音楽好きのための「終活」白書
日本人の9割が「好き」と答える音楽。この記事は、そんな音楽好きの方に是非ご一読いただきたい終活白書です。
終活とは。
音楽好きのための終活とは。
そして、老前整理や生前整理、遺品整理、断捨離とは。
終活が気になりだした音楽好きの方全員に、この記事を捧げます。
目次
1.今さら人に聞けない?「終活」とは
1-1.終活の意味・由来
1-2.終活が広まった社会的背景
1-3.終活の意義
2.混同しがちな「老前整理」「生前整理」「遺品整理」
2-1.老前整理
2-2.生前整理
2-3.遺品整理
3.断捨離とは
4.終活を始めようかお悩みの方へ
4-1.「終活」に対する他の人の考え方
4-2.終活の進め方
5.まとめ
1.今さら人に聞けない?「終活」とは
1-1.終活の意味・由来
「終活」とは、「人生の〈終わり〉に向けた〈活動〉」の略語です。自分の死と向き合い、最後まで自分らしい人生を送るための準備を意味します。
「終活」は21世紀に誕生した造語ですが、今ではNHKでも使用するほど日本語として馴染んでいます。生みの親は週刊誌「週刊朝日」の元副編集長・佐々木広人。それまでは、死後の話題は縁起でもないとタブー視され、家族間でも相談することすらはばかられていましたが、2010年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、2012年の新語・流行語大賞でトップテンに選出されると、世間一般にも広く周知されるようになります。そして、それまでは、死後に向けた取り組みは敬遠されがちなな話題でしたが、今では「人生の終焉について考えることによって、今をより良く生きるための活動」として前向きな意味・活動になりつつあります。
1-2.終活が広まった社会的背景
終活が社会の大きな潮流となった背景には、2つの理由が考えられます。
1つは、「死の個人化」です。
近代以降、社会ではあらゆるものが個人化される傾向にあります。「死」も例外ではありません。
以前は、「死」は「家のこと」であり、「地域のこと」でした。しかし、核家族化の進行や単身世帯の増加、近隣住民や親戚付き合いの希薄化などにより、「死の個人化」が加速。イギリスの元首相サッチャーも「もはや社会はない」と発言しましたが、日本においても社会の消失感は否めず、「無縁社会」の到来が危ぶまれています。
その結果、多くの人が「自分の死により周囲の人や家族に迷惑をかけたくない」と考えるようになり、「自ら死後について考え、準備しておく」という考え方が広く浸透し始めました。
もう一つは、「老後の不安」です。
2019年6月に話題となった金融庁金融審議会の「老後に2千万円が必要」とする報告書をめぐる一連の騒動などに象徴されるように、日本人の平均寿命が年々延びていることも関係し、老後に対する不安は日に日に強まっています。そのため、老後をどのように暮らすかという人生設計は誰にとっても不可欠なものとなる一方で、「どのような死を迎え、どのように老後の不安を解消し、どのように有限の人生を前向きに生きるか」というポジティブ思考についても、現代のスタンダードとなりました。
これは単身者に限らず、誰にとっても同じです。そのため、日本では家族や他人に迷惑をかけないような準備をしておきたいと考える流れがごく自然的に定着しました。なるべく不要なものを減らし、世界つしやすい環境に整えるための整理をする。終活のもう一つの側面です。
このように「死の個別化」と「老後の不安」により、終活は日本の標準的な行動様式となりました。
1-3.終活の意義
終活の由来や広まりからもわかる通り、終活の最大の意義は二つあります。一つが、「自分らしく生きて、自分らしい死を迎える」こと。もう一つが、「自分の死後、家族や他人に迷惑をかけないための準備」です。
1-3-1.自分らしく生きる
自分らしく生きるとは、自分が大切にしたいものを大切にして生きることです。
大切にしたいものとは価値観であって、価値観とは自分自身を表すものです。それを大切にしないと自分らしくなくなる。反対に、それを大切にすれば自分らしくあれる。そういったものを大切にして生きることが、自分らしく生きることです。
たとえば、音楽が好きな方であれば、音楽という価値観を大切にすることが「自分らしく生きる」ことです。音楽を大切にすればするほど、きっと自分らしい人生になることでしょう。
レコード、CD、スピーカーやアンプなどのオーディオ。
あるいは、音楽を楽しむ時間。
自分が大切にしたい音楽を大切にする。
それが自分らしく生きることです。
1-3-2.迷惑をかけないための準備
楽天インサイト株式会社の調べによると、終活をする理由の7割以上が「家族に迷惑をかけたくないから」というものです。インターネット調査会社のマクロミルの調査でも、やはり終活する理由の7割以上が「家族に迷惑をかけたくないから」となっていますから、多くの人が家族に迷惑をかけたくないと思い、終活に関心を抱いているようです。
ところで、その「迷惑」に当たるのは、多くの場合、お墓や葬儀の話です。お墓参りは子供達の負担になる。葬儀のことで頭を悩ませたくない。そうした負担が「迷惑」だと感じる人が多数のようです。
しかし、遺品整理の大変さも忘れてはいけません。実は、遺品整理は遺族にとって非常に難しい問題です。
この遺品は、故人にとってどのようなものなのだろう。
これは、捨ててもよいものなのだろうか。
当然ですが、遺品を一律ゴミとして処分するのは気が引けます。かと言って、故人が何を大切にしていたかは、遺族にはわからないケースがほとんどです。
遺品整理は決して簡単ではありません。ですから、遺品整理の負担を少しでも軽減できることは、終活のとても大きな意義となります。例えば、ご自身ののレコードやCD、あるいはスピーカーやアンプなどのオーディオ。それらをあなたはどうしたいですか。あなたが好きだった曲のレコードやCDは、遺族はなかなか捨てることができないでしょう。また、オーディオに関しては、高価な物品にも関わらず、意外とその価値を知らない人が多い傾向にあります。
そもそも、あなたの大切な音楽を、遺族が軽々しく捨てることなど絶対にできません。
だからこそ、家族に迷惑をかけたくないと思う音楽が好きな方は、必ず終活に取り組むべきでしょう。
2.混同しがちな「老前整理」「生前整理」「遺品整理」
終活の話題になると様々な整理を耳にしますが、それらは大きく3つに分類できます。「老前整理」「生前整理」「遺品整理」の3つです。
「老前整理」は、人生の節目を迎えた時に頭とモノを整理することです。
「生前整理」は、自分の死後に残された家族が苦労しないように、財産や持ち物を整理しておくことです。
「遺品整理」は、本人が亡くなった後に家族や親族が遺品を整理することです。
では、それぞれについて詳しく確認してみようと思います。
2-1.老前整理
2-1-1.老前整理とは
「老前整理」は、株式会社くらしかるの商標登録です。提唱者は、株式会社くらしかるの代表・坂岡洋子。長年、インテリアコーディネーターとして住まいや生活家電のデザインに携わり、バリアフリーの必要性を感じてケアマネージャーの資格を取得。その後、在宅介護の現場ではモノが多すぎることを実感し、人生の節目を迎えた時に頭とモノを整理すること提唱。それが「老前整理」の由来です。整理は気力・体力・判断力のある老いる前に行うべき。その発想から生まれたのが「老前整理」です。
よく似た言葉「生前整理」との違いですが、「生前整理」は自分の死後を考えての行動であるのに対し、「老前整理」は自分の老後を考えての行動です。それまでの自分の人生を整理し、身軽になってその後の人生をより良くしよう。一言で言えば、老前整理は未来志向的整理です。ですから、老前整理には自分の中の頭が整理でき、セカンドライフに備えることができるというメリットがあります。
長生きすればするほど、モノは増えます。そして、その蓄積したモノを整理しようとすると、想像以上に多くの時間を必要とします。また、多くのモノを整理するには、記憶が明瞭でなければできません。どれが大切なものかわからなくなっては、整理など到底難しいからです。もちろん、加齢により整理しようとする気力の低下も考えられます。
だからこそ、自分がこれまで蓄積してきた多くのモノと向き合い、処分をしていこう。 そして、これから先の人生では何を残し、何をすべきかを整理しよう。
それが「老前整理」です。
音楽好きなら、おそらく多くのレコードやCDを持っていることでしょう。しかし、それらの全ては本当に残して起きたいものでしょうか。あるいは、今の自分にとっては非常に大切なスピーカーだけど、年老いた後に適切な処理ができるでしょう。そうしたことを考えることが、音楽好きの老前整理の一つです。
2-1-2.老前整理を始める最適な時期
提唱者によると、老前整理の実践に最適なタイミングは老いる前です。具体的には「40代後半」くらいから意識し始めることを推奨しています。
家族がいる人なら、40代後半になると子供が独立し、家を出て一人暮らしを始める頃です。それを契機に、家のリフォームや夫婦の今後のあり方など、家族の形に合わせて様々な変化を考える時期です。単身者でしたら、引越しや年末年始の大掃除といったタイミングを活用するのも良いアイデアでしょう。
いずれにせよ、老前整理は老いる前にする整理です。
老前整理に取り組むなら、自分の気力や記憶力が衰える前に始めましょう。
2-2.生前整理
2-2-1.生前整理とは
生前整理は老前整理と同じく、自分で行う整理です。しかし、老前整理は自分の未来のために行う整理であるのに対し、生前整理は自分の死後、家族が困らないようにするための整理です。そのため、ほとんどの場合、「自分が他界した後、残された家族が争ったりしないよう財産などを整理すること」と説明される傾向にありますが、生前整理は争続を防ぐためだけの整理ではありません。むしろ、遺品整理は非常に家族に心的負担を与えるため、自分が死ぬ前に自分で処理しようとする整理です。
家族が故人の大切だったモノを周知していれば、遺品整理も大きな負担にはならないでしょう。しかし、実際は多くの方が、故人の思い出や大切なものが何かを詳しくは知りません。
本当に捨てて良いのだろうか。
遺品整理はその連続です。そのため、遺書などで故人の明確な意思が表示されていなければ、故人の希望に完全に沿った遺品整理は100%不可能でしょう。
あなたは、あなたの大切な音楽で、大切な家族に迷惑をかけたくないはずです。
例えばオーディオなら、家族に譲るのか、買取屋に売却するのか、あるいは残された家族に、自分の死後、買取屋に買い取ってもらうよう段取りを進めておくのか。それを考えることが、音楽好きの「生前整理」の一つでしょう。
2-2-2.生前整理始める最適な時期
生前整理はいつから始めたら良いのでしょう?
その質問に対し、多くの方は「早ければ早い方がいい」と言いますが、果たしてそれは本当でしょうか。
40代はまだ働き盛りで、肉体も記憶力もはっきりしている人がほとんどです。ですから、おおよその目安として、50代〜60代くらいから考えるのが最適かと思います。50代〜60代になると体力の衰えが顕著になり、整理しようにも体力が追いつかない可能性があるからです。
2-3.遺品整理
2-3-1.遺品整理とは
遺品整理とは、亡くなった人が残した遺品を整理することです。遺品処理、遺品処分とも呼ばれます。ただし、一般的には、残されたものを全てゴミとして廃棄して片付けることは遺品整理とは呼びません。例えば仏壇や写真や手紙など、故人の思い入れの強いものは供養してから処分したりと、決して遺品を一つ一つ粗末に扱わず、適正に処置することが遺品整理です。
近年では、遺品を整理する遺品整理士という肩書きの方がいますので、遺品整理はそうした方にお任せするのも悪くはありません。しかし、車を遺品整理に任せる方は多くないと思います。おそらく車買取専門店に依頼する方がほとんどでしょう。貴金属や時計も同じです。そして、オーディオも非常に価値のあるものが多いので、そういった価値の高いものについては、それぞれの買取専門家にお願いするのがよいでしょう。
ご遺品に、オーディオがある方はこちらもご覧ください。
https://audio.kaitori8.com/memento-audio/
2-3-2.遺品整理を始める最適な時期
一般的には、四十九日法要を終えたからと言われていますが、実際には遺品整理を始めるべき時期はありません。ご遺族の方が気持ちの整理をつけると決心された時にされるのが良いでしょう。
故人の遺品を遺族で分け合うことは「形見分け」と呼ばれますが、この形見分けについても取りかかるべきタイミングはありません。
ただ、賃貸物件の場合は家賃を支払い続けなければなりませんし、公営住宅の場合は、亡くなってから49日後までに部屋を明け渡す契約になっています。ですから、葬儀や法事が終わってから、直ちに遺品整理や処分にかかるケースも少なくありません。
3.断捨離とは
断捨離は沖正弘が提唱した造語です。現在は、やましたひでこ(山下英子)の登録商標として保護されています。
「もったいない」という固定観念など、モノへの執着を捨て不要なモノを減らすことにより、生活の質の向上や心の平穏、運気向上などを得ようとする考え方、それが「断捨離」です。
「断」は、入ってくるいらないモノを断つこと。
「捨」は、家にあるガラクタを捨てること。
「離」は、モノへの執着から離れること。
を表し、ヨーガの行法である断行・捨行・離行の応用です。あくまでヨーガの行法がベースのため、単なる片付けやミニマリストとは一線を画します。
4.終活を始めようかお悩みの方へ
4-1.「終活」に対する他の人の考え方
楽天インサイト株式会社は、終活に関する調査結果をいくつか公表しています(2019年)。
例えば、終活の意向が最も高いのは、意外にも「30代」です。情報社会だからこそ、何でも早めに取り掛かりたいという意思の表れだと思います。ちなみに、終活の意向があると答えたのはおよそ4割だったそうです。
しかし、終活の意向を最も強く持っているのは30代だったにも関わらず、一方で実際に終活を始めたいと思うのは「60代」が最も大きな割合を占めました。定年を迎え、セカンドライフの始まりとして認知されているからでしょう。
もちろん、「終活」という言葉の認知度は非常に高く、全体のおよそ8割の方が「知っている」と回答しています。
以上のように、多くの方が終活に関心を抱いているのはわかります。が、いざ終活に取り組もうとすると、「何から手をつけたら良いかわからない」人が非常に多いようです。その理由として「相談できる相手がいない」という不安が多いからだと推測できますが、次の項目では終活の基本的な流れを紹介します。
4-2.終活の進め方
終活にはこれといった決まりはありません。内容も、取り組むべき順番もありません。ただ、多くの人が取り組むものとして次の5点が挙げられます。
①エンディングノートの記入
②身の回りの整理
③お墓の準備
④葬儀の準備(葬儀社との事前相談や、遺影の撮影など)
⑤遺言書の作成
この中でも、音楽好きのあなたに是非取り組んでいただきたいのが、①エンディングノートの記入と②身の回りの整理です。特にオーディオをお持ちの方はどちらかは必ずするべきです。
冒頭でもお話ししましたが、終活には二つの側面があります。一つが、「自分らしく生きて、自分らしい死を迎える」こと。もう一つが、「自分の死後、家族や他人に迷惑をかけないための準備」です。
自分らしく生きたい、つまり自分の大切なものを大切にすることは終活の一つです。そして、自分の大切なものを大切にする方法は、「死ぬまで自分の手元に置いて大切にする」方法と、「自分の大切なものだから、自分自身で処分する」方法の二つが考えられます。
4-2-1.オーディオは死ぬまで自分の手元に置いておきたい人は
オーディオは死ぬまで自分の手元に置いて大切にしたい人は、エンディングノートの記入をお勧めします。あなたの大切なアンプやスピーカー、あるいはプレーヤーをどうしたいのか。それをエンディングノートに残しましょう。
家族に残したいのか。残したいなら、誰に残したいのか。その人の名前を残しましょう。
売却して欲しいなら、その旨を記しておきましょう。もしその旨を伝えておかなければ、オーディオの価値を知らない家族はゴミとして処理してしまうかもしれません。
ですから、それを防ぐためにも、あなたがオーディオをお持ちなら、エンディングノートに「自分の死後はオーディオを売却して欲しい」と書いておきましょう。それも、どこに売却すべきかも記して置いてあげればベストです。
オーディオの売却には専門的知識が必要です。総合買取屋では想像以上に安く買い取られることもありますし、オーディオ専門店でも買取価格には差が出ます。いずれにせよ、オーディオを死ぬまで自分の手元で大切にしたい方は、自分の死後にどのようにして欲しいのか、エンディングノートに残しましょう。
4-2-2.自分の大切なものは自分で処分したい人は
自分の大切なオーディオは自分で処分したい。そうお考えの方は、オーディオ買取専門店に買取依頼をお願いしましょう。なぜ専門店をお勧めするのかと言うと、オーディオはその価値を知った業者なら高額買取してくれるからです。そして、高額買取をしてくれる買取専門店は、たいてい次に大切に使ってくれる方を知っています。
あなたのオーディオを、いついつまでも大切に。
そんな想いで買取をしている業者はいるはずです。ぜひ大切なオーディオは大切にしてくれる買取専門店へ買取依頼しましょう。
私たちオーディオ買取屋では、オーディオを売りたい方の相談も承っております。また、お見積もりも無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
お見積もりは以下より簡単にお申し込みしていただけます。ぜひご活用ください。
https://audio.kaitori8.com/quoteform/
5.まとめ
老前整理は、自分のために自分でする整理。
生前整理は、残された家族のために自分でする整理。
遺品整理は、残された家族がする整理。
色々な整理がありますが、終活に対する関心度は日に日に強まっています。そして、どんな整理をするにしても、もしあなたがオーディオをお持ちなら、「オーディオをどうするか」はあなたが決めておくべきです。オーディオはあなたの宝物であり、一方でオーディオについて詳しくないあなたのご家族にとっては、その処分は非常に難しい問題だからです。
家族に譲るのか。
自分で処分するのか。
自分の死後、家族に処分をお願いするのか。
そして、もし処分をお考えなら、ぜひオーディオ専門の買取店へ買取の依頼をするべきです。あなたが大切にしてきたように、きっと大切に買い取ってくれます。
ぜひ終活を通して、より自分らしい人生が送れますように。
オーディオ買取屋は皆さんの人生がより素晴らしくなることを心よりお祈りしています。