メーカー別オーディオ買取事例
AKAI
AKAI(アカイ)の歴史と特徴
AKAI(アカイ)は、かつて存在した音響・映像機器メーカー「赤井電機株式会社」が展開したブランドで、会社は1946年、赤井三郎によって設立されます。
しかし、当初の社長は三郎の養父、赤井舛吉。舛吉は赤井プレス工業という会社を経営しており、三郎は名目上の社長を養父に依頼します。そして、自身は自宅の裏庭に建てた小屋を作業場として、主にラジオの部品や電機部品、ソケットの製造を行います。
小型モーターを得意とし、1954年に日本企業として初めてテープレコーダーの開発に成功。その後、オープン・リール・デッキやカセット・テープ・デッキ等を主軸として、総合電機メーカーとして成長します。東証2部・1部と上場し、海外でも高級オーディオの名門として、米国では「Roberts」、西欧では「TensaiAKAI」の名で知られるようになります。
当時の主要な製品は、オープンリール・デッキの「GX-747」「GX-77」、テープ・デッキの「GX-90」「GX-F91」「GX-F95」「GX-R99」など。そして1978年には、「オートリバース」と「クィックリバース」を採用した世界初のカセットデッキ「GXC-735D」を発表し、オーディオ業界に衝撃を与えます。
しかし1980年代に入ると、CDに代表されるデジタル化が進み、テープ・デッキを主力製品としていた赤井電機はデジタルオーディオへの対応が遅れ、経営悪化に陥ります。
一方、1984年に電子楽器市場への参入を果たした新ブランド「AKAI professional」は、サンプラー製品の低価格化で大成功を収め、同ブランドは電子楽器市場でプロ・ミュージシャンからアマチュアにまで幅広く浸透します。特に1988年発売の「S1000」は、多数のサンプル・ライブラリが サードパーティから供給され、そのデータ・フォーマットは事実上の標準として他のサンプラー製品も対応するようになりました。
しかしAKAIもAKAI professionalも、21世紀の時代には対応しきれず、現在はその名は残っているものの、企業は解体され現存していません。