オーディオ辞典【A】

アクティブスピーカーあくてぃぶすぴーかー

active loudspeaker

スピーカーのエンクロージャー内部にアンプを内蔵し、電源によって駆動させるスピーカーのことです。

パワードスピーカーともいいます。

AVシステムに組み込まれることの多いサブウーファーは、ほとんどがこのタイプです。パソコンやスマホ、デジタルオーディオプレイヤーに保存された音源を外部スピーカーで聞く場合に、アンプがなくても手軽に聞くことができるので、スピーカーの種類が増えています。

またワイヤレスで信号を送ることが可能なので、配線が減るなど、居住性の面でも利用価値があります。外部のアンプによって駆動されるスピーカーは、パッシブスピーカーといいます。

アクティブ制御あくてぃぶせいぎょ

active control

ある現象に対して、積極的に操作を加えることで現象を制御することです。

音響面においては、外部からエネルギーを加え、波動現象を起こして音や振動を制御する方法のことをいいます。

おもに騒音となる音や不快な振動に、逆位相の音や振動をぶつけることによって、減少あるいは消滅する原理を応用しています。

デジタル信号処理に関わる技術の進歩によって、解析と問題解決方法が確立してきました。

現在、自動車の車内騒音や家電製品の騒音軽減などに、アクティブ制御技術が使われています。

アクティブ騒音制御あくてぃぶそうおんせいぎょ

active noise control

アクティブ制御の原理を応用することによって、騒音などの低減を図ることです。

低減させたい騒音に対して、スピーカーなどの2次音源から逆位相の打ち消し音を発生させ、騒音を制御する方法です。

ダクト内の騒音制御やイヤホンやヘッドホンのノイズキャンセラー機能、家電製品の騒音軽減、自動車内のエンジン音や走行音の低減などに利用されています。

自動車では、逆位相の音源だけではなく、心地よい音源(不快でないエンジン音など)を積極的に発生させる方法も利用されています。

吸音材などを利用して、騒音を減少させることをパッシブ制御といいますが、実際にはアクティブ騒音制御とパッシブ騒音制御を組み合わせて使われることが多いようです。

アッテネーターあってねーたー

attenuator

信号を適切なレベルに減衰させる装置で、減衰器ともいいます。

マルチチャンネル方式のスピーカーでは、ツィーター、スコーカー、ウーファーなど各帯域のスピーカーに能率の違いが生じます。そのバランスを取るための減衰装置です。

能率の高いツィーターやスコーカーのレベルを減衰させて使うことが多いです。

減衰量の単位は、おおむねデシベル(dB)を用います。

アルニコスピーカーあるにこすぴーかー

alnico loudspeaker

スピーカーの磁気回路に使用されるマグネットに、アルニコ磁石を使用したスピーカーです。

アルニコ磁石(Al-Ni-Co)は、鉄にアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などの原料を加えて鋳造された磁石(鋳造磁石)です。

ちなみにアルニコ磁石は、エレクトリック・ギターのマグネティック・ピックアップにも広く利用されています。

磁束密度が高く強い磁力を持つなどの特性があり、高級スピーカーに使われることが多いです。

1960年代に起こったコンゴ動乱の影響によって、原材料のコバルトが高騰したため、アルニコ磁石からフェライト磁石などに移行していきました。アルニコ磁石とフェライト磁石には特性の違いがありますが、基本的に音質の優劣はないとされます。

アングルド・イヤチップ構造あんぐるど・いやちっぷこうぞう

angled ear tips structure

イヤホンの構造の一つです。

イヤチップが、ハウジングに対して斜めのアングルでつくられているイヤホンのことをいいます。

イヤチップが耳穴の奥深くまでしっかりと挿入できるため、装着感を損なうことなく確実にフィットするというメリットがあります。

AACえーえーしー

advanced audio coding

デジタル音声圧縮を行う音声符号化規格で、MPEG‐2オーディオ規格の一方式です。MP3の後継フォーマットとしてつくられ、一般的に同程度のビットレートであればMP3より高音質を実現しています。AACはYouTube、iPhone、iPod、iPad、Nintendo DSi、Nintendo 3DS、iTunes、DivX Plus Web Player、PlayStation3、ノキアのSeries40携帯電話における既定もしくは標準の音声フォーマットです。BSデジタル放送にも採用されています。

A級アンプえーきゅーあんぷ

class A amplifier

アンプなどの増幅回路の素子の動作点によってA級、B級、C級と級分けされます。増幅素子の入力と出力の関係(増幅特性)は、図にするとゆるいS字を描きますが、比例関係にある直線的な部分は動作が安定します。この直線部分に動作点を置き、入力と相似の出力が得られるようにバイアス電圧・電流を与える方式をA級と呼んでいます。歪みの少ない高品位な音が得られる反面、常に電流が流れているので、電力を消費し、発熱も多くなります。そこでより効率化を求めてつくられたのがB級です。特性の曲がり際に動作点を置く形式です。二つの増幅素子を交互に使うため、切り替わるクロスオーバーポイントができ、音質がA級に比べ落ちるといわれています。これらの特徴のよい点を生かしたのがAB級です。現在普及しているアンプのほとんどがAB級です。

エージングえーじんぐ

aging

購入したばかりの機器や長時間使用していなかった機器をある程度の時間使用し、良い状態で駆動できるように馴染ませることをこう呼びます。

たとえばスピーカーを実際に使用すると振動により部品の位置が多少ずれ、最初に聞いたときと微妙に音が変わるなどエージングの効果については諸説あり、好ましい音がより好ましくなったという話を聞くことはありますが、エージングを行ったからといってスピーカーの音質が必ずしも自分好みに変わるということではありません。

A2DPえーつーでぃーぴー

advanced audio distribution profile

Bluetoothプロファイルの一つです。ステレオの音声データを、プレーヤーとヘッドフォンとの間でストリーミング配信するための手順や、使用する他のBluetoothプロファイル・Bluetoothプロトコルなどが定義されています。A2DPは非同期チャンネルであるACL上でストリーミングをする手法が規定されていて、効率的、高音質という特徴があります。対応するフォーマットはSBC(Sub Band Codec – A2DPを実装する機器では、このフォーマットへの対応が必須です)、MPEG-1オーディオ、AAC(MPEG-2/4 AAC)、ATRAC。