オーディオ辞典【アルファベット】
カートリッジかーとりっじ
cartridgeレコードプレーヤーの装置の一つ。
シェルに格納されている、レコード針がつけられた装置一式のことをいいます。
ピックアップともいいます。レコード表面の音溝の振幅を読み取り、電気信号に変換する装置です。
音溝をトレースする針先(スタイラスチップ)と、針を装着したカンチレバー、発電コイル、信号出力用の接点(ピン)で構成されています。
発電方式によってMM型とMC型に分けられます。
MC型は出力電圧がMM型の1/10程度なので、MM型のイコライザアンプに接続する際には、昇圧トランスかヘッドアンプの接続を必要とします。
また、針交換が手軽にできないなど難しい面がありますが、周波数レンジが広いなどの音の良さがレコード愛好家やオーディオ愛好家に支持されています。
レコードの衰退に伴ってカートリッジの製造も縮小されましたが、このような理由からレコード愛好家向けに一部メーカーによって製造が継続されてきました。
最近のレコード復活に伴って、製造・流通の回復が期待されます。
可逆圧縮方式かぎゃくあっしゅくほうしき
lossless compressionデータ圧縮方式の一つ。圧縮前のデータと、圧縮・展開の処理を施したデータとが、等しくなる圧縮方法のことです。
データロスがないことからロスレス圧縮ともいいます。
音声圧縮形式のWindows Media Audio Lossless、Apple Lossless、FLAC、Dolby TrueHD、DTS-HDマスターオーディオなどは可逆圧縮です。
これに対し、圧縮前のデータと、圧縮・展開を経たデータとが、完全には一致しない圧縮方法を、非可逆圧縮といいます。
代表的なものとしてAAC、MP3、ATRAC、Dolby Digital、DTS Digital Surroundなどがあります。
仮想同軸型スピーカーかそうどうじくがたすぴーかー
Virtual coaxial type loudspeakerツィーターを中心にウーファーがその上下、あるいは左右に配置されているスピーカーのことです。
メーカーによっては、バーチカルツインともいいます。
特徴としては、二つのウーファーで挟むことにより、真ん中のツィーターから音が出ている、つまり一つのスピーカーから鳴っている効果が期待できる点です。
そのため音像定位がいいとされます。
トールボーイ型スピーカーや、センタースピーカーにこのタイプが多いです。
カナル型イヤホンかなるがたいやほん
canal-type earphoneイヤホンは、大きく分けてインイヤー型とカナル型があります。
インイヤー型は普及率が高く、ラジオなどに付属のイヤホンの多くはこのタイプです。
カナル型はインイヤー型に比べて、耳に深く入れて使用します。
カナルとは外耳道のこと(正確にはear canal)です。イヤチップが長くとられ、外耳道に耳栓のように入れて使用するため、外の音が侵入しにくく、小音量でも聞きやすい特徴があります。
よく聞こえるため、音量を絞ることができ、耳への負担が少ないとされています。
カラレーションかられーしょん
coloration室内で起こる音響現象の一つです。
発せられた直接音と壁などによる反射音が干渉して、音色が変化して聞こえる現象です。中・高音域で多重反射が起きている室内などで発生しやすい。
エコーやブーミング、残響過多などと並んで、ホールの音響設計をする際に注意が必要な現象とされます。
グラフィックイコライザーぐらふぃっくいこらいざー
graphic equalizer特定の周波数帯の音量を上げたり下げたりして、希望する音に補正できる機材です。
複数の周波数帯に割り当てられた音をフェーダーなどで操作することによって、スピーカーの持つ周波数特性を補正します。
音の特徴を視覚的にも判断できることから、この名称がついたといわれています。
補正したい音がどの周波数帯のものかを知らないと適正に補正できませんので、使いこなすには熟練を要しますが、感覚的に操作ができるという面も持っています。
コーンスピーカーこーんすぴーかー
cone loudspeaker振動板の形状が円錐状(コーン型)をしているスピーカーのことです。
スピーカーの振動板としてコーン紙は軽量であることから、また成形がしやすいといった特徴を持ちます。
コーンの形状や大きさにバリエーションをもたせやすいこともあり、最もポピュラーで、高音用から低音用まで幅広く使われています。
特に口径の大きなウーファーはほとんどこのタイプです。
振動板のタイプはこの他にドーム型、ホーン型、平板(面)型などがあります。
コンデンサースピーカーこんでんさーすぴーかー
condenser loudspeaker静電形スピーカーともいいます。
金属蒸着したプラスチックフィルムを振動板として使い、高電圧をかけて信号を流すとフィルムが振動する仕組みです。
ダイナミック型のような磁石を用いて振動をさせるタイプではありません。
特徴は振動板全面にわたり、均一な駆動力で全帯域駆動できることで、繊細な音の再現に優れるとされます。
また、奥行きが薄い形状をとることができます。
振幅の幅が限られるため、大型化には向かないといった事情があり、おもに高音用スピーカーとして用いられています。
サランネットさらんねっと
saran netスピーカーユニットの保護を目的につけられている保護カバーのことです。
多くは布でできていて、ホコリや傷などから守っています。聞く際にサランネットを外した方がいいのかどうかは、個人の好みといえますが、
メーカーによっては装着する前提で音を設計している場合もあります。
余談ですが、建築用語にもサランネットがあり、網戸やエアコンなどの防塵用フィルターなどに使われていますが、そのサランは商標名だそうです(Saran)。
ポリ塩化ビニリデン系繊維の名称をサランというようです。
スーパーツィーターすーぱーつぃーたー
super tweeter超高音域の再生を目的とした専用スピーカーのことです。
製品によりますが、およそ10kHz~200kHz程度までの帯域を再生できます。
スピーカーシステムにおいて、高音域はツィーターが受け持ちますが、20kHz以上の超高音域を再生するスピーカーをスーパーツィーターと呼んで区別しています。
いわゆるハイレゾ音源の普及や、超高音域がカットされていないレコードの見直しに伴って、これらに含まれる超高音域を再生できるスーパーツィーターがクローズアップされてきているのでしょう。