アルファベット

A級アンプ / A2DP / AAC / AVRCP / Bluetooth / Blu-ray Disc / D/Aコンバーター / DAT / DSP / DVD / HDMI / LPレコード / NFC / MC型 / MD / MDF / MM型 / MPEG / MP3 / NAS / OFCケーブル / PCM / RCA端子 / SACD / S/N比 / SBC / USB

 

A級アンプ:えーきゅーあんぷ:class A amplifier

アンプなどの増幅回路の素子の動作点によってA級、B級、C級と級分けされます。増幅素子の入力と出力の関係(増幅特性)は、図にするとゆるいS字を描きますが、比例関係にある直線的な部分は動作が安定します。この直線部分に動作点を置き、入力と相似の出力が得られるようにバイアス電圧・電流を与える方式をA級と呼んでいます。歪みの少ない高品位な音が得られる反面、常に電流が流れているので、電力を消費し、発熱も多くなります。そこでより効率化を求めてつくられたのがB級です。特性の曲がり際に動作点を置く形式です。二つの増幅素子を交互に使うため、切り替わるクロスオーバーポイントができ、音質がA級に比べ落ちるといわれています。これらの特徴のよい点を生かしたのがAB級です。現在普及しているアンプのほとんどがAB級です。

 

A2DP:えーつーでぃーぴー:advanced audio distribution profil

Bluetoothプロファイルの一つです。ステレオの音声データを、プレーヤーとヘッドフォンとの間でストリーミング配信するための手順や、使用する他のBluetoothプロファイル・Bluetoothプロトコルなどが定義されています。A2DPは非同期チャンネルであるACL上でストリーミングをする手法が規定されていて、効率的、高音質という特徴があります。対応するフォーマットはSBC(Sub Band Codec – A2DPを実装する機器では、このフォーマットへの対応が必須です)、MPEG-1オーディオ、AAC(MPEG-2/4 AAC)、ATRAC。

 

AAC:えーえーしー:advanced audio coding

デジタル音声圧縮を行う音声符号化規格で、MPEG‐2オーディオ規格の一方式です。MP3の後継フォーマットとしてつくられ、一般的に同程度のビットレートであればMP3より高音質を実現しています。AACはYouTube、iPhone、iPod、iPad、Nintendo DSi、Nintendo 3DS、iTunes、DivX Plus Web Player、PlayStation3、ノキアのSeries40携帯電話における既定もしくは標準の音声フォーマットです。BSデジタル放送にも採用されています。

 

AVRCP:えーぶいあーるしーぴー:audio/video remote control profile

Bluetoothプロファイルの一つです。AV機器のリモコンによるコントロールに必要なプロファイルで、デジタルオーディオプレイヤーとリモコンの間などで用いられています。これによってヘッドセットからプレーヤーに曲選択や再生の指令を送ったりすることができます。

 

Bluetooth:ぶるーとぅーす

デジタル機器用の近距離無線通信規格の一つです。半径数メートルから100メートル程度の距離のBluetooth搭載機器間で、電波を使い簡易な情報のやりとりを行うのに使用されます。2.4GHz帯を使用して、PC等のマウスやキーボードとの接続をはじめ、携帯電話、スマホ、タブレットでの文字情報や音声情報、ヘッドセットなど比較的低速度のデジタル情報の無線通信を行う用途に採用されています。デジタルオーディオ分野での採用も多く、デジタルオーディオプレーヤーや、アンプ、スピーカーなどに採用され、配線フリーな自由度が重宝されています。Bluetooth接続には、同じプロファイルを持たないと接続できません。おもなプロファイルを上げると、HID(Human Interface Device Profile、マウス・キーボード用)、HSP(Headset Profile、通話用)、HFP(Hands-Free Profile、通話用)、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile、音楽用)、AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile、音楽用)などがあります。

 

Blu-ray Disc:ぶるーれいでぃすく

新規格でつくられた第3世代光ディスクです。ディスクの大きさはCDやDVDと同じ12㎝ながら、青紫色レーザーで記録し単層で25GB、2層で50GBの記録容量を実現しています。これはDVDの約5倍にあたります。さらに大容量のディスクが規格化され、高画質な映像コンテンツが楽しめるようになりました。また、保護層が0.1mmと薄く、書き込み・読み出しエラーが少ないことです。BD規格はCD規格やDVD規格とは互換性がないが、現行のCDやDVDも使用できる製品として商品化が進められたため、多くのBlu-ray Disc対応機器でCDやDVDも扱うことができます。また、ファイルフォーマットはUDF 2.50以降を採用しており、DVD書込み時に必要なファイナライズ処理が不要であるという利点もあります。。

 

D/Aコンバーター:でぃーえーこんばーたー:digital to analog converter

デジタル電気信号をアナログ電気信号に変換する電子回路です。DAC(ダック)とも呼ばれます。CDプレーヤーなどのデジタル機器から出力された信号は、アンプからスピーカーに信号が送られる前のどこかの段階でアナログ信号に変換されています。マニアの方でなければ、それはプレーヤーやアンプの中のDACで行われています。ただデジタル機器の中でDA変換を行うと、回路から発生したノイズが混入することから、独立した機器としてのDACが用いられます。ここに来てハイレゾやネットワークオーディオの普及で、単体のDACが注目を浴び、多くの普及機が登場しています。パソコンをプレーヤーとして使う場合には、USB DACといった便利な機器も出ています。

 

DAT:でぃーえーてぃー:digital audio tape

音声をデジタルで記録し、再生の際はD/A変換するテープレコーダーまたはそのテープのことです。現在ではデジタル音声データとして標準化された規格のことを指します。カセットテープのような表裏両面収録はできず、片面のみの収録機能を持っています。カセットテープのように一般利用にはあまり普及しませんでしたが、高音質を求める業務用、プロ用として利用されていました。程なくしてMDが出てくると、その手軽さや価格から、主流はMDに移りました。最後まで音楽用DATテープを生産していたソニーが、2015年に製造を終了したので、今は在庫限りとなっているようです。

 

DSP:でぃーえすぴー:digital signal processor

デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサです。マルチメディア用としては、特定の演算処理を高速に行える機能を生かして、音声などのアナログ信号から変換されたデジタル信号の処理を行っています。AVアンプなどは、使っているDSPの能力を、製品の特徴として謳っていることもあります。

 

PDVD:でぃーぶいでぃー:digital versatile disc

デジタルデータの記録媒体である第2世代光ディスクの一つです。直径はCDと同じ12㎝で、記録方式はMPEG2方式の画像圧縮技術を用い、赤色レーザーで記録します。片面一層の記録容量は4.7GBで、CDの約6倍の記録容量を持ち、VHSビデオテープ方式と同等の画質で、133分の録画が可能となるよう規格されたものです。映像媒体として広く普及していますが、Blu-ray Discの登場によって、徐々に移行が進んでいるといえます。ちなみに世界で最初に発売されたDVDは谷村新司のライブDVDだとされています。また、5.1chサラウンド方式のDVDは『インデペンデンス・デイ』が最初とされています。

 

HDMI:えいちでぃーえむあい:high-definition multimedia interface

ディスプレイとパソコン、ゲーム機、オーディオ機器を接続する規格の一つです。2002年12月に策定され、デジタル映像・音声の入出力インターフェースとして使用されています。HDMIは非圧縮デジタル形式の音声と映像を伝送し、D/Aコンバーターなどが不要のため、音質、画質とも理論上は伝送中の劣化はないとされます。映像・音声・制御信号の伝送が一本のケーブルで行えるため、配線が簡略化できます。現在主流の接続規格となっており、機器の中にはHDMI端子しか持たない機種も出始めています。

 

LPレコード:えるぴーれこーど:long playing record

1948年にCBSコロムビア社から最初に発売されたレコード盤。直径12インチ(30cm) 、毎分33 1/3回転で、収録時間23分という長時間再生を実現したものです。それ以前のSPレコードが毎分78回転で収録時間が4.5分であったことを考えると、大きな進化でした。材質も塩化ビニールになって軽く、柔軟性のあるものになり、特にクラシック音楽では、演奏者、ファンから支持を集めたといわれています。その後、CDの普及によって大きく衰退しましたが、アナログレコードの音質面での評価は根強く、最近は新譜のアナログレコードが継続的に発売されるまでになっています。

 

NFC:えぬえふしー:Near Field Communication

最近注目を集めている近距離無線通信技術のことです。非接触通信とも呼ばれ、機器の双方がNFC対応であれば機器をかざすだけで認証が可能で、Wi-FiやBluetoothのように無線通信ができます。ただしNFCはWi-FiやBluetoothより通信速度が遅く、通信距離も短いので、小さなデータのやりとりに向いています。そのかわり接続設定が簡単になっています。また、NFCとWi-FiまたはBluetoothを組み合わせた通信技術も製品化されています。「お財布携帯」に使用されている技術と混同されがちですが、現在のところ日本の電子マネー規格はほとんどが日本独自の規格であるFelicaを採用しており、NFCはゲーム機やパソコンにカメラのデータを転送する技術などに使われているようです。

 

MC型:えむしーがた:moving coil pickup

カートリッジ内部に差し込まれたカンチレバー後端部分にコイルが取り付けられたタイプです。コイルの周囲に配置された永久磁石が磁力を出し、磁界中でコイルが振動することにより、コイルに発生する起電力を再生出力とします。振動系が軽く設計でき、強力な磁石を用いることができるので、レスポンスがよく周波数レンジもワイドなことが特徴です。ただし出力が低いので、昇圧トランスかヘッドアンプが必要になります。中~高級品クラスに多く使われる形式です。

 

MD:えむでぃー:minidisc

デジタル式の光学ディスク記録方式および媒体です。ソニーが1992年にカセットテープに変わる製品として発表されました。直径64mmのディスクがカートリッジに封入された構造になっています。MDは、録音後に編集できたりと便利な面もありましたが、データを圧縮処理するため、CDと比べて音質や情報量が劣るとされました。2011年頃には各社がプレーヤーなどの製造から撤退して現在に至っています。

 

MDF:えむでぃーえふ:medium density fiberboard

木質繊維を原料とする成型板ファイバーボードの一種で、中密度繊維板を略した呼称です。木材を粉状にまで粉砕し、接着剤を混ぜて圧縮成形します。家具類や建材に多く使われますが、オーディオではスピーカーのエンクロージャーに使われます。軽くて加工がしやすく、木材のような反りや乾燥割れがないなどの特徴があります。

 

MM型:えむえむがた:moving magnet pickup

カートリッジ内部に差し込まれたカンチレバー後端部分に永久磁石が取り付けられたタイプです。この永久磁石が振動することにより、ポールピースに巻かれたコイルに起電力が発生。この起電力を再生出力とする方式です。フォノ端子があるアンプなら、プレーヤーと接続するだけで使えます。構造がシンプルで、出力が高く、針交換も簡単にできるので、入門から普及型に広く使われています。

 

MPEG:えむぺぐ:moving picture experts group

動画や音声を圧縮する規格です。ISO標準化機構の「ビデオとオーディオに対して符号を付与する基準」を策定するワーキンググループの名称で、このグループにより標準化された規格をMPEGと呼びます。動画のコマ間の差分を記録するデータ圧縮方式を採用しています。ビデオCDなどに使われるMPEG-1、高い通信速度で高画質なため、DVDや放送メディアに使用されるMPEG-2、通信速度の低い回線を使った低画質、高圧縮率の映像配信を目的とし、ネットワーク配信や携帯端末向けのMPEG-4などがあります。

 

MP3:えむぴーすりー:MPEG-1 Audio Layer-3

音声データをデジタル技術で圧縮してつくられる音声ファイルフォーマット、あるいはその圧縮技術の規格を指します。映像圧縮規格であるMPEG-1の、オーディオ規格として開発されました。非可逆圧縮です。音楽をCDなどからパソコンのハードディスクドライブに取り込むのに便利で、広く普及しました。しかし、現在はMP3より高音質で高圧縮な規格であるAAC、WMA、可逆圧縮のFLAC、ALACなどが開発され、ハイレゾが楽しめる規格として広まりつつあることからMP3の利用は減っています。

 

NAS:なす:network attached storage

ネットワークでつながれたファイルサーバーのことです。NASはファイル共有機能を備えているため、同じネットワーク内にある複数のほかの機器から同時にデータにアクセスできます。NASに保存されたデータは、ネットワークに接続されたプレーヤーやスマホなどからアクセスすることができるため、音楽サーバーとして利用したり、写真や動画を保存してネットワーク対応のテレビで再生するなど使い方は多種多様です。たとえば音楽データをiTunesで管理可能な機種もありますができない機種もあり、オフィスネットワーク向きのものもあれば、AV向きのものもあります。このようにNASに搭載される機能によってできることも変わってくるため、導入の際にはよく確認する必要があります。

OFCケーブル:おーえふしーけーぶる:oxygen free copper cable

OFCは無酸素銅のことで、ケーブルに使われる導線の銅の純度を示したものです。オーディオケーブルでは、酸化物などの不純物を除去し、99.9%以上の高純度銅を使用したものを呼んでいます。一般的に使われているTPCケーブルに比べると、信号の伝送ロスや、歪みを抑えることができるといわれています。さらに高純度なものでは、おもに99.99995%(6N)以上の高価な無酸素銅でつくられたハイクラス無酸素銅ケーブルもあります。

 

PCM:ぴーしーえむ:pulse code modulation

PCMはパルス符号変調の略。音声や映像などのアナログ信号を、パルスの列に置き換えてデジタル信号にする方式の一つです。アナログ信号の音を一定時間ごとにサンプリングし、振幅の大きさを量子化してデジタル信号化したものです。サンプリング周波数(単位kHz)、量子化ビット数(単位bits)で表され、数値が大きいほど音質に優れています。PCMを再生する装置をPCM音源と呼びます。音楽CDやDVD、WAVファイルなどで利用されています。

 

RCA端子:あーるしーえーたんし:RCA connector

電気信号をやりとりする端子の一つで、アナログ音声やコンポジット映像などの伝送に使われています。名称は、アメリカの大手家電メーカーRCAが、電気蓄音機などの接続用に開発したことに由来しています。ステレオの登場以来、複数の端子が容易に区別できるように、コンシューマー・エレクトロニクス・アソシエーション (CEA) によって、端子の色分けが規格化されています。RCA端子を使ったケーブルをRCAケーブルと呼びます。

 

SACD:えすえーしーでぃー:super audio CD

1999年にソニーとフィリップスにより規格化された、次世代CD規格の一つです。CDと同じ120mmサイズの光ディスクながら、1層あたりの容量は4.7GBで、CDの約7倍の容量を持っています。音声信号のデジタル化にはDSD(Direct Stream Digital)フォーマットを採用し、原音に近い音の再生を実現したといわれています。また、5.1chまでをサポートするため、ホールなどの立体的な音を臨場感をもって再生できることから、発売されるソフトはクラシックやジャズなど、音質を重視する分野に多いようです。

 

S/N比:えすえぬひ:signal to noise ratio

S(シグナル、信号)とN(ノイズ、雑音)の比率のことです。音響機器で、元の信号に対して、信号を入・出力されたことによって混入する雑音の比率dBという単位で表したものです。数値が大きいほど雑音が少ないことを表しますが、計測方法や状況などの条件が一緒とは限らず、一つの目安だといわれています。

 

SBC:えすびーしー:sub band codec

BluetoothのプロファイルであるA2DPの標準コーデックです。アナログ信号をデジタル符号化するための技術で、おもにオーディオ信号の符号化に利用されます。複数のフィルターを使って、入力信号を複数の周波数帯に分解し、それぞれのサブバンドの信号について別個に量子化と符号化を行いますが、人間の聴覚心理学上の特性を利用し、帯域ごとのビット配分を決めるという手法が取られるのが特徴です。

 

USB:ゆーえすびー:universal serial bus

コンピュータ等の情報機器に周辺機器を接続し、データ通信を行うためのシリアルバス規格の一つです。USBのプラグアンドプレイに対応しており、機器を接続するだけでOSが自動的に認識して利用できます。基本的にはパソコンなどに用意されているUSBポートの数だけ対応する機器を接続可能で、USBハブを介せばもっと多くの機器を接続することが可能です。接続される周辺機器の駆動用の電源を、USBケーブルで供給するバスパワード(バスパワー)による駆動にも対応しているので、スマートフォンやタブレット、デジタルオーディオプレーヤー、スピーカー、ヘッドホンなどの携帯機器用の駆動・充電用ケーブルとして利用もされています。また、プラグの種類も多くType-AからC、Mini-AからB、Micro-AからBなど、使用する機器によって異なるのも特徴です。ただし、ケーブルによってはデータ転送のみで給電不可(または給電能力が低い)といったものも存在するので、見た目が同じだからといって、全く同じ使い方ができるとは限りません。