DYNAUDIO（ディナウディオ）の歴史と特徴

「ディナウディオ」という名を聞いたことがない人でも、非常に高い確率でディナウディオ製スピーカーユニットの音には触れていると思われます。というのも、ディナウディオは数多くのスピーカーメーカーにユニットを供給するサプライヤーとして、長い実績を誇っているからです。

ディナウディオは1977年、デンマークに設立されます。ホームユースと業務用スピーカーシステムを中心に、OEM供給やスピーカーのキットなど、幅広いジャンルの製品を展開しています。驚くべきは、全製品の主要部材をすべて自社生産している点です。

共同設立者の一人であり現オーナー「ヴィルフリート・エーレンホルツ」はこんな言葉を発しています。

「本当に優れたスピーカーを作る唯一の方法は独自の自社製のドライバー・ユニットを開発することだということが技術的な背景からわかっていた」

エーレンホルツの言うように、ディナウディオはOEM供給しつつ、しかし供給するユニットよりもはるかに先を行くアイデアを持っていたため、自己完結型スピーカーブランドとして、自社ブランドが確立できている世界で稀な企業です。

「スピーカー・メーカーはたくさんありますが、ユニットが供給できるところはわずかですし、クオリティ・エンドとなるとさらに数えるほどしかありません」とのエーレンホルツの言葉には、ハイレベルな自社技術に対する誇りを感じます。

一方で、1994年からは、ディナウディオはカーオーディオ用スピーカーの販売に着手。現在では、年間売り上げの25%を占めるほどにまで成長しています。
さらに、プロフェッショナル・オーディオ市場向けには、「Dynaudio Acoustics （ディナウディオ・アコースティックス）」という子会社を設立。録音スタジオ用のモニターなどの製品開発および販売に取り組み、2004年には、ディナウディオ・アコースティックスのスピーカーがBBCのスタジオの新たなモニター・レファレンス・スピーカーに採用されました。

量感のある低音と、それでいて聴き疲れしないまろやかでフラットな音が特徴である。