている技術で、ノイズ(雑音)を打ち消すような音を聞かせて、雑音が聞こえないようにすることです。

人間の耳がノイズと認識する周波数の音が研究によって特定されており、ヘッドホン内部につけられたマイクが周囲の音を拾い、その音の中からノイズを割り出し、その波形と逆の波形の音波をヘッドホン内に再生させることによって、ノイズを軽減、あるいは消去する技術です。

アクティブ騒音制御を応用したものといえるでしょう。

ノイズの消去だけを狙った耳栓も商品化されています。

ノイズリダクションのいずりだくしょん

noise reduction

音声や映像の信号に含まれるノイズを除去、軽減する技術です。

信号に混入したノイズを特定し、取り除くことによって信号の改善を図る方法と、録音時に音声信号を強調するように操作し、再生時にノイズとともに元に戻すことで、ノイズを軽減する方法とがあります。

アナログテープレコーダーのヒスノイズ対策として開発が進みましたが、テレビやビデオなどの映像画質を改善する技術もノイズリダクションと呼ばれます。

バイアンプばいあんぷ

bi-amplifier

音声信号の周波数帯域ごとにアンプを割り当て、スピーカーを鳴らすことをマルチアンプ方式といいます。

信号を低音域と中高音域の二つに分け、ウーファーに1台、スコーカーやツイーターに1台アンプを割り当てる方式がバイアンプ方式です。

特徴として、ウーファーからの逆起電力が引き起こす中高音域への悪影響を回避し、音質改善が図れたり、低音域、中高音域それぞれの音域にあったアンプの選択が可能になるなどといわれています。

バイアンプ駆動をするには、スピーカーがバイワイヤリングに対応していることが必要です。

ハイレゾはいれぞ

high-resolution audio

簡単にいうと、CDより高音質な規格のことです。

JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の定義によれば、リニアPCM換算でサンプリング周波数、量子化ビット数の一方がCDスペック(44.1~48kHz, 16bit)を超えていればハイレゾリューションオーディオであると定めました。

また、日本オーディ協会は、そのような規格を再生する能力を保証する機器に、ハイレゾ推奨ロゴを付与しています。

ファイルフォーマットも指定していて、FLACやWAVなどのPCM音源の他に、DSDもハイレゾとして扱っています。

音楽配信サービスでも、ハイレゾフォーマットの配信が始まっており、ハイレゾ用機器の普及にともなって今後ますます進化していくことが期待されます。

バイワイヤリングばいわいやりんぐ

bi wiring connection

スピーカーの端子が+と-の一組しかなく、L側・R側をそれぞれ一本のケーブルでつなぐことをシングルワイヤリングといいます。

これに対して、スピーカーに二組の端子がついていて、一つのチャンネルから2本のケーブルでつなぐ方式をバイワイヤリングといいます。

アンプによってスピーカーが駆動されると、特にウーファーに大きな逆起電力が発生し、ツイーターに入ることによって、音質が悪くなるといわれています。

そこで低音部と高音部を別々につなぐことで音質の劣化を防ごうとするものです。

ハウジングはうじんぐ

housing

装置などを包んで保護するケースのことです。

転じてヘッドホンのイヤーカップにあたる部分をハウジングと呼びます。

中にはドライバーが格納されていて、材質によって耐久性やデザインはもとより、音質を左右したりもする重要なパーツです。

材質にはプラスチックやメタル、チタン、高精度ステンレスなどが使われます。

バスレフ型ばすれふがた

bass reflex

英語の bass reflex(バス レフレックス)の略称。

和訳すると「位相反転型」。

箱にダクト(ポート)を設けてスピーカー本体をヘルムホルツ共鳴器とし、その共鳴によって低音域を増強。結果、位相を反転させ、スピーカーユニット背面で駆動する形式。

小さな箱で豊かな低音を得ることが可能ですが、箱の内容積や共鳴周波数をスピーカーユニットの特性に合わせて設計する必要があり、設計が悪いと癖の強い低音になってしまうばかりか、そもそも共鳴周波数より低い周波数ではスピーカーユニット前面から出る音と打ち消し合ってしまう特徴があります。

ポートから共鳴周波数付近以外の音漏れがあったり、風切り音が出ることもあるという欠点もありますが、いま市販スピーカーに最もよく採用されている形式です。